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【光る君へ】ドラマレビュー第14回更新です

クロワッサンオンライン 連載中、大河ドラマ「光る君へ」ドラマレビュー第14回更新です!
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クロワッサンオンライン「光る君へ」ドラマレビュー第14回

第14話に登場した、実資の新しい妻・婉子(つやこ/えんし)女王。実資に嫁ぐ前は、花山天皇の女御の一人でした。第9話で忯子を喪い傷心の帝のそばに「おなごを送りこめ」と義懐が実資に命じる場面。実資は「帝には姚子(とうこ)さま、諟子(ただこ)さま、婉子さまがおられます」と答えていました。まさかこの時は、自分がその婉子を娶ることになるとは思ってもいなかったでしょう。
今回のドラマの花山帝は良くも悪くもピュアな人物で、数多いる女御の中でたった一人、忯子のみを激しく熱く深く愛しました。帝のお渡りを待つしかない他の女御たちは、毎晩つらい思いをしたのではと想像しています。何しろ、どの姫たちも実家から皇子を望まれて入内している。娘が入内して帝のご寵愛を受け、そして皇子を産む。更に、その皇子が立太子して東宮へ。……という筋書は、兼家や道隆だけではなく、上級貴族たちなら皆抱く野望だったはず。期待を一身に受ける女性たちのプレッシャーは、並大抵ではなかったでしょう。

歴史上の人物である、史実の婉子がどんな女性で、当時何を考えていたかはわかりません。しかし今回の14話で、自分の好みぴったりの男性と結婚し、拗ねてご機嫌を取ってもらったり褥に誘ったりと奔放に振舞う彼女を観て、少し気持ちが救われたと同時に、歴史的創作物は過去の人物たちの供養となっているなあと改めて思ったのでした。

(続く)


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