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ミオトニー症候群の人に対して健常者ができること

非ジストロフィー性ミオトニー症候群を持つ患者の人数は、はっきりしていません。欧米では、10万人に1人以下の割合と言われていますが、病気の程度によって、無自覚の人や軽度のため日常生活にほぼ支障がない人もいるようなので、なかなか数えることは難しそうです。

ただ、まわりに非ジストロフィー性ミオトニー症候群の疑いのある人がいたら気をつけて欲しいことがあります。

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この病気の特徴として、全身に筋肉がつきやすいことがあげられます。ヘラクレスのような体つきになる、という言い方をされています。鍛えていないのにムキムキな体つきを、変な目で見たり、面白おかしくイジったりしないようにしてください。

女性の中で、ヘラクレスのような筋肉を持っていて嬉しい人はごく稀だと思います。本人が一番気にしているので、追い打ちをかけないでほしいです。話したこともない同じクラスの男子生徒が修学旅行中に「あのふくらはぎ見て!ヒラメ筋がすごい!」と指を指してコソコソ話しているのが聞こえてきて最悪でした。

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寒い日や、体が疲れているとき以外にも、理由はよくわからないですが今日は足が動きづらいなぁと思うことがあります。

決して、体育の授業をさぼりたい訳ではないのですが、いま体育を普通に参加しても突き指したり転んだりしそうだなぁということが何となく分かるので、今日は見学させてくださいと先生に申し出ます。女性は「今日は生理だから体育休みます」とか言えるかもしれませんが、男性にはその理由が使えないため、先生に申し出るのに気負いしてしまう人も中には居るのではないでしょうか。

正直に理由を伝えても納得してくれる先生ばかりでは、まだない気がします。先生にもこの病気について正しく理解してもらえると、そのあと、今度は先生が生徒に対して、病気についてより正確な情報を伝えることができ、生徒はそういう人も居るんだな、そういうものなんだなと理解することができるはずです。更に、うまくいけば、病気を持つクラスメイトに対して自分は何ができるのか自主的に考えられる子が成長するかもしれません。

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他の記事にも書いたとおり、わたしは今まで散々、まわりに知られないように意識して行動していました。健常者のようにふるまいたいと思ってきました。

しかし、これからの時代は、下手に隠そうとするのではなく、まわりに理解してもらうことが大切だと思います。隠そうとしても、やはり隠せない部分はあります。いま、発達障害の定義が細分化されてグレーゾーンの人が増えています。非ジストロフィー性ミオトニー症候群の他にも、様々な個性を持った人が多く存在するので、一種の刷り込みのようですが、幼い頃から、世の中にはこんな人もいる、あんな人もいる、おかしな人ではなくて、個性の一つという意識付けが大切だと思います。

ただ単に病気を隠すことを考えていた時間、普通を追い求めていた時間を、別のことに使えたら、もっと人生が充実したんだろうなと、今更ながら思います。趣味や勉強などに気持ちを向けられたかもしれません。わたしを反面教師にして、息子にはありのままで生きていってほしいと思っています。

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数年前にTwitterで、山羊や猫や牛がびっくりして足の筋肉が強直して動かなくなり、コロンと倒れてしまう動画が注目を浴びました。この動画に対して、知識のない人が動物をバカにして笑ったり、かわいいと言ったり、私からすると的外れな悲しくなるコメントが多く書かれていました。

しかし、中には、非ジストロフィー性ミオトニー症候群という遺伝的な病気だとコメントしている人も存在しました。わたしは、もっとこの病気の認知度があがって、違和感なく受け入れられる世の中になればよいなと願っています。

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