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【ポケカデッキ構築論】 ブースターVMAXは楽しい

 スタートデッキ100が発売される少し前くらいからだから、ポケモンカードゲームを始めてまだ4ヶ月程度の初心者だが、運さえよければ勝てなくもないデッキをなんとか作ることができた。
 後攻2ターン目から理論上最大520ダメージ、炎弱点の草や鋼ポケモン相手には1040ダメージを出せる超ロマン砲、ブースターVMAXデッキである。
 同じくブースターVMAX使いであるポケモンカードの先達にいわせれば「人それぞれいろんな型があって百家争鳴」だというこのポケモンのデッキ構築を、自分なりに語ってみたい。というより、ただただブースターVMAXへの愛をぶちまけたい。

 試行錯誤の末に、私が行き着いた構築はこちら。

アルセウスVSTAR/ブースターVMAXデッキ

 ブースターVMAXのわざ「ダイバクレツ」が要求するエネルギーは「炎無無」。ダブルターボエネルギーにも対応していて比較的軽めなのは偉いが、それでも見た感じ、ミュウVMAXを頂点とするいまのポケカは、徹底したアグロ環境である。ブースターVのわざ「もえるいぶき」が優秀で、バトル場に出て2ターン目には進化してダイバクレツを打てる単体性能を持ってはいるものの、エネルギー加速手段は豊富にあったほうがいい。
 そう考えると、オーソドックスではあるものの、やはり相方にアルセウスVを持ってくることは避けられなかった。

アルセウスV/アルセウスVSTAR

 トリニティーチャージでエネ加速ができることはもちろん、アルセウスVSTARに進化すれば、トリニティノヴァで200点という打点を安定して出すことができる。ブースターVMAXだけではさすがに打点が不安定なので、安定択があるのは大きい。
 加えて現環境では水タイプのはくばバドレックスなどが多く採用されているので、場合によってはアルセウスVSTAR中心で殴りにいくことになる。たとえアルセウスVSTARが倒されたとしても取られるサイドは2枚だから傷が少ないし、相手に2-3-3や2-3-2と取らせるプランを押しつけることができる。先にトリニティノヴァで削ったところへ、ヤレユータン込み確定100点のダイバクレツを打てばいいのだ。
 また、トリニティチャージ/トリニティノヴァは基本エネルギー3枚「まで」を自由に加速できるが、実際のところ現在の上級者デッキではエネルギーの搭載枚数が比較的少なめなので、チャージをジャブジャブ連発することはなかなか難しい。その点、エネルギー過多デッキとは非常に相性がいい。ベンチにエネルギーをばら撒くだけばら撒いて、危うく生き残ったならばベンチに戻ってモミで回復という手段も取れる。
 のみならず、アルセウスVSTARの特性スターバースは、序盤の盤面展開にも大活躍してくれる。ただでさえポケモン・トレーナーズの枠を圧縮したいエネ過多デッキにおいて、スターバースの展開力、自在性は非常にありがたい。このデッキ最大の弱点は序盤の盤面展開力なので、スターバースなしでは、もはや絶対に回らないだろう。実戦においては、とにかくアルセウスVSTARに進化したそのターンに必ずスターバースを打つことを心がける。頂への雪道やガラルマタドガスの特性かがくへんかガスが弱点なので、出し惜しみせず妨害される前に打つ。
 初手アルセウススタートで、しんかのおこう、ハイパーボール、冒険家の発見、または手引きでアルセウスVSTARにアクセスできたなら、2ターン目から積極的に使っていく。
 持ってくる好きなカードの優先順位は、

 1.冒険家の発見
 2.ダブルターボエネルギー
 3.ふうせん
 4.場に必要な進化先のVポケモン

 と定めていた。
 このデッキでは、エネルギーを積めるだけ積んでトレーナーズ枠を圧縮しているため、山札にあるトレーナーズ、および特殊エネルギーの確定サーチ手段がない。そこでスターバースでしか持ってこられないカードを持ってきて、最大効率での盤面展開を目指していく。その場その場の臨機応変の判断ではなく、あらかじめビルドのプランを決めているため、私のような初心者でもプレイングミスが少なくて済むという利点もあった。
 ダブルターボと冒険家の発見を手引きできるという僥倖は滅多にないが、もし万が一、盤面展開がスムーズに行くようなら、次に目指すのはV進化ポケモンのサーチだ。ハイパーボールとしんかのおこうがそれぞれ1枚ずつと進化先のサーチ手段に乏しいので、積極的にこれを補う。
 ちなみに、アルセウスを採用しない場合の盤面展開候補として、なかまをよぶヒメンカの採用を考えないでもなかった。エネルギー加速手段にかなり不安が残るが、もし敵の展開がスローならばベンチにブースターをたくさん立てて押しきるプランだ。

考えるだけならタダというやつ。

 シンプルイズベスト、ではある。
 ただ、この構築は闘エネルギー1個で打てるサダイジャのすなたいほうデッキ向きだと思う。キバナが活きるのも、どちらかというと非Vデッキのはずだ。
 アルセウスとブースターの進化ラインは、それぞれ4枚-3枚が最も安定するように感じた。この時点でたねポケモンは8枚。基本的にはアルセウスで試合を始めたいし、次点の候補は単体エネ加速ができるブースターなので、いっそたねポケモンはこの8枚だけでもいいくらいだ。
 とはいえ、それだけではサポートポケモンの恩恵を受けることができずベンチの枠が無駄になってしまうし、最初の手札にたねポケモンが来ないマリガンのリスクを考え合わせると、最低でも10枚は欲しい。10枚あれば約75%の確率でたねポケモンを1枚以上引ける(もっとも、それでも25%はマリガンになってしまうのだが)。
 以下、各カードの採用理由を述べていこう。

ファイアローV

 インターネットにはいろんなブースターVMAXデッキの構築が掲載されているが、ファイアローVを採用した構築は、寡聞にして一度も見たことがない。ファイアローVの採用が私なりに最もこだわり、創作した部分だ。個人的にはとても気に入っている。
 多くの場合、この枠にはウルガモスVが入ってくるだろう。たしかにウルガモスは中盤には山札へのエネルギー充填役となるし、終盤にはダメ押し役となる。とても相性がよく、優秀なカードだと思う。私もデッキ構築当初はウルガモスは外せないものと考えていた。
 しかし、いざデッキを回してみると、ピン刺しであってもウルガモスVは意外に重く感じた。アルセウスとブースターという大玉をすでに2体も投入しているからかもしれない。また、最序盤に手札事故を起こすと、博士の研究2枚積みでは手札リセット手段に乏しい。その点「たねポケモンは最初の手札7枚に必ず1枚以上引けないとバトルを始められない」という特性を活かし、第3の手札リセット手段として採用した。
 先攻1ターン目から使えるファストフライトは非常に優秀だし、トリニティチャージ圏内にある3エネ(1エネトラッシュ)160点のぐれんのつばさも腐らない。アルセウスが倒されてしまったあと、ダイバクレツだけではダメージが安定しないので、非Vや炎弱点の草や鋼ポケモン相手には、むしろファイアローで殴ろうとプランを立てていた。エネルギーに困らないデッキなので、1エネトラッシュなぞ擦り傷。逃げエネ0なのも偉くて、ベンチの準備ができたならノーコストで退がれるのも有り難かった。このポケモン、もっと評価されるべき。

ワタシラガV

 ファイアローに続き、ユナイト参戦ポケモンをもう1枚。いわゆるシステムポケモンだ。
 山札からサポートをサーチするネオラントVとの択になるが、私がユナイトで愛用しているからワタシラガVを採用した……という心情的な理由からだけではない。もちろん思い入れは強いが、それ以上に、山札から無作為にバンバントラッシュするダイバクレツの特性上、意図せずトラッシュに流れてしまう貴重なサポート手段のサルベージが必要だった。基本的には最終局面のトドメで手札から出して、特性ハッピーマッチを発動してピン刺しのボスの指令を引っ張ってくる要員として温存しておくので、逆にボスの指令で呼び出されて倒される心配も少ない。
 採用理由は、それだけではない。ネオラントVで使えるサポート権は1回きりだが、もし1回サポート権を使ってトラッシュしたカードをワタシラガで回収できれば、サポート1枚でサポート権を2回行使できることになる。構築上エネルギー以外のカードをとにかく圧縮しなければならなかったので、任意のサポートを好きなタイミングで使い回せるのは、非常に大きなアドバンテージだったのだ。でなければ、ボスの指令1枚、博士の研究2枚という思いきった構築も叶わなかった。
 ちなみに、ワタシラガに確定でアクセスするには冒険家の発見かハイパーボールを使わなければならないので注意が必要だ。キャプチャーエネルギーでは即ベンチに出してしまうので、特性が発動しない。
 ワタシラガのわざ「まいあがる」もなかなかに優秀である。不運にも初手ワタシラガ単騎スタートとなってしまった場合、敗戦を覚悟するほかないかもしれないが、もし手引きで盤面のリカバリーが可能ならば、ダブルターボエネルギー1枚でまんまと山札に逃げることができるのだ。ついているすべてのカードを一緒に山札に戻せるので、ダブルターボを無駄遣いしないところも偉い。水エネを1枚余計に要求するネオラントVと比べて、取り回しの良さにおいても軍配が上がった。
 なお局面次第だが、次のターンに180点以上が飛んでこない公算が大きく、盤面展開において1ターンの猶予が欲しい場合に、バトル場のワタシラガにダブルターボを貼って立ててダメージを受けておいて、次のターンでまいあがるという手もある。さらに50ダメージ(ダブルターボなら30ダメージ)でトドメを刺す運用ができたら最高だ。先に「ハッピーマッチは1枚のサポートカードでサポート権を2回行使できる」と書いたが、もしワタシラガがまいあがって山札に戻ることが叶ったなら、なんと1枚のサポートカードで3回ぶんのサポート権を賄えるかもしれないのだ。トレーナーズ枠を圧縮するにあたって、このバリューはとんでもなく大きい。

ヤレユータン

 常時ベンチ枠に居座る唯一のシステムポケモンは、ヤレユータンを採用した。
 チラチーノやビーダルでは進化が必要だが、ヤレユータンなら採用枠は1枚で済む。山札から新たに掘れるカードはわずか1枚きりだが、ないよりは断然マシというものだ。
 また、エネルギー過多デッキにおいて永遠の課題なのは、博士の研究という劇薬サポートの存在である。ダイバクレツの火力として山札にはなるべくエネルギーを残しておきたいので、これを博士の研究で不用意に引いてしまうのは、逆効果になってしまいかねない。下手すると手札をすべてトラッシュして7枚ドローしたところで、7枚がすべてエネルギーとかいう悲劇が起こらないとも限らないのだ。そこでヤレユータンがあれば「あとで必要になってくるけれども今は必要ではない、博士の研究でトラッシュしてしまうには惜しいカード」をデッキトップに1枚避難させたうえで、博士の研究を打つことができる。こうすれば、デッキトップに預けたカードは無事に手札に戻ってくる。
 そしてヤレユータン最大の利点は、勘のいい方なら当然お気づきのことと思うが、ダイバクレツを打つ直前にエネルギーカードを1枚デッキトップに置いて、100ダメージを確定させてしまうというクソ害悪ムーブができてしまうところだ。
 このほど新弾で出たかがやくルチャブルの特性が「VMAXへのダメージが+30される」なのだとか。
 たったの30ダメージ?
 甘い甘い!
 ヤレユータンならば、相手がVポケモンだろうが非Vだろうが、100ダメージを上乗せ、または確約してくれるのだ。いかに強力かがお判りいただけるだろう。
 かようにシステム枠のファイアローとワタシラガ、ヤレユータンは、1枚でどれだけマルチな機能を発揮できるかを重視して採用した。
 日本古来のカードゲーム、花札の「こいこい」を思い出してほしい。五光札は確かに最強だが、相手も最優先で狙ってくるために、役が成立する確率はだいぶ低い。一方で、タネ札のなかでも猪や鹿や蝶は、タネの役にも猪鹿蝶にも派生するマルチファンクションカードなので、バリューが大きい。同様に、菊に盃も最優先で集めるべき札だろう。これを放置すると、相手にはタネの役に加えて花見で一杯、月見で一杯という強い役を明け渡してしまうおそれがある。短冊札においても、ただのタンよりも文字の書いてある赤タン、青タン札が優先されることは論をまたない。最強格である五光札にも序列があって、柳に雨は三光を形成できないぶん優先度が低く、逆に花見・月見を狙える桜とススキは真っ先に争奪戦となる。
 どうしても確率に左右される部分のあるカードゲームにおいて、限られた60枚という枠をフル活用するために、いかに1枚でも多く、マルチファンクションカードを見出すことができるか。それが、私のデッキ構築のコンセプトとなっている。これはブースターVMAXに限らず、あらゆるデッキを構築するにあたって、つねに意識していることだ。

ふうせん

 経験上、ふうせんは2枚入れるのが最もバランスが良いと感じている。叶うなら「ふうせん2・ポケモンいれかえ1・あなぬけのヒモ1」の合計4枚を入れ替え札の基本セットとして入れたいところだ。ただ今回はエネ過多デッキなので、最低限のふうせんのみとした。採用理由は明白で、ポケモンにつければ、2回目3回目の活用ができるから。ポケモン入れ替えやあなぬけのヒモ、とりつかいなどは1回きりの効果だが、ふうせんであれば使い回しがきく。デッキ幅が節約できるのである。
 プレイングの方針としては、基本的にアルセウスVSTARにふうせんを貼って使うことになる。後続のブースターかアルセウスに3エネチャージして、次の番まで生き残ったらふうせんの効果でベンチに退がり、アタッカーに勝負を託す。アタッカーが落とされてしまったらもう一度場に出てエネ加速をして、もし次の番まで生き残ったら再びベンチに逃げ……という単純明快なシステムだ。
 ダメージを受けたら退避して、モミで回復する選択肢を残しておく。回復手段はチェレンの気くばりとの択になるが、モミならば「すべての進化ポケモン」が対象なので、ブースターVMAXも同時に回復することができる。エネルギーをすべてトラッシュしてしまうのが痛いものの、ベンチで無傷のアルセウスかブースターを育ててあれば、スムーズに仕切り直しが可能だ。

しんかのおこう

 このデッキで最も悩み、最も苦渋の決断をした枠かもしれない。ノーコストで強力な進化先を持ってくることができるので、本来であれば2枚、3枚と投入したい優秀なカードではあるが、勇気を持って1枚に絞った。理由は、このデッキにはグッズの確定サーチ手段が特性のスターバースしかなく、そのスターバースも、おこうを持ってくるくらいなら進化先のポケモンをそのまま持ってくれば済む話となるからだ。手引きまたはヤレユータンのさるぢえに頼らなければならないグッズに、2枚も3枚も貴重な枠を割くわけにはいかなかった。
 このデッキの基本コンセプトは、エネルギー過多/ポケモン・トレーナーズ枠圧縮、そして「最大効率の確定サーチ」である。スターバースはいわずもがな、冒険家の発見はVポケモン3枚という破格の確定サーチ能力を有しているし、選ぶカードはたねと進化ポケモンとを問わない。サポート権を気にせずに打ちやすいのはグッズの利点だが、進化先を1枚しか持ってこられないしんかのおこうは、相対的に下位互換でしかないのだ。手引きできたら盤面展開の補助になってラッキー、といった意識で搭載している。
 ちなみに、エネ加速手段においても「最大効率の確定サーチ」を意識している。ブースターのもえるいぶきは自身に加速したうえで次のターンで大技を打てるラインが見えるし、アルセウスに至っては基本エネルギー3枚に確定でリーチできる。これは強すぎる。炎デッキならば当然「マグマの滝壺」が視野に入ってくるが、ポケモンに乗せる20ダメージが地味に重く感じた。運に頼る部分のあるデッキなので、ほんの少しでも長く延命を図るために、負うダメージはなるべく少なくしたいところだ。

ハイパーボール

 このデッキ構築において最後に加えた1枚となった。
 手札を2枚トラッシュするのは痛いが、エネルギーに困らないデッキではあるので、基本炎エネルギーをトラッシュすればそれで済む。トラッシュしたエネルギーは、のちのちエネルギーリサイクルで山札に再充填することができれば、ブースターのための実弾となるだろう。たねも進化先も持ってこられる万能な確定サーチで、盤面展開の補助としたい。

エネルギーリサイクル

 ドローか特性さるぢえの引き運に頼らざるをえないグッズにおいて、それでも複数枚投入して、ほんの少しでもいいから遭遇率を高めたいのがエネルギーリサイクルである。同じく2枚投入のふうせんはスターバースで持ってくる候補に入るが、エネルギーリサイクルは基本的に手引きに頼りたいところ。試合の鍵を握るといっても過言ではない重要なカードなので、トラッシュに5枚以上の基本炎エネルギーがあるときにしか、原則として使いたくはない。もし手札にエネルギーリサイクルを持った状態で博士の研究を打ちたいならば、ヤレユータンのさるぢえを使って真っ先にデッキトップに避難させたい1枚だ。
 これ1枚で500ダメージ分の実弾がデッキに装填されることになる。とんでもないバリューだ。試合が進めば進むほど、冒険家の発見やキャプチャーエネルギー、しんかのおこう、ハイパーボールといったサーチカードを起点としてデッキからエネルギー以外のカードを抜いていくので、そこにエネルギーだけを戻せば、相対的にダイバクレツの期待値が大きく上がる。
 なお、このカードがダイバクレツのトラッシュで流れてしまったらサルベージする手段がないので、もう諦めるしかない。

ボスの指令

 1枚しか入っていないのは心許なく感じられるかもしれない。しかし、そもそもダイバクレツは500点、520点の可能性を秘めたロマン砲だ。相手がHP310以上の堅牢なVMAXポケモンだからといって、後ろに控えた小物をちまちま呼び出して倒しているようでは、ブースターの名が廃る。サイドの枚数が多いうちには正々堂々、面前で殴ればいいのだ。そしてここぞの場面、最後の最後の一押しとして、確実に倒せるポケモンを呼び出して、確実に倒せるわざで試合を決める。
 前述したようにワタシラガVの特性ハッピーマッチを使えれば、1枚で2回以上の効果を得られるかもしれないので、ここは1枚の採用とした。

冒険家の発見

 3枚という採用枚数の多さから、このデッキのキーカードのひとつであることが察せられるだろう。とにかく序盤で引く。スターバースで持ってくる。そして一気に盤面を整える。エネ過多デッキにおいて最大効率で最大限の盤面展開を叶えるには、このカードが欠かせなかった。
 持ってくるカードは、たねと進化を1:2または2:1の割合で選ぶようにしている。理由は、進化先のサーチ手段が乏しいから。多くの場合は1:2の組み合わせとなろう。
 なお、直後の相手の番でマリィやジャッジマンを出されるのが非常にきついので、3枚積みにしたという経緯もある。
 さらに、序盤のビルドだけかと思いきや、このカードは中終盤、たねポケモンのVがある程度ダメージを喰らってしまった場合に、進化先のポケモンを持ってきて進化させて、HPを底上げする防御手段としても機能する。まさにマルチファンクションカードだ。

モミ

 おおきなおまもりやこだわりベルトを採用しなかった代わりに、このデッキはできるだけ耐久・経戦能力に振りたかったので、モミは2枚採用した。基本的に攻撃するにあたってポケモンに貼ったエネルギーのトラッシュを要求されず、エネルギーはつけたらつけっぱなし、剥がしてもまたアルセウスでつけ直せばいいだけだ。幸い、山札には腐るほどエネルギーが積まれている。
 ただし、この枚数配分はボスの指令と天秤にかけて、入れ替えてもいいかもしれない。運に頼らずに確実に中終盤を戦いたいならボスの指令を2枚にしてもいいし、ロマン砲をぶん回して届かなかったときの保険としてモミを2枚のままにしてもいい。

博士の研究

 もともとは3枚採用するつもりで検討してきたが、デッキ構築の最後の最後、本当に土壇場で2枚に減らし、代わりにハイパーボールを入れた。
 理由は前述したとおりで、せっかくのエネルギーを山札から不用意に引いてしまうのがディスアドバンテージになりうるから。
 とはいえ、山札の上からランダムなカードを縦引きするドローソースが、博士の研究の他にはヤレユータンのさるぢえくらいで非常に乏しく、デッキが回らなくなると一瞬で詰みかねないので、リスクを承知で潤滑油として2枚は入れておくことにした。

ダブルターボエネルギー

 グッズと同様にサーチ手段に乏しく、特性スターバースで真っ先に持ってきたいカードである。もしスターバース以前にアルセウスに手貼りできれば相当なアドバンテージを得られるので、4枚採用は揺るぎない。ブースターVMAXのダイバクレツにも対応しているのが偉いが、基本的にはアルセウスにつけて、エネ加速のための動力源と考えている。

キャプチャーエネルギー

 以下、いちげきエネルギー、ヒート炎エネルギーといった特殊エネルギーは、多くのレシピで4枚採用されているのを見かける。とにかくエネルギーに枠を割くデッキなので、4枚積んでもぜんぜん重くないのだ。
 ただし、それを逆手に取って特殊エネルギーメタのカードを高頻度で見かけるように思う。ジュラルドンVMAXはいわずもがな、うねりの扇、ルカリオV、ガラルサンダーV、いってんばりスピアー、べっとりねんえきタルップルなどなど。特殊エネルギーはある意味リスクと隣り合わせでもあるのだ。
 もえるいぶきやトリニティチャージ/ノヴァ、そしてエネルギーリサイクルが基本エネルギーにしか対応していないこともあり、特殊エネルギーの枚数は何度もひとり回しをしながらバランスを取っていった。
 そのなかでもキャプチャーエネルギーは最も多い3枚とした。サーチ手段、ドロー手段に乏しいエネ過多デッキにおいて、エネルギーの枠でサーチを補えるのは非常に優秀だからだ。このデッキ最大の弱点である序盤の盤面展開力をこれで底上げできる。

いちげきエネルギー

 前述したような理由から、4枚ではなく2枚だけ採用とした。アルセウスに対応していないのも残念なポイント。
 ダイバクレツの惜しいところは100点刻みな点で、あと10点、あと20点足りないという惜しい局面にどうしても出会ってしまう。そういうとき、いちげきエネルギーがあれば心強い。ダイバクレツでエネを最低2枚引ければ、220ダメージでアルセウスVを1発で落としきれる圏内となる。

ヒート炎エネルギー

 ブースターVのHPは210。ダブルターボ+ベルトのトリニティノヴァでぴったり倒されてしまう値で、これを20底上げして耐えられるならバリューが大きいが、もしダブルターボがなかったらあっさり倒されてしまうわけで、ちょっと物足りない。
 VMAXの320→340はずいぶん堅そうに感じるものの、結局はアルセウスに2回殴られて倒されてしまう圏内なので、基本的にはアタッカーは片道切符の行って来いとなってもいいと考えている。もし相手の展開がスローだったときにベンチに戻ってきてモミで回復したほうが、はるかに相手のダメージ計算を狂わせることができる。
 アルセウスに非対応なのもツラいところで、2枚採用とした。

基本炎エネルギー

 本当は20枚入れたい。25枚入れたい。30枚入れたい。
 その欲望を抑えつつ、頑張って頑張って枠を捻出した結果、18枚となった。
 これでダイバクレツの火力となるエネルギーの総数は29枚。本当はデッキの半数、30枚以上は入れたかった。いまだに、もう1枚でもいいから増やすことができないか、折に触れて考えてしまう。
 とはいえ、これが現時点での最適バランスだと私は信じている。


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