少年の残響試し読み感想

ネタバレあり。主に今回試し読みしたマンガ『少年の残響』について。その他、合唱マンガ、エヴァ等

タイトルが『少年の残響』とあり、そこから『少年ノート』『私の少年』のようななんとも言えないambivalenzなお話かなと思い、読んでみると実際導入部は何やら全寮制のエエとこの学校で少年たちが教育を受けて、そんで音楽系の少年ノートみたいなポポちゃんみたいな子が活躍する合唱マンガ…といった印象を受けてたら、突如血生臭いバトルがはじまり「今まで読んでいた少年マンガは?」とびっくりさせられた。銃撃戦。レオンとかガンスリンガーガールとか暗黒の塔ですか?ロバート・ブラウニングかな?という展開。ヘンデル作曲のオペラ・リナルド。三日会わないうちに成長した"Fräulein"カルル。読んで戸惑いはあったものの、雰囲気や直感で読みたいと思った人には結局のところアリな作品と言える。

少年ノート→ボーイソプラノ

ドラマ表参道高校合唱部→混成


鎌谷 悠希『少年ノート』…中学に入学して合唱部に入部したボーイソプラノの少年・蒼井由多香。合唱部の仲間と力を合わせて、合唱コンクールで金賞を取るために一所懸命に努力する部活もののマンガだ。2010〜2014年モーニング・ツー掲載。鎌谷先生の絵がめちゃくちゃ好みです。

『少年ノート』では男女混成。少年の残響では少年たちのみのようだ。

「少年合唱団」といえばウィーン少年合唱団が世界的に有名だけど、『少年の残響』にせよ少年ノートにしろ「歌う少年」をモチーフにしたときはやはりここからヒントを得ることが多いんだろう。一例としては水兵の制服。なぜか日本においては女子制服の襟となっているが、なぜなんだ。

ポパイも驚きですよ。そもそも制服や背広といったものが軍服からの発展系なのだから別に構わないんだけど。軍隊に対するアレルギーのある人はたぶん、学校制服や企業の制服に対しても同様の反応をすると思われる。制服にはメリット・デメリットあるので0か100って話ではない。


欧米先進国(+日本)においては児童労働は子供の権利の侵害であるとして基本的には良くないという共通の価値観ができあがっている。ましてや少年兵もしくは少女兵士なんてものは言語道断である。しかし現実に非欧米のアフリカや中東の紛争地域やらでは少年兵が存在しており、しかも誘拐してきた少年を逃げられないようにして兵士に育てるといった凶悪な行為が横行している。


そんな状況を踏まえた上で、一見すると欧米もしくは日本的な世界で少年少女が兵士として命のやり取りをする姿が、たとえフィクションの中でも描かれるのはいろんな意味で辛いものがある。

ファーストガンダムは百歩譲ってギリギリありとしても、エヴァンゲリオンは大人たちがクズで特に新劇場版は大人も味方もクズ揃いすぎてしんどい。シンジが不憫で仕方ない。駄作というわけではないんだけど主人公のおかれた状況の辛さが辛い。


ヱとかヲとか面倒な表記の話はやめろ。

辛さマシマシの中で、エヴァにおいてはカヲル君が一服の清涼剤なわけです。本心はよくわからんがカヲル君はシンジに優しい。これがもし野田洋次郎的世界観の碇シンジであれば、「全人類殺してもカヲル君を助ける!」ぐらいのことを迷いなくやりかねない。そういう意味では天気の子はRADWIMPSよりの世界といえる。

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