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にじさんじ麻雀杯二〇二一 本戦(準決勝・決勝) 感想

ついにやってきました本戦!予選を勝ち抜いた猛者達による対決です。
半荘戦になることもあり、昨日より実力が出やすい今日の対局。
一体どうなるのか、とても楽しみです!
一緒に振り返っていきましょう!!

※漢数字→マンズ、丸数字→ピンズ、アラビア数字→ソーズで表記しております。
※選手の呼び方は僕の呼び方です。

【準決勝①卓】

無効試合からの長丁場!試される集中力!

対局者/甲斐田晴/三枝明那/葉加瀬冬雪/ルイス・キャミー

運営のミスによる無効試合から始まったこの試合。予選に出場した選手達も素晴らしい闘牌を見せたが、やはり準決勝に進出した選手達は更にレベルの高い試合を見せてくれた。なので、もう少し細かいところまで麻雀の話をしようかと思う。僕は下手くそなんで合ってるかは知らぬ!

まずルイス。牌効率などはほとんど突っ込むところがない。無効試合の時の愚形含みのリャンシャンテンの時くらいだったかな?気になったのは。
押し引きの面は、もう少し押してもいい気もしたが、一戦だけでトップ取りというルールを考えれば、これくらいのバランスでいいのかもしれない。上手だな〜という感じ。
南3局、オタ風の西をポンした甲斐田に対して、チートイリャンシャンテンの状況からソーズが余るまでは先にソーズ打ち。中の大明カンが入ったところで撤退。チートイ狙いと上手く噛み合い、發での放銃を回避した。
南4局での2000点の仕掛けは、ちょっと早計だったかなぁと思う。ただ、リーチ棒が出れば条件クリアだったので、悪くない判断だ。
勝ち切れなかったのは悔しいだろうが、正直知識量は1番。1番怖い打ち手だ。

続いてアッキーナ。序盤の手組みで多少のミスはあったものの、基本に忠実ないい麻雀。積極的に肉を狙う姿勢も良かった。
気になったのは東2局3本場、五六七八②③④3357799から、八打ち。33577の形は強いが、良型テンパイにはならない。断么の可能性も残る上、4連形は強いので、9切りが良さげ。しかしアッキーナ、その後9を重ねていた。流石だな…

そしてはかちぇ。正直、昨日よりも上手だったと思う。やっぱり多少慣れたからなのかな?
個人的に興奮したのは東2局2本場。甲斐田がドラポン、ルイスに仕掛けが入る…という状況で、素直に進めた手で三色確定のダマテン。待ちとなった九と9のシャンポン待ちが、後半で山に3枚残りということで、かなり有利な状況。にも関わらず、まさかの王牌に3枚残りで和了とはならなかった。
…なお、本人は三色に気付いていなかった模様。さすが撲滅委員会。

最後に甲斐田。本人は最後まで運だ運だと言い続けていたが、運をアガリに結びつけるのは本人の技量である。上手く立ち回っていた。
南場での東ポンなど、不慣れが故のミスや、純粋な牌効率のミスも少しはあったが、全体的に上手く動けていた。

最終局も、出上がりで3200のテンパイと条件クリア(多分本人気付いてないけど)の手で、リーチ後に重なった四をカンせずスルー。実況席からは「配信者ならカンだろ!」の声が飛んだが、これは微妙なところ。でも多分カンした方がいい。
しない方がいい理由としては、ドラが増えること。甲斐田のリーチ棒によって、アッキーナとルイスは2000点程度で条件クリアとなっていたため、周りの打点を上げることは終局のリスクにつながる。
だか、周りは自分のリーチに対応気味。アガられるならどうせ一緒だ!と考え、カンをして自分のツモ番を増やす方が良かったように感じた。
全体を通して振り返るといい麻雀だったぞ、甲斐田!

【準決勝②卓】

実力者揃いの中、抜け出したのは…?

対局者/グウェル・オス・ガール/郡道美玲/ジョー・力一/空星きらめ

半荘って、こんな長かったっけ?
そう思ってしまった。①卓も長かったが、負けず劣らずアツい一戦だった。
きらめちゃんと力ちゃん、この両名については「配牌とツモ」これに尽きる。どんな天才も運は凌駕出来ない。それをひしひしと感じた。
きらめちゃんは序盤、赤赤の手からグウェルに一発放銃。力ちゃんは東3局に親番のぐんみちのダマテンに放銃し、さらに三色のテンパイを2度入れながら2度ともぐんみちへの放銃となった。この後、2人は立ち直れず。
そういった流れから、対局は終始グウェルVSぐんみちの様相。
グウェルは予選に続きらしさ炸裂。安手から高い手まで縦横無尽に組んだ。放銃目前で放銃牌を重ねるなど、運の良さもあった。
しかし、それ以上だったのはぐんみち。
東場の親番で大きく加点すると、南2局にタンピンの3面張テンパイ。ツモると裏ドラには③で裏裏のハネマンまで伸びる。これでトップ目に立った。
そしてオーラス、④⑦でピンフのダマテンを入れると、これにきらめちゃんが放銃。ぐんみちが決勝進出を決めた。
守備重視、安手早上がりのグウェルと、高い手も狙いに行くぐんみち。いいバランスだった。
みんな上手で、ほぼほぼ突っ込みどころのない、完成された対局だった。

【準決勝③卓】

場を引っ掻き回す高打点の嵐!やしきずの胃や如何に!?

対局者/えま☆おうがすと/シェリン・バーガンディ/鷹宮リオン/社築

前段階ではここまでの2卓とは打って変わった印象のこの卓。何も分からないまま勝ち上がったシェリン、予選で超次元麻雀を見せたえま、成長したとはいえポンの印象が拭えないリオン様の3人が一同に会したこの卓では、やしきずの心労が心配された。
しかし、始まってみると、高打点が飛び交い、目まぐるしく順位の変わる対局に。
まずシェリン。東発の親番でマンガンを上がる最高のスタートを切ると、続く東2局では2着目のやしきずから5200のアガリ。まさかこのまま突き進むか…?とも思われたが、その後はツモが振るわず。放銃に回り、得点を伸ばすことが出来なかった。
予選に引き続き、こちらの思考を乱してくる打牌もあった。南1局の親番、二四四六七八③④赤⑤23東東の手牌から、東をポンするとまさかの3切り。この打牌はシェリンにしか出来ない。
こんなこともやってる一方で、いい打牌も多く、初心者でこんなに打てることにとても驚かされた。俺が麻雀始めたばっかのとき、トイトイしか出来なかったよ?

調子が良かったが、波に乗り切れなかったのはえま。形についての知識があれば、もう少し健闘できたか。
しかしこちらもシェリンと同様に初心者でありながら、チートイや三色など美しい手を作り上げていた。だが、一着まで一歩及ばず。最後は自らのアガリでリオン様を飛ばしてしまった。得点計算は難しい。

リオン様は始まるや否や2局連続で12000点の放銃。なかなか天開司に習った守りを活かせず。ただ、その後は親番で加点し、飛びの危険は免れた…かと思いきや、やしきずのメンホンチートイに放銃。最後は、4000点持ちでリーチをかけたが、えまへ無念の放銃に終わり、飛び。今大会22局通して唯一の飛びとなった。
本人も興奮していたのは南1局。イーシャンテンで迎えた最後のツモ番にえまの当たり牌の七を持ってきた。勿論安全な牌を切りたいところだが、初心者は忘れてそのままツモ切りしがち。しかし「安全なとこ切ろう」としっかり三を切ってオリた。細かい話だが、本当に成長を感じた。

この卓を制したのはやしきず。やはり手順は卓内で最も上手で、後半特にツキもあった。天開司に助けを求めるリオン様に対し、悪役(というか、NTRみたいだなと思った)を演じて勝負を盛り上げた。優しいオタク。

【準決勝④卓】

パリピと観覧席の人に翻弄されるホスト、そして漁夫ハジキ

対局者/桜凛月/シスター・クレア/渋谷ハジメ/不破湊

なんといっても印象に残ったのは、クレアさん。この卓の主人公と呼んでも良かっただろう。
手が入っていたのは勿論だが、あらゆる面でツイていた。誰もを驚かせたのは南2局。2つ鳴いて手牌は二二六七八⑥⑦、⑤⑧のリャンメンテンパイを入れたが、まさかの二ポンから⑥タンキに構える。すると直後、ふわっちから⑥が。このアガリ、神のご加護がなくてはアガれぬ。
あと、単純に手組みが上手い。5ブロックはどこかで学んだのかな?自然に理解しているのだとしたら、本当にすごい。

りつきんは、頭の回転の早さが窺えた。初心者とは本当に思えなかった。手組みもそうだが、副露判断などは長く麻雀をやっていないと培えない本当に難しいところだ。しかしりつきんは、解説陣が「ここ鳴いた方がいいかな…」と感じるようなところで間違いなく鳴ける。本当に驚いた。
例えば東3局。1つ鳴いて二三四四五赤五④赤⑤77は断么ドラ3のイーシャンテン。ここで対面から出てきた五をしっかりとポンし、テンパイを取った。この動きが本当に難しい。
にじさんじ麻雀杯を通して見ていても、ここのポンテンを取れるか、というのが、全体的にレベルが上がってきた中でも1つの分水嶺になっているように感じる。
ここが鳴ける時点で、周りよりも一歩先にいると言っていいだろう。

天性の守備力を持つふわっちも、この対局ではリーチ後に放銃を繰り返してしまう。「リーチは天才を凡夫に変える」という麻雀の名言を、コメントで何度も目にした。
どんな大会でも上位に食い込むふわっちだが、なかなかあと一歩、優勝まで届かない状態が続いている。ただ、実力は間違いなくあるので、これからいくらでもチャンスがあるだろう。
正直、守備に関しては天才と言っていい。ちゃんと学んだわけじゃないだろうに放銃を目の前で回避する姿は、まさに天才だ。茅森早香プロの再来かな。
だからこそ、牌効率など攻撃につながる面を学べば、最強の雀士が出来上がると思う。本当に楽しみだ。

そんな対局を制したのはハジキだった。ハジキに関しては、押し引きのバランスが素晴らしかった。
字牌のアンコやトイツを崩してオリているのも見たが、本当に大事な手の時にはしっかりと勝負してアガり切る。また、他の参加者と比べて、オリを早く選択できるところも良かった。どうしてもリーチが入るまでオリに思考が切り替わらない人も多くいるが、千羽黒乃師匠の指導を受けたハジキはそういった思考がよく働いていた。無駄な放銃を減らしたことが、後半の逆転につながった。
後、三色の神に愛されてたね、今日のハジキは。

【決勝卓】

燃える闘魂は引火性、優勝へと向かう導火線に火をつけろ!

対局者/甲斐田晴/郡道美玲/渋谷ハジメ/社築

「炎上卓」ってみんな言ってた。僕も言ってた。
そういう点では、やしきずが準決勝に続いてなんだか1人浮いてた。

それでは振り返っていこうと思う。
まず1戦目。本当に高い手がみんなに入りまくっていた。しかし、解説席のボルテージが上がるばかりで、なかなか成就しない。
最初に大きな手を上がったのはハジキだった。親番でハイテイのマンガンツモ。このツモが大きくこの後の明暗を分けた。
というのも、実はこの時ぐんみちは流しマンガンが完成していた。途中に捨て牌を鳴かれてもおらず、もしハイテイに④がいなければぐんみちの2000-4000、ハジキの親被りで全く違った展開になっていただろう。
終わってから思えば、この時点で今日のハジキのツキはすごかった。
この親番を生かし、ハジキがさらに加点。その後は全員に手が入ったが、点を持つと硬いのがハジキ。千羽黒乃譲りのその守備力を周りはなかなか崩せなかった。

1戦目が終わったところでの得点は次のよう。
渋谷ハジメ:48900 社築:38100
郡道美玲:19800 甲斐田晴:13200
ハジキがトップに立ち、やしきずが約10000点差で追う展開に。ぐんみち・甲斐田の両名は、優勝には大きなトップが必要となった。

続いて2戦目。まず見所を作ったのはぐんみち。アンコが2つの手で見ている側も色めき立っていたが、高め一盃口のテンパイが入るとここでもってきた8を暗カン。すると、雀魂とコラボした咲が力を宿したか。嶺上開花が成就。開局早々、卓上に紅一点が花を咲かせた。

しかし、ハジキの勢いが止まらない。次局にやしきずから上がると、さらに次局にはムダヅモなしで高め一盃口のテンパイ。解説陣、絶句。

それでも、誰が勝つかは最後まで分からない。それが麻雀だ。
次局、ハジキに対し最も近い位置につけているやしきずのアガリはハジキからの直撃。

しかし、しかし止まらないのが今日のハジキ。さらに次局、ドラドラの手を1と47の変則3面張でテンパイすると、見事にツモ。マンガンツモでトップ目に立った。

そこからは、甲斐田に四暗刻狙いの手が入ったり、やしきずが連荘したりとあったが、ハジキを蹴落とすほどの大きなアガリは出せず。

そしてハジキがトップ目のまま迎えたオーラス。全員の手牌を見て舞元が一言「ハジメくんの手が1番楽しそう…」
それもそのはず、ハジキの手には特急券の白もトイツでありながら、一と2がアンコという松阪牛の香り。
しかし、ここは上がりトップの場面。流石に1枚目から白を鳴き、③⑥のリャンメンでテンパイした。

最後まで、牌に愛されていたハジキだった。テンパイするとその次順にはツモ上がり。もう今日のハジキは誰にも止められなかった。文句無しの完全優勝となった。

全体を通しての感想

本当に楽しい2日間でした!アツい場面が沢山あったこともそうだけど、何より選手の皆さんがめちゃくちゃ成長していたことに感動しました。

麻雀っていうのは、ちょっと前だと大学生が遊びでやってる〜みたいなイメージとか、裏でこっそりやってる賭け事〜みたいなイメージが強かったと思うんです。
でも、麻雀界隈は最近本当にそういうイメージを払拭し、裾野を広げようと頑張っていて、その一例がMリーグのような、公式で透明な団体の垣根を越えた勝負の場だったりするわけです。
そう考えると、こういったVtuberによる活動は、今目指すところの「麻雀というものの普及」に非常に大きな効果があったのではないかと感じます。
「娯楽」としての麻雀。それを全力で楽しむ姿を見せることが、一番の麻雀人口を増やす方法なのかもしれませんね。

僕はただの一介の麻雀好きですが、麻雀をやる人が増えること以上に嬉しいことはありません。これは麻雀を愛するもの全ての共通の思いだと思います。

だからみんな、これからもたくさん麻雀を打って、たくさん麻雀を見て、たくさん麻雀を学んで、たくさん麻雀を楽しもうね!!


そして、これからもにじさんじを楽しもうね!

参加された全てのライバーさん、いろいろな場所で職務を果たした全ての関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!

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