PICTOPLASMA アートフェスティバル

4月29日〜5月３日にドイツ、ベルリンで行われたPICTOPLASMAアートフェスティバルに招待参加して来ました。
このアートフェスティバルは、アニメーション、キャラクターデザイン、プロダクト、イラストレーション、アートを中心として1999年から行われているフェスティバルです。
http://conference.pictoplasma.com/
主に展示とアニメーションの上映プログラム、作家の講演会などの内容で一週間行われます。
今回わたしは作品の展示と講演会に参加してきました。

講演会はアニメーション作家の方が多い印象でした。他にも有名アニメのキャラクターデザインの方なども。作品の紹介を主に、どのような方法で作っているか、どんなものに影響を受けているかなど、作家さんそれぞれの内容で楽しめました。
私は今回初参加で、雰囲気も分からなかったので、日本語の文章を私が読み、予め用意していた英文を通訳さんが隣で読む、という形でしたが、少しシリアスすぎた気がします（自分の作品のテーマがシリアスなので仕方がないのですが）

内容は私の作品の解説をしました。星の子ども、神様の行方、魔法少女の出てくる作品について、普段よく聞かれる質問なども踏まえて（首の傷や角など）どのような意図で作品を作っているのかの話をしました。通訳を入れて30分間のトークでした。（トーク内容についてはまたアップしようと思います）
その後質疑応答で、何問か聞いて頂きました。簡単に紹介すると、

Ｑ：色がとても綺麗ですが、どこから影響を受けていますか？
Ａ：あまり自覚した事はありませんが、幼児期に読んで貰った沢山の絵本の影響かもしれません。
Ｑ：奈良美智さんと作風が近いように思いますが、コラボレーションする予定は？
Ａ：奈良さんの方がよりイノセントな子どもを描くので、アプローチの方向が違うので、もしコラボレーションする事があれば、それは面白いものになると思います。
Ｑ：絵の子どもは成長するとどんな顔になると思いますか？
Ａ：私は絵の子どもを一人の人間ではなく私自身だと思って描いているので、私が生きていく、変化していく事で絵の子どもが成長したり変化したりするでしょう。
Q：作品に宗教的なモチーフが登場しますが、特定の信仰はありますか？
A：私は多くの日本人がそうであるように、特定の宗教を信仰していません。強いて言えば「神道」に親しんでいます。神道は全てのものに神様が宿ると考えられていますから、そういう考えからするとキリスト教などの一神教は興味深いものです。そのため、モチーフとして作品に取り入れています。

今回、出展者の作家さんと仲良くなって色々と話をさせて頂いたり、講演を聴いてくれた人などとお話をして色々と感じた事ですが、アニメーションやイラストレーション、サブカルチャーの分野において、日本の漫画やアニメというのは本当にすごく影響しているんだなという事です。アニメーションディレクターの方が妖怪に影響を受けていたり、日本のサブカルが好きで日本に来てペンネームを「shobo shobo（ショボショボ）」にしていたり、多かれ少なかれ日本のカルチャーを好きという方が本当に多かった印象です。また、私の事もネットを通じてたくさんの方が知って下さっていて、若い学生などはpixivで見たという人もいました。
私はかなり意識して絵柄をイラスト的に変化させました。自分の育って来た影響を強く反映させ、かつ海外から見たときに何をしたいのかを明確にさせたかったからですが、その結果として狙っていた以上に自分の作品が世界的に受け入れられる切っ掛けとなったと感じています。

私は今回、ほぼ唯一アート界の人間として呼ばれましたが、まだ目立った実績もない日本人である私を、他の実績のある作家と同等に扱ってくれる事、そして何より国を越えてきちんと良い作家を探し出す能力。これは素晴らしいと思います。また、これは今回に限らず思っている事ですが、海外の方は日本に比べて「型に囚われない」見方をすると感じています。アートだから、イラストだから、というのではなく、自分が好きか嫌いか、良いと思えばそれが何であれ関係ない。そういう柔軟さが日本人に無い部分では無いでしょうか（日本人はとかく型にはめたがり、ジャンルを決めたがり、評価をしたがるように感じます）自分が日本で活動する上で感じるジレンマの根っこの多くがここに起因している気がします。
サブカル大国である日本でなぜこのようにアニメーションやイラストレーションに的を絞った国際的なフェスティバルが開催されないのか？という事も考えねばならないように感じます。

今回このような機会を与えて下さったPICTOPLASMAと、日本から応援して下さった全ての方に感謝を！本当にありがとうございました。

（photo by Caro http://sweetstreetsla.com/）

続きはありませんが、この記事が良ければ応援をお願いします！サポートでも構いません、非常に励みになります。