相撲と宮城県

今回の相撲スポット

今回は宮城県の相撲について調べていきたいと思います。
宮城県出身の幕内力士はこれまで23人存在しています。
そのなかでも最初に幕内に登場した力士は駒ケ嶽國力。宮城県遠田郡出身で、明治31年デビューの力士で、最高位は大関です。188cmの身長を活かした豪快な相撲が取り口で、当時の横綱太刀山と互角に渡り合う相撲を見せ、横綱昇進も期待されていたようです。しかし、お酒と食べ物が大好きだったようで、横綱昇進はなりませんでした。
そしてここから、宮城県出身力士で大関・横綱を務めた人は現れていません。

実は横綱が3人もいた!?

しかし、両国国技館が開館する明治42年以前の歴史を見てみると、宮城県には横綱がなんと3人も存在しているのです。
1人目は、第3代横綱「丸山権太左衛門」。現在の宮城県登米市出身の力士です。デビューした場所などは不明ですが、実在した力士であることは確かなようです。
ここで実在という書き方をしたのには理由があります。初代横綱の明石から3代目の丸山までは果たして本当に横綱だったのかの確たる証拠がないのです。
しかも、初代横綱の明石と2代目横綱の綾川は生年月日不詳・横綱に昇進した場所も不詳という完全に謎に包まれた力士となっているのです。それに対して、丸山は実在が確認されており、力士として活動していたようです。そのため、このような書き方をしました。
丸山の驚くべきポイントは体です。身長197cm・体重166㎏という体格の持ち主だったようで、江戸時代の平均身長が155~158㎝だったということを考えると、とてつもない慎重だったことが伺えます。現代の日本でもひときわ目を引く体であり、現在の幕内の中でも最高身長となります。今の時代に見てみたかった…

強い…強すぎる!! 谷風梶之助

2人目は、第4代横綱「谷風梶之助」。今の宮城県仙台市出身の力士です。1768年デビューで、そこから圧倒的な強さを発揮します。成績は、わずか14回しか負けていない(いや、凄すぎん?)こと、連勝記録は63。しかも、連勝が途切れた翌日から43連勝という、とんでもない記録を作っています。とにかく強かったという谷風は、現在まで誰も使うことのできない四股名である「止め名」となっています。
そして、1789年には横綱に昇進。谷風から横綱制度が始まったという見方もあります。そんな谷風の身長体重は、189cm162kg。これは現役力士だと、初場所優勝を争った琴勝峰(189cm163kg)や引退を表明した隠岐の海(189cm161kg)とほぼ同じ体型となります。今の相撲界でも長身と呼ばれる力士たちと並んでいるというのは江戸時代の体型を考えると驚きでしかありません。

引き分けの多い横綱 大砲万右エ門

3人目は、「大砲万右エ門」。今の宮城県白石市出身の力士です。1884年デビューで、大関を4場所経験したのちに、横綱に昇進しています。大関の間の成績は、何と無敗!休場はあるものの負けなしというのは、凄すぎる。そして、身長は194cm。宮城県の力士は大柄な力士が多いですね。
そして、横綱昇進後には、0勝0敗9引き分け1休という珍しい成績を残しています。引き分けというのは取組が長くなり、お互いに勝負がつかなくなったときに出されるものですが、平成・令和では一度も出ていません。それだけ珍しい勝負結果なのですが、それを出場した日すべてで引き分けになってしまうというのは非常に珍しいことが分かります。

期待の宮城県出身力士!!

さて、そんな横綱三人を擁する宮城県ですが、令和になって以降は幕内力士が現れていません。そんな宮城県で注目したい現役力士は、時疾風です。現在幕下で相撲を取っており、3月の春場所では十両挑戦の地位となる東幕下3枚目で、昇進を窺います。
宮城県栗原市出身で、2019年3月場所デビュー。同級生には貴景勝・錦富士・翠富士など今の幕内を盛り上げている力士が多数存在しています。デビューした大阪で新十両を決めることができるのか、そして2003年五城楼以来の宮城県出身幕内力士が誕生するか、楽しみです。

宮城県の相撲スポット!!

歴史ある宮城県の相撲スポットは数多く存在します。
まずは、宮城県が生んだ3横綱にまつわるスポットから。
登米市米山町にある「道の駅米山」には丸山権太左衛門の銅像が、そして同じく米山町の「松寿院」には遺髪や遺品などを収めた丸山堂があります。
仙台市の「勾当台公園」には谷風梶之助の銅像があり、仙台駅西口を少し歩くと、谷風通りと名付けられた道があります。
白石市にある「白石城」には大砲万右エ門の銅像が建てられています。

宮城県の相撲を調べていくと、歴史の深さに驚かされることとなりました。
ぜひとも早く宮城県出身の幕内力士が誕生して欲しいです。

参考文献
Wikipedia「駒ケ嶽國力
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「丸山権太左衛門
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「谷風梶之助
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「大砲万右エ門
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「白鵬翔
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「止め名
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「引分(相撲)
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「五城楼勝洋
2023年3月1日閲覧
Wikipedia「時疾風秀喜
2023年3月1日閲覧
登米市「【米山町エリア】第三代横綱丸山権太左衛門
2023年3月1日閲覧
machinabi WEB仙台「谷風通り
2023年3月1日閲覧
Tripadvisor 「谷風梶之助 等身像
2023年3月1日閲覧
笑顔を伝える旅ブログ「夜の白石城でライトアップされる天守閣と横綱:大砲【仙台旅行記㉙】
2023年3月1日閲覧
亰須利敏・水野尚文 令和五年版大相撲力士名鑑
2023年3月1日閲覧
ベースボールマガジン社 相撲観戦入門2023
2023年3月1日閲覧
ベースボールマガジン社 令和五年大相撲力士名鑑 
2023年3月1日閲覧

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