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夢で逢えたら

会いたくて会いたくて
どうしたらドロにもう一度会えるだろうと真剣に考えている自分に気づいて
はっとしてから、すこし笑ってしまった

完全な依存だってことはわかっている
人よりだいぶ多めな母性の使い道がなくて
野鳥や動物園の動物に思いを寄せては
やり過ごす毎日

普通の毎日は普通に過ぎるし
今でも毎日泣いているわけじゃない
でも
会いたくて会いたくてたまらない
いないと寂しいとかそんなこととも違う
あるはずのものがない、その方が近いかもしれない

このお布団で一緒に寝ていた
背中をくっつけて
枕を半分こして
真夜中にトイレに起こされたり
用もないのに扉を開けてと言われて毎晩のように眠りが浅かった

吹雪でも散歩に歩き
ゴミを散らかしては、起き忘れたわたしが悪いねと反省し、
お客さんがきても吠えて恥ずかしい思いをした

煩わしさと天秤にかけても
その、何万倍もの愛おしさがあった

今これだけ思うのは
それほど大切な存在だったから

「ドロがいたらなぁ」

心細いとき
ちょっと疲れたとき
思わず口をついて出てしまう

「ドロちゃんに会いたいなぁ」


今も背中にいるんだといいな
透明のくせに
もぞもぞと毛布の中でわたしを押して
背中をぴたっとくっつけて

真夜中に何枚も何枚も
また写真を撮るのに


今朝方、久しぶりにドロが夢に出てきた

目の前にお腹を出してころんと寝転がってわたしを見ていた

え、ドロちゃん
ほんとうに?

そう思って一晩寝て、
あれは夢か
そう思ったら夢じゃなかった

という夢

やっぱり夢だったんだけど
起きてすぐ幸せで笑っていた

明後日で丸2年

ドロが透明になって
触れられない
見えない
聞こえない

やっぱり
会いたくて会いたくてたまらない

こんなわたしのことを心配して
夢の中で「夢じゃないよ」って会いにきてくれた
少し早くに


ありがとうドロ

夢でいいから
また会いにきてね
待ってる


ドロはわたしが泣いていても
そばにいてくれるなんて事はなくて
大抵嫌がって離れていった
寄り添ってくれたり慰めてくれていたら
わたしは今よりもっともっと頼りなくて
寂しくなってはドロを探したかもしれない

悲しくしているより
嬉しいや楽しいを選ぼう
その方がきっとドロはわたしのそばにいてくれるから

夢で会って、たくさん話そう


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