死にそうなロック
過去、僕の育った時代の音楽の主流はロックだった。それがここ数年で電子音を使ったヒップホップへと変わった。もともと僕は歌詞にはこだわる方じゃなく音の生々しさに良し悪しを感じることの多いタチだが、どうやらそれは良いものらしい。詩を聴きたいなら詩集を買えば良いじゃないか。
「ロックは時代遅れの音楽だ」
これについて、過去には過去の、現代には現代のロックンロールがあるとは思うが、一度肯定して考えてみる。
過去、情報の少ない不安定な時代、溜まった不満を爆音で鳴り散らす音楽が人に支持された。それは自分の道を自分で肯定して進む人の中で、舞台の上で叫ぶ声が鮮やかに聴こえた。
それが情報に溢れ、どちらかというと見下される事の多くなった現代では、対相応の普遍的なものに見えてしまう。SNSで繋がった身近な人の不満を大声で聞かされて喜ぶ人はそう多くはないだろう。
過去の時代を引きずった二次創作的なジャンルなのは差し引いても、確かにこれは流行らない。
もっと確信を持つべきじゃないか?
金のない若者が、安い楽器を持ち寄ってわざわざ人前で恥を晒す理由。何故それを言わなければいけないのか、何故苦しまなければいけないのか、何故人は愛さなければいけないのか、何故、、
それを完璧に表現し、伝えきるための生々しさであるべきだ。必ずしも大音量である必要もない。自分が生きなければいけない理由を、自分の出せる全力かそれを少しだけ超える力で表現してみせる事が、現代のロックンロールの在り処なんじゃないだろうか。
なんて当たり前のことだけど、できたら良いよね
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