トレリ優勝クララ型ルギアVSTARの備忘録
12月25日(日)に行なわれたトレーナーズリーグ(9人規模)にて、まさかまさかの初挑戦初優勝をしてしまいました。シティの練習を兼ねて、ちょっと極端なルギアの構築を試してみたくて出ただけなので、これぞビギナーズラック、無欲の勝利です。
とはいえルギアデッキで挑んだ対外試合は、11月の自主大会(24人規模)に続いて二連覇。ルギアというデッキがやたらと自分のプレイングと相性がいいのかなんなのか、明確な実感はいまだに湧きませんが、これはもうフロックと呼ばなくてもいいんじゃないかと、少しの自信にはつながりました。
シティ出場前ではあるものの、リスト自体は大会主催店舗のTwitterアカウントで公開済みですし、手の内をバラして損するようなプレイヤーでもないので、今回もデッキ構築の思考の過程を備忘録として記しておきたいと思います。
当日のマッチアップ
12月25日(日)@ホビーステーション溝口店
トレーナーズリーグ(マスター)
スタンダードレギュレーション
使用:クララ型ルギアVSTAR改
1.ギラティナVSTAR 先6-0勝
2.ARCジュラルドンVMAX 先6-0勝
3.ギラティナVSTAR 先6-5勝ち
初挑戦初優勝🏆
デッキレシピ
今回使用したレシピはこちら。
前回のnoteで解説したものから3枚だけ入れ替えたのが、今回のデッキです。
前回のデッキから入れ替えたのは、自分でもずいぶん大胆で馬鹿なことをしたなあという自覚がありますが、こだわりベルト3枚。このデッキには、ポケモンを持ってくるためのクイックボール、ハイパーボール、しんかのおこう以外のグッズが一切入っていません。サポート権を使わずに行使できるグッズのバリューを端から放棄しているわけです。潔いといえば聞こえがいいですが、狂気の沙汰です。よい子はマネしちゃダメだぞ。
今回新たに加わったのは、文字通りこだわって強気の3枚採用としたベルトをすべて抜いてでも入れたかったカードということになります。
採用理由
アメイジングイベルタル 2枚目
前回大会のnoteで書いた「叶うなら2枚目を入れたい」を叶えた形です。ルギア発売当初からイベルタルを使ってきて、ずっと「イベルタルの2枚目が欲しい」と言い続けてきました。世間一般のテンプレでは1枚採用が大半ですが、逆になぜ2枚目を入れないのか不思議でならない。
強制気絶ワザを持つイベルタルは唯一無二の最強アタッカーであるはずですが、ヘビーボールも入れずに10%のサイド落ちケアを行なわず、サイドに落ちたら落ちたで割り切って現有戦力で戦っていくというキメラ化したルギアの一方通行感が、どうしても自分の思想には合いませんでした。運悪くイベルタルでスタートして、後1おとぼけスピットなどで倒されてしまった場合のリカバリー手段すらない。替えが利かない存在なのに、ずいぶん扱いが雑では? と思わずにはいられません。
序盤にワザを撃てず失ったイベルタルの復活を担うのがクララだったわけですが、今回、それに加えてサイド落ちの確率を大きく下げるために2枚目の採用に至りました。イベルタル2枚が2枚ともサイド落ちする確率は0.85%。運悪く2枚ともサイド落ちしてしまった日には、もう「今日は自分の日ではないな」と諦めるまでです。
一般的なルギアのサブアタッカーは、ネオラントを除くとイベルタル1、かがやくリザードン1、ムーランドV1枚の計3枚が主流のようですから、ムーランドVをイベルタル2枚目に替えたと思えば、とくに運用上の違いはありません。
ムーランドVやノコッチを非採用としていることからわかるように、このデッキは非Vデッキ対面をほとんど割り切って組んであります。トレーナーズリーグ本番ではたまたま非Vデッキに当たらなかっただけで、もとより全方面を対策して優勝を狙うようなデッキではありません。その点はあらかじめご了承ください。ポケカはあくまで楽しみのために遊んでいるので、徹頭徹尾、自分がやりたいように、誰よりも自分の手に合うように組んでいます。
ルギアの強みとは、やはり2手目ストームダイブ280ダメージoverのスピードと大火力の押しつけにあります。バトル場のアルセウスやら、ベンチに準備中のギラティナやらジュラルドンVやらを一発で持っていってテンポを取れる。さらにルギアが場から消えたあとはサブアタッカーがデカブツを気絶させつつ、自分はサイド1枚のポケモンを前に出して押しつけていくことができる。
中途半端に非V対面やらミラーやらの対策をするよりは、このルギアの長所を活かし、ルギア以外のVデッキに対して勝率を高めたいと考えました。
環境的にも、VMAXを2体押しつけてくるデッキや、ヒスイヌメルゴンVSTARのような高耐久のデッキが増えてくるだろうという読みがありました。ルギア自身がVMAXを倒すにはパワフル無色エネ4枚+こだわりベルトの330ダメージが理論上の最大で、これには「パワフル無色4枚がサイド落ちせず手札にも詰まらずに、綺麗にルギアにつけられること」+「デッキに2〜3枚採用されているこだわりベルトを縦引きできていること」という高い要求があります。再現性の点で問題があるわけです。
だからこそイベルタル(アメイジングデス)やレジギガス(ギガントブレイク)といったサブアタッカーが採用されるわけですが、世のテンプレルギアでは、これらのカードはだいたい1枚。VMAX1体の突破は容易でも、2体目の突破に苦労するような印象がありました。
このルギアの終盤の火力不足を意識してか、最近はかがやくムゲンダイナを使ったデッキや、カプ・コケコVMAXの台頭も脅威となっていました。青天井のキュレムVMAXなども依然として脅威です。
そしてなんといっても、特殊エネメタとして優秀すぎるジュラルドンVMAX。私のデッキにおけるイベルタル2枚目は、ジュラルドンVMAXの2体目を倒すために入っているといっても過言ではありません。苦手な非V対面を割り切ってでもジュラルドンVMAXを強く意識しているのは、特性「まてんろう」による明白な詰み筋が存在しているから。非V対面は気合いで神様にお祈りしながらなんとかするとしても、ジュラルドン相手に詰んでしまったら、お祈りの通じようもありません。じつはデッキの性質上、運悪くビッグパラソルを引かれてしまったら終わりなのですが、100%負けの詰み筋は少しでも消しておきたいと考えたのです。
VMAXを使っている相手視点、こちらのベンチにアメイジングのイベルタルが2体並んでいたら、さぞや脅威だろうと思います。2体を同時に倒すのはなかなか難しく、どちらかをボスで呼んで倒したところで、生き残ったほうが強制気絶のワザを使ってくることが確定してしまう。この圧力は、イベルタル1枚採用では出せないものでした。さらにこのデッキではクララを採用しているので、仮にイベルタルを1体倒されてもなお、アメイジングデスを2回宣言できる可能性を残します。凶悪!
ジュラルドンVMAX対面では、トリニティノヴァ/チャージを2回宣言されると後続2体が育ってしまいかなり苦しくなるので、とにかく相手アルセウスのワザ宣言を1回に留めるべく、なんとしてでも2手目アッセンブルスターからの220 or 280ダメージを目指します。そのために第一に考えたいのは、バーネット博士による確実なアーケオストラッシュ。最初の手札と山札確認のタイミングでバーネット博士が使えるかどうか吟味して、道筋をつけておきたいところです。
仮に相手アルセウスのワザ宣言を1回に留め置くことができたとしても、アルセウスを倒した次のターンに相手がキバナなどを用いて2体目のジュラルドンVMAXにエネ加速を行なうと、手貼り込みでエネルギーが間に合ってしまいます。そうなるとイベルタル1枚では物理的に足りない。このクララ型ルギアであれば、相手サイド残り2枚から基本炎エネルギー手貼りしてリザードンのかえんばく→リザードン倒される→クララで回収、もう一度手貼りかえんばくという勝ち筋がいちおう残されてはいるものの、それは再現性に乏しい本当に最後の最後の窮余の策。原則としてはアメイジングデスの連打を目指します。
ハイド悪エネルギー 1枚
アメイジングデスを2回宣言するためには、色つきのエネルギーが最低6枚は必要となってきます。そのため、かつてこだわりベルトだった2枠に色つきの特殊エネルギーが入ることになりました。
このデッキにおける色つきエネルギーはギリギリの7枚。そのうち基本炎エネルギーのみ、手貼り+クララからの手貼りで使えるので、上手くすれば実質合計8枚を使うことができます。最近は見る機会が減ってきましたが、トレーニングコートに相乗りできるのも地味に嬉しい。
とくにアルジュラ対面、色つきエネルギーはかなり貴重な存在として扱わなければなりません。コストとしてトラッシュしていい色つきの特殊エネルギーは、本当にギリギリ1枚まで。基本炎エネルギーが手札にあるならばそちらを優先してトラッシュしつつも、手貼りできる場面ならば特殊エネよりも優先して基本炎エネを手貼りします(特殊エネはマリィで山に戻せるため)。そういった事情もあり、アルジュラ対面では博士の研究で走るよりも、バーネット博士を使ってエネルギートラッシュなしでアッセンブルスター宣言を目指すことになります。バーネットなしには、このデッキは成り立っていません。
ルギアデッキにおけるこだわりベルトは、多岐にわたる用途を持っています。単純にルギアの打点を上げ、パワフル無色エネルギーを節約したり、フルパワーでVMAXまで一撃で倒すために使われたり。かがやくリザードンにつけて、VSTARポケモンの基準ラインである280ダメージを出したり。これらのバリューを捨ててでも他のカードに入れ替えるなら、それ相応のバリューがなければなりません。その点、アメイジングイベルタル2枚目のバリューは明白です。こだわりベルトの30ダメージupと比べて、イベルタルならばキュレムの330だろうがムゲンダイナの340だろうが一撃で倒すことができます。問答無用の価値がある。
ハイド悪エネルギーは、基本的にはイベルタルにつけて逃げエネとして機能させます。イベルタルが逃げる局面は体感あまり多くありませんが、HP120以下の非VポケモンをネオラントVのアクアリターンで取りたいときなどに重宝します。エネ18枚投入なので逃げエネには多少の余裕があるものの、節約できるに越したことはありません。エネルギーでありながら、かつルギアデッキには滅多に入らない入れ替えグッズとしても機能するのは優秀です。
ヒート炎エネルギー 1枚
アメイジングデスを2回宣言するためのエネルギーその2。基本的にはかがやくリザードンに優先してつけることになります。
よくある小技として、不運にもかがやくリザードンでスタートしてしまったときなど、リザードンにヒート炎エネルギーをつけておくと、アルセウスVSTARのダブルターボつきトリニティノヴァを1発耐えます。イベルタルとも共有できることから、とても便利な1枚です。
追記:ジムバトル戦績
12.28 竜星の嵐新宿店ジムバトル
使用:クララ型ルギアVSTAR
1.ロストライコウザマゼンタ 先6-3勝ち
2.アルセウスカプ・コケコ 先6-2勝ち
3.アルセウスジュラルドン 後2-6負け
4.ルギア 先6-2勝ち
優勝された方に負けて3位の方には直接対決で勝っているので、おそらく4位くらいだろうと思われます。
唯一の負けはジュラルドンVMAXにビッグパラソルを張られてしまった試合。デッキ枠の都合上、端から捨てている盤面なので致し方ありません。全方位の対策なんてどだい無理な話なので、そこは割り切って考えています。
いずれ割り切れないと考えるときが来たならロストスイーパーなりツールスクラッパーなりツールジャマーなりを入れますが、確定サーチ手段がなく縦引きに頼らざるを得ない以上、現状あまり乗り気にはなれません。入れるとしたらテンプレはロストスイーパーですが、個人的には、スタジアム破壊はできない代わりにパラソル2枚を同時に剥がせる可能性があるツールスクラッパーも高評価ではあります。ミュウVMAX対面で封印石+ベルトを同時に飛ばすなど、意外と評価の高い1枚です。
もし仮にキバナが入るなら、基本炎エネをトラッシュからイベルタルに加速してロストスイーパーorツールスクラッパーを持ってきて……という動きができなくもないのですが、クララと共存しそうにない枠であり、かつ基本炎をトラッシュに送る行程が必要なので、現実的とはいえません。
もともとパワフルなわりに小器用なことができないデッキです。クイック4、ハイパー4、しんかのおこう4、進化元のいないアーケオス4を積んでいる時点であまりにも歪な構築で、テクニカルな動きは放棄しているようなもの。であれば自分のしたい強い動きを最大限に通せるようにしつつ、細部の局面には目を瞑ったほうが、結果的には一喜一憂して楽しく遊べるんじゃないかと、自分のなかでは納得しています。
とかくルギアは難しい。
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