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虎に翼 第8話

トラコ初傍聴はDV裁判…ではなく、DV夫となかなか離婚できない妻が、せめて自分の持ち物を返してほしいという物品返還請求裁判。
笹寿司のおっちゃん(田中要次)が「つまらない裁判」と言ったのは、おそらくこうした事案が、世の中には掃いて捨てるくらいあるからではないか。傍聴マニアにとっては見飽きるほどに。

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裁判長は栗原英雄、原告被告の両弁護人はシソンヌのコンビ。

◆原告・峰子は被告である夫・東田からの暴力により右膝は曲がらず、右耳は殆ど聞こえない状態である。実家に逃げ帰り、離婚裁判は勝訴している。が、夫が控訴しているために、まだ婚姻関係にある
◆離婚裁判とは別に、峰子は嫁入りの際に持参した品々の物品返却請求裁判を起こした。この品々の中には、母の形見も含まれている
◆結婚中、妻の財産を夫が管理するのは民法によって定められている

いかにも憎々し気な態度の被告の夫と、顔に痛々しく傷が残った妻。
見た目で判断してはいけない、事実だけで考えるんだと自分に言い聞かせながら裁判シーンを見ていた。これ、Eテレの昔話法廷で経験あるぞ……!

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よね(土居志央梨)と同じく、優三(仲野太賀)の意見も物品を取り戻すのは難しいと。法律を学んでいる人ほど、難しいという判断なんだな……。

トラコと同じく鼻息が荒くなりそうだが、トラコと優三のシーンの掛け合いの巧さにフフフと笑わせてもらって肩の力を少し抜く。

「結婚すると女はぜんぶ男に権利を奪われて、離婚も自由にできないって、誰かに教えてもらった?教えてもらってないよね?」
たまたまトラコの、両親をはじめ周りにいる夫婦が円満であるので、知るタイミングがなかったのだ。でも本当はトラコだけでなく、皆に周知される必要があるよね。教えてもらってないということは、選択と判断の機会を奪われているということだから。

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法改正延期を受けて、穂高先生(小林薫)が新入生をなだめに来てくれた。
法科女子部80名から7名に激減してしまった、一期生と同じ轍は踏まないということか。

トラコが述べる、物品返還請求裁判。それを聞いて、梅子(平岩紙)の顔色が変わる。弁護士夫人であるから、よき夫の理解のもとこの法科女子部に送り出されたと思っていたのだけれど、前回の「ま、そんなことだろうと思った」という諦めの処世術といい、彼女も夫婦関係において何かあるのかもしれない。

本当に物品を取り戻すことはできないのでしょうかというトラコの問いに、穂高先生の「さあ…どうだろう。法廷に正解というものはないからね」
オノマチの「えっ?ないの?正解……」というナレーションが入るが、これもEテレの昔話法廷で見たやつ!

そこで穂高先生から提案される「君たちならどんな弁護をするか、どんな判決がくだされると思うか」。
さあ、観ている私も考えてみよう、私なりに。どんな弁護をするか、どんな判決がくだされるか。

(つづく)

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