2021.11.09〜11 阪堺電車②
1泊1100円はミナミでは高級ホテルだったかもしれないが、布団はびっくりするほど薄かった。カメラバッグの重さにやられた肩の痛さが治るわけもなく、そのまま日の出とともに行動を開始した。とはいえ、雨が降ったりやんだりの猫の目天気。折りたたみ傘が手放せない中でどう撮影を続けていくか。難儀な一日が始まった。
天王寺から路面電車に揺られ、北畠で降りてみた。小雨降る中カメラを構えて、電停を入れて雨っぽいカットをまずは撮影。そのまま振り返るれば専用軌道を見通せそうだ。こちらも湿り気が感じられるライティングにうまいことなってくれてラッキー。最後は再び電停で、モ502とのすれ違いシーンを撮影。モ710のピンクの塗装は微妙だが、モ502の野村證券塗装はえんじ色が相まって私は好きだ。雨脚が強まる中、なんとかシャッターを切った。
耐えられない大粒の雨が降ってきたので車内に逃げ、住吉大社へ。降りるともう雨はやんでいた。なんなんだ。カメラの準備をしていると、唐突に旧塗装のモ505が登場。とりあえず急ぎきのう目をつけていた渋い商店と絡めて構図を作り、そのまま振り返って電停の看板と絡めて撮影。最後は七五三の赤い旗がたなびく様子も入れて、去り際をパシャリ。どう撮っても画になる車両である。
先程見送ったモ505は恵美須町行き。本数の少ない阪堺線への充当である。これは東粉浜の通天閣バックを撮るチャンスである。構図を見定め、一本前のモ354を練習に使う贅沢をかましてからいざ本番。光線はだんだんと良くなってきつつも、信号の運に阻まれて車の海をかき分ける状態になってしまった。これはこれで、都電廃止前の報道写真みたいな感じがして嫌いではないけどね。通天閣に目が行かないのがちょっと良くないなぁという感じ。
これだけではもったいないので、去り際も余すことなく撮影。ちょうど来た恵美須町行きと絡めると、バランスの良い画角に収まってくれた。東粉浜停留場も周りを見ると案外渋い建物や看板があるではないか。ごちゃごちゃした下町の目抜き通り。車両も相まって雰囲気たっぷりの写真になった。