セルフマネジメント マニュアル
就活を控えている学生の方々や、就職してすぐ業務に携わっている方々を念頭に作成しています。セルフマネジメントは「自己管理」等と訳せますが、自分自身をマネジメントする、明日の自分を今日の自分がマネジメントするというイメージの方が近いように思います。
このnoteは、多くの書籍からのメモや覚書をしている中で作成されました。またそれらのメモや覚書を参考に、指導している学生や社会人になったばかりの研究員への指導として作成したものをまとめています。
以下のマニュアルが、就職活動をする学生さん、就職が決まって社会人への準備をしている方、新入社員で仕事やプライベートに悩まれている方、上司になって部下の指導にお困りの方々のお役に立てれば頂ければ幸いです。
to Doリストを作る、毎日記録を残す
最低限、翌日のto Doリストは必須です。朝になって(もしくは通学や出勤をして)初めてすべきことを考えることに比べて、格段に行動が円滑になります。翌日の服装を前日の夜までに準備するなどで、朝からの動きがさらに円滑になります。起床時間、移動なども含めて、タイムスケールと連動した表現ができる手帳やtoDoアプリケーションを使うことをお勧めします。もちろん紙(手帳など含む)でも構いませんが、紛失しても記録がすぐに復活するクラウド管理(Google、Dropboxなど)をお勧めします。
to Doリストで重視して頂きたいことは、処理済みの履歴を残すことです。自分が、いつ、どれくらいの処理ができたかを確認して、計画に反映して下さい。私個人としては、Excelで自作したものを長年使っており、最近はEvernoteに移行しています。Googleカレンダーは10年前後、手帳や前述の自作Excelと併用してきました。
to Doは一過的な仕事の処理に重要ですが、1日で終了しないことも多いと思います。その場合は、1つの業務を小さく分割してto Do化することをお勧めします。納期のある仕事は、その納期の半分の時間に終わるよう計画を立てて下さい(例えば、1週間後の締切の場合は3日後)。1週間全体の予定、数週間単位、月次の計画に発展し、数年後の目標を考えることも重要です。
手帳を作る、道具をマネジメントする
手帳の要件として、人と話した際のメモをとる、to Doリストを作る、カレンダーで計画を立てるなどがあります。スマートフォンなどのデジタルデバイスも有効です。双方のメリット、デメリットがありますので、併用することをお勧めします。
道具の選び方は、仕事のパフォーマンスに大きく影響します。例えば、LINEやメールはパソコンの方が数倍早く、送信の際はスマホを利用しないことをお勧めします。スマホやパソコンも、使いやすいものを選んで下さい。ブラインドタッチは、無料の練習ソフトがダウンロードできますので、必ず身に着けておいて下さい。
使い勝手の悪い道具は作業効率を大きく低下させ、逆にお気に入りのスマートフォンや文房具はモチベーションアップにも寄与します。つまり好き嫌いも重要な要素です。是非、大好きな道具に囲まれた毎日を目指して下さい。
規則正しい生活をする、生活をマネジメントする
休日も起床および就寝時間を一定にすると、月曜日のパフォーマンス低下を最小限にできます。時には、極端な早起きをする、余裕がある時に徹夜の練習をするなど、多少の負荷をかけて、それがどれだけパフォーマンスに響くかを試してみることも有効です。人に流されて生活パターンが崩れることをなるべく避け、多少乱された場合でもパフォーマンスの低下が最小限になるよう試行錯誤してみて下さい。
食生活のマネジメントも重要です。食事時間を一定にすると、疲労感軽減に繋がります。また、もちろん、その内容も重要です。食事バランスガイドを参照することやコンビニで食事をする場合も成分表示を見るなどをして下さい。正常なBMI(体重を身長で2回割った値、正常は概ね19~24)を維持して、太り気味の方は食事の制限、痩せ気味の方は十分な食事を摂取して下さい。そのために、自炊のスキルも重要です。
規則正しい生活や食習慣、適正体重を基本として、自身でコントロールできるようにして下さい。また、そのために運動習慣を身に付けて下さい。週に1回以上の運動が基本です。脳も身体の一部であり、規則正しい生活や食習慣、運動習慣により健全に保たれます。
感染症を避ける
コロナウイルスの蔓延している2021年現在、当然の配慮ですが、感染症の予防は一生涯のスキルとして、コロナ時代の極端とも思える対策を是非とも忘れないで実践を続けて下さい。
風邪になると、1週間程度のパフォーマンス低下が起こります。2019年までは、年に数回風邪症状を発生することが平均的でした。年間を通して考えると、大きな時間の損失であることが分かると思います。
感染症を防ぐには人が多い場所を避け、もし人と会った場合には、うがい、手洗い、マスク等で対策して下さい。特に、家族や同僚が風邪の際は、治まるまで可能な限り避けて下さい。慣れるまで、お互いに気まずいと思いますが、最も効果があります。もし、病気の方との接触、同じ空間を共有した場合は、顔などの皮膚に触れることを避け、うがいや手洗い等で感染を防いで下さい。
行動や習慣をマネジメントする
毎日している行動は、年間や人生全体として積算すると、非常に大きな時間となる場合があります。1日平均として一刻(≒15分、1日の約1%)を超えることを書き出して、その削減に取り組んで下さい。通学や通勤の場合は、引っ越しも含め、その削減に取り組むか、移動時間の有効利用を確立して下さい。また、毎日する必要がないことを、隔日化する、週2日にする、なども効果的です。
極端に考えると、毎日している行動は、わずか10秒でも大きな時間です。1年に換算すると3,650秒、約1時間です。大掃除のように1年に1回まとめてする方が効率が良いか、毎日コツコツとした方が効率が良いか、すべての行動を精査して改善すると、時間の余裕を得ることができると思います。
情報収取をマネジメントする
一方的に入ってくる情報は遮断することをお勧めします。具体的には、テレビを見ない、インターネットニュースのヘッドライン(Yahoo!のトップページなど)を見ない、SNSのタイムラインを読まないなどです。インターネットの活用は、欲しい情報を検索することや信頼できる人の意見の参照などをお勧めします。
書籍を読むことを日々の習慣にすることをお勧めします。その際、小説などの物語でなく、生活に役に立つような実用書などをお勧めします。週末に図書館に行くことや、最近では電子書籍も気軽に本を読むことができます。AmazonのKindle unlimited(1000円程度の月額定額サービス)などの定額サービスを利用すると、元を取ろうと多くの書籍が読めるかもしれません。
休暇をマネジメントする
2日以上の連休、特に他人(家族を含む)と一緒に過ごすことにより、生理的(食事や休息のタイミング等)また心理的(平日と違う考え方等)に悪影響を受けていることをしばしば見受けます。特に盆休みや年末年始は要注意です。休暇中でも普段と同じ時間に起床をして、1日30分だけでもメールやLINE等で仕事や研究に関する思考や作業をすることは、休み明けの業務や懸案を軽減し、疲労感を軽減します。
一人暮らしの場合は、掃除や整理整頓、買い出し等に時間を費やすこともお勧めします。ご家族がいる場合は、生活環境の向上(いわゆるDIYや日曜大工)を試行錯誤したり、前述のスポーツや図書館に行くことなど、未来に還元されるようなレクリエーションを模索するのも良いかと思います。
思考をマネジメントする
考え事や悩みは、頭の中で考えるよりも、書き出すことが効果的です。パソコンで書くことも効果的ですが、紙の方が、融通が利く場合もあります。紙の場合は、紛失しやすいので、専用のノートをお勧めします。長い時間がかかりそうな判断、試行錯誤、悩みなどが、比較的早く解決します。
これまでに培った倫理観や考え方よりも、組織の倫理観や考え方に合わせる方が、快適かつ効率の良い日々を過ごせることが多いです。参考になる資料として、「行動指針集」をご参考にされて下さい。様々な組織の倫理観や指針をまとめたものですので、全ては受け入れられなくても、一部はご自身の倫理観や考え方に合わせやすいものがあるかと思います。
人間関係をマネジメントする
人付き合いは損得勘定をするものではないかもしれませんが、明らかに悪影響を与える人間関係がある場合は、距離を置くことや関係を絶つことをお勧めします。影響の簡単な評価方法は、提供している物理量(時間、金銭など)と受けている物理量を比較することです。わずかでも、提供している物理量が受けている物理量を超える場合は、警戒をして下さい。親兄弟、恋人が該当することも少なくないです。
同居している人とは、距離を置くことや関係を絶つことは難しく、ですがこれを仕事と置き換えると分かると思いますが、かなり大きな拘束時間になっていることに気付く場合もあります。その方々と関わっている時間の削減や別のことを同時並行する(整理整頓や考え事等)などの工夫は多忙の回避に繋がります。また、人と会うための移動や時間は大きく、メールや電話、オンライミーティング等で移動や対面を回避することをお勧めします。
自尊心をマネジメントする
上記の「思考」「人間関係」のマネジメントにも近い概念ですが、自尊心もTPO(場所や相手との関係性)に合わせてマネジメントすることが可能です。その基本は、過去の自分や関係性に左右されないことが重要です。過去にどのような実績や栄光があっても、知らない人や役に立たない場所では無意味です。また、過去に虐げられた状況があっても、今の自分は強くなっていることもあると思います。
TPOが分からない場所では「不快害虫の自尊心」が便利です。家具の後ろに隠れた虫のように、そっと様子を見て、見つかった場合は益虫(役に立てる存在)であることを示す、といった具合です。無用に疎まれたり傷付けられることを防ぐことができると思います。
能力をマネジメントする
上記の「生活をマネジメント」にもあります通り、身体能力は仕事にも重要です。また、仕事に必要な数学力、国語力、社会常識などは大人になってからでも身に付けることができます。それぞれ、「算数検定」「ビジネス文章検定」「秘書検定」などで、比較的短時間で大きな解決が得られることもあります。
有名高校や難関大学の出身など十分な学力がある場合も、長年使わないことにより特定の能力が劣化していきます。身体能力を第一に、各種能力をメンテナンス・マネジメントすることをお勧めします。能力の向上として、資格学習などは趣味の範囲内に留めてほどほどにしておき(1級を目指さず3級程度にするなど)、何より業務の中で研鑽することをお勧めします。
自分の将来像とモチベーションをマネジメントする
セルフマネジメントを確立するために、モチベーションを高く保つことが有効です。そのためには、将来像を明確にすることが第一です。夢や志といった大きな目標に加えて、1年後、3年後、5年後、10年後、20年後といった、生涯を通して達成したい目標を設定しておくとモチベーション維持に繋がり、日々にすべきことも明確になります。
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