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許してもらえる権利を得た

今まで自分の体を振り返ることはなかった。
頑丈な体に恵まれた。
疲れるけれど、特に何も起きない体を
誰かに触ってもらうとか
必要の無いことだった
動くのだから、疲れるのは当たり前
疲れてても動くのが当たり前
だって頑張らないと何も始まらないじゃないか

このところ、
いつも疲れているのはおかしいことだ
という思考がふと現われた

そのとき知り合った素敵な人の
なんとかという施術をたまに受けに行く。
全身に何かしてくれる。
症状がなくても行ってもいいのだ、
楽になっていいのだ、
気持ちいい、と思ってもいいのだ

という事実がこんなにも心を軽くすることを知った

特にトピックもないような人生を歩んできたとしても、
「ああ、がんばったなー」と
もっともらしくつぶやいていいのだ。
自分をほめてねぎらってよいのだ

その施術家は
「更年期だと思うよ。もっと、物事を楽にやっていいよ」
と言ってくれた。

また、別の施術家はこう言ってくれた
「がんばります、って言っちゃだめです。
がんばるのは、いつもと違う行為をするわけで
それは無理をさせているんです
がんばらないで。
体を揺らして。」

すとんと、心のいろいろなとげがおちた。

良い施術の後は、呼吸がおなかの下まで入る。
息がすべて声になる。
声が深くなる。

自己卑下したり、
まわりがキラキラ見えたり
グループ化している人間達が疎ましく見えたり
いい年してそんなことを思うなど
あるまじきことだと思っていた

それを隠さなくてもいいのだ。
だって更年期だから

そういうめんどくさい心情すべてを
「更年期」
という言葉で、さっさと片付けることにした。

そして、後から後から生まれてくる感情達と一緒に
遠慮なくおちたり
遠慮なくあがったり

好きなようにしよう。
だって、更年期だから

なんて素晴らしい響き。

許されるの。更年期だから。



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