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夢を叶えるには、自分の得意分野から攻める

タイトルが気に入らないけど仕方ない。結論は最初に言えと教わったので。


読んだ。

せきしろさんと又吉直樹さん、書く仕事をしてる2人が書いた自由律俳句と散文集。

自由律俳句、初めて触れたのだけど、すごくよい。たった一文で情景がぶわっと目の前に現れてきて、物語が始まってしまう。普通は面白い出来事があったとして、こんなに面白いのだから詳しく書きたい、たくさんネタにしたいと思ってしまいそうだけど、それを一文で収めている。すごくぜいたくだと思った。でもきっと、全てを書いてしまうと魅力は半減してしまうのかもしれない。ワビサビだ。

ラも唄う人だった

しばらく笑ってた

散文もよかった。特に、又吉直樹さんの文章がよくて、すっかり虜になってしまった。

夏らしいことが何もなかったと毎年九月に思う。だとしたら、もうそれが夏なんじゃないかとも思う。

最高すぎる。

ところで、こういう散文というか、エッセイのようなものを書いて広く読んでもらうには、特定の分野に秀でている必要があると思った。エッセイは、その人自身が感じたり経験したりしたことが元になってるからだ。「小説家」が書くエッセイとか、「グラビアアイドル」が書くエッセイとか。分野は普通の人とはかけ離れているほどよい。

似たような話で、「夢を叶える最も確実な方法は、自分の得意分野から攻める」ということに最近気づいた。

塾講師の林修先生は、本を出すことが夢だったらしい。それも、勉強は全く関係ない、自分の興味がある内容で(たぶん美味しいご飯の話だった気がする)。でも、教育の道で有名になった結果、美味しいご飯の本が出せた。

又吉直樹さんはどういう人かあまりわからないけれど、仮に小説家になることが夢だったとして、でもきっと、芸人のほうが即効性があったのかもしれない。芸人を続けていって、でも小説家の夢は諦めていなくて、最後には叶ってしまうんだから、すごい。ただ、最初から小説家だけを目指していたら、ありふれた小説家の1人になっていたかもしれなかった。小説を書くのはすごく難しくて才がいることだけど、その才を持ってる人はたくさんいるので、私たちは新刊コーナーに並べられてる本をなかなか全部読めない。きっと読んでみたらすごく面白いはずなのだけれど、そもそも手に取るまでのハードルが高い。だからこそ差別化する何かが必要で、なんてことない人のエッセイより、(本人は言われるのが嫌かもしれないけど)小説家で、芸人をやってる人のエッセイのほうが、読みたいに決まってる。

もちろん例外はあって、例えばKing Gnuのボーカル井口さんは、バンドが有名になってから自分のラジオ番組を持つようになって、ずっと憧れだったaikoさんをゲストに呼んだ。こんなふうに同じ分野から攻めていく方法もあって、きっと成功したらスムーズに進めるとは思うけれど、成功する確率もすごく低い。対してKing Gnuの曲を作ってる常田さんは、まずは一般ウケしそうなメロディーを作ってバンドを有名にしてから、本当に自分が作りたかった複雑な音楽を作ってる。

たとえその人がどんなに素晴らしいものを持っていたとしても、見つけてもらわなくちゃ意味ない。何でも挑戦できる世の中になったおかげですごい人がたくさん増えてきたけれど、その代わり、すごいだけじゃなかなか難しい世の中にもなった。

こんなこと考えてたらすっかり空が明るくなってしまった……。終。もうこのまま眠らないでいようかな。今日は歯医者がある。

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