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言葉にならないもので全身が満ちる

ジャケ買いや帯買いを
したことがありますか?

事前情報中身うんぬんではなく
パッと見で決める

ジャケットの写真や
表紙や帯に書いてある言葉で決める、というもの

私は時々本でそれをやるのだけど
先日も本屋さんで
パッと目に飛び込んできて
やけに胸に迫ってくる言葉があった

それが帯に書かれていた
この言葉

「誰かを愛しむことは、
 いつも悲しみを育てることになる。」


あぁ、そうだ
真理だって思った

悲しみを見つめるのは
とっても苦しくて難しくて
愛おしさばかりに目がいくけれど
愛おしさと悲しさは
とっても近しい

「誰かを愛しむことは、
 いつも悲しみを育てることになる。」

あぁ、なんて的確で美しく
真理をあらわしているんだろう

若松英輔さんの
『悲しみの秘義』という本だった

まだ本編は読んでいない
だけど、この帯の言葉と
「はじめに」に並ぶ言葉だけで
買って良かったと思った

詩的で哲学的で
一度読むくらいじゃ分からなくて
何度か触れるうちに深まる類の本のような気がしている

なんかさぁ
なんかさぁ
嬉しいんだよね!!

直感的に惹かれるものを選べること
それを買えること

そして、それが
ドンピシャだったことが!
こんな本に出会えたことが!!

私にとって
大切な一冊になると確信している

私の中には
「間違いたくない」
「失敗したくない」が根強くあって

本を買う時にも
それが発動して
慎重にもなるんだけど
(あ、「損したくない」もあるね)

直感的に選ぶものへの
確信度が増している気がする

そして、
それが「なんか違う」だったとしても
「まぁ、いいか」と思える範囲が
広がっているような気がする

それは、嬉しいことだ
すごく嬉しいことだ

あなたにこの本を
読んで欲しいわけではないんだ

あなたの魂が呼んでいるものを
手にして欲しいんだ

食べ物でもいい
本でもいい
漫画でもいい
人でもいい
場所でもいい

魂がよろこぶことを
選んで欲しいんだ

とにかく私は今
とても高ぶる気持ちがあって
何とも言えないような
感動や感激を感じている

上記の本の「はじめに」に
書かれていたこの文章を最後に記します

人が語ろうとするのは、
伝えたい何かがあるからであるよりも、
言葉では伝えきれないことが、
胸にあるのを感じているからだろう。

言葉にならないことで
全身が満たされたとき人は、
言葉との関係をもっとも
深めるのではないだろうか。

若松英輔『悲しみの秘義』

今、私はまさにその状態なのだと思う
この状態はよろこび、だ

言葉にならないもので
全身が満たされる体験を
一生していたい   

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