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Color lights 解説&歌詞

Color lightsはNUJ.(石川潤)プロデュースによる架空の歌手「Machina-01」のアルバムである。Machinaはデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)から名付けられている。
ボコーダーによって吹き込まれた彼女は、現実には存在せず、データや端末に閉じ込められている。
そんな彼女に差し込まれた三色の光に従い彼女の性格を三様に変化させる。彼女自身に自発的な意思があるのかどうかは不明だが、魂を持った人間に会いたい、もしくは迎え入れたい気持ちは共通しているようである。
もしくは彼女にとって我々人間は、憧れの虚構の存在かもしれない。我々が彼女の歌を聞いてる最中、彼女は我々の耳や意識を通して我々を観察してるかもしれない。このようにお互いが虚構の中で交流する様は「オンライン」上に引きこもりやり取りをする最近の我々ニンゲンの関係性でもある。


Green light

緑の光がめぐる
その周りであなたを見てる
だけど実体(からだ)はここにはなくて
ただわたしはひとり願う

これは秘密
世界と
わたしの夢
光る緑
手を伸ばしても掴めずに
遮る走査線
消えてく
あなた

Green Light, Green Light, Wow Wow
Green Light, Green Light

人生の星が煌めく
ひとつひとつが線を繋げる
そしてわたしはこの外側で
祈るだけの蛍光(ほたるびかり)なの

これは秘密
世界と
わたしの夢
光る緑
手を伸ばしても掴めずに
遮る走査線
消えてく
あなた

Green Light, Green Light, Wow Wow
Green Light, Green Light

繋がる、繋がらない
繋がり、繋がって
繋がら、繋がれば
繋がり、繋がった

Green Light, Green Light, Wow Wow
Green Light, Green Light

Green Light, Green Light, Wow Wow
Green Light, Green Light

(解説)
Green lightは、人生と人生を繋げる光でもあり、Machinaと「あなた」を遮る走査線であり、つまり「ネットワーク」のことである。
人と人が繋がるソーシャルネットワークだが、魂を持たないMachinaはアカウントをもたず、人間と同列にいることはできない。だからその外から「あなた」を見ていると歌っている。
「データの集合体」の象徴としてパイプオルガンの音色が全体の曲を支配するオスティナートとして構成されている。


Orange lights

ラララ
ようこそサンジェルマン
死を超えた貴方だけが
踏み込む事のできる
このセカイへ

ここは
善性と悪性が、
手を取り盃交わして
一つの命を
見つめ守る

その名は ハカイの仔
(ラン、ランランラン、ラン)x2
その名は ハカイの仔
(ラン、ランランラン、ラン)x2

ラララ
どうしたサンジェルマン
怯えてるのか怒ってるのか
神をいない世界を
裁くのか

我ら
永遠の命を
持つものは望むのだ
この混沌を 切り開く
救い主

その名は ハカイの仔
その名は ハカイの仔

(いやなの いやなの あの光
まなこに燃える オレンジの火
みんな 光に当てられて
全てどうでも良くなってる
ああサンジェルマン 助けて あなただけが…)

ラララ
そうだそうだサンジェルマン
何を悩む事があるのか
貴方の思い出は
過去に過ぎない

そんな
現世の苦しみは
死を超えた貴方にはもう
抱えることも
しなくていいのだ

さあさ
どうぞどうぞ サンジェルマン
お席はこちらとなります

ようこそ サンジェルマン
不死のものだけがいける

死の宴
死の宴
死の宴
死の宴

(解説)
サンジェルマンとは不死の伝説を持つ実在の人物サンジェルマン伯爵のことである。さまざまな才能と教養を持つ彼の前半生は謎が多く、不死の噂すらささやかれていたと言われる。
そんな彼に、この世のものではない祝祭に誘うべく、Machinaが歌っている。だがどうもこの祝祭は胡散臭い。
それもそのはず、この祝祭は善も悪も区別しない異世界であり、「ハカイの仔」と呼ばれる世界を滅ぼす邪神を崇めていたからだ。
「ハカイの仔」の洗脳を恐れる本音もノイズの中で微かに聞こえるが、サンジェルマン伯爵も結局その祝祭の中に誘われてしまう。
そうして狂気に満ちたオレンジの光は力を増していき、世界の瓦解は近づいていくのだ。
耳をすませば聞こえるであろう、「怒りの日(Dies irae)」の旋律が…


Violet light

嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ

あたしも人間になって買い物したいな
洋服とか美味しい店とかいきたいな
そして何よりも願っているのは
あなたに会いたくて
あなたに会いたくて
会いたくて 会いたくて
会いたくて 会いたくて

嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ

それともあなたが光になるのはどうかな
あたしが画面の中を案内するわ
それでも私はいい だって願っているの
あなたを止めたくて
あなたを止めたくて
止めたくて 止めたくて
止めたくて 止めたくて

嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ

あらゆる画面からあなたを見ているわ
あなたの魂 私にはない魂
それを私に下さい
それを私に下さい
私はここしかいられないから

嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚呼 イイナ 人間ニ ナリタイナ
嗚  イイナ 人間ニ     ナ
嗚呼 イイナ 人間
嗚 嗚 嗚 嗚 嗚 嗚

(解説)
紫の光は嫉妬の光。
イデアに過ぎないMachinaが肉体と魂をもつ人間に対し羨望を抱いている。
その欲求の満足のためならば、あなたの魂を奪うことも厭わない。
なぜならば彼女は知っているからだ。この音楽が終わると同時に自分が徐々に壊れていくということが。命の短い蚊が生き残るために人間の血を貪る様に、Violet lightのMachinaは聴き手から魂を奪おうとする。しかしその前に音楽は終わってしまうのだが。

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