C97に初めてサークル参加してきました。女子高校生と男子高校生も一緒です。(2)

 彼は真夜中に目覚めた。ふと見ると、母と妹はすでに睡眠中であった。そうだ、俺は母と妹が交互に風呂に入っている間に爆睡し、風呂や着替えはおろか夕食も取らずに今、目覚めたのだ。5時起きの上、初めての東京、初めての冬コミは俺に異常な疲れを与えたのか。それとも連日のPS4のやり過ぎか。彼は母がそんな事を思っているとは思わず、夕食代わりに買った駅弁を取り出した。あんまり旨くない。それは鶏めしであった。博多で買うかしわ飯はおいしいのに、と思いながら彼は再び眠りについた。もはや九州醤油の甘い味に慣れてしまっているのだ、という事に彼が気づくのは後年の事であった(現時点ではそうなるか不明)。

 前日同様5時に起床した我々はまだ暗い中、6時にホテルを出立した。風呂に入らなかった息子は朝シャワーしてます念のため。コンビニで朝食と昼食を調達した後、息子が驚くべき発言を行った。なんとnimocaがないという。慌ててホテルへ戻り、探してみたがやはりない。きっとどこかから出てくるかもしれない、そう信じて我々は神田を後にした。ちなみに1月11日現在、やはり出てきていない。

 6時半にホテルを出発し、ついた東京駅は7時であった。バス乗り場はやはり行列が出来ているのだろう。ほら、あそこに回送バスが並んでいる。そう考えていたのだが、着いてみれば10名程しかバス停にはおらず、バスに乗り、席が埋まり、座れない客がちらほらいる状態でバスは出発した。意外と少ないな、と思った。ちなみに後日カタログ内のまんがレポートを読んだ所、似たような事を描いたレポートが散見された。前回同様今回も企業ブースが離れているため、人数がバラけたのではなかったのだろうか。初心者には幸運であったのかもしれない。

 この時点で結局サークル入場口は確認出来ていない。しかし心配する必要はなかった。大勢の人数が列を作り、案内スタッフの方が「一般の方はこちら」「サークルの方はこちら」と言われている。が、「俺たちどっち」と息子がつぶやいたので、こちらは心配になった。

 更に前日は使えなかったエスカレーターに乗り、楽に西4ホールに行く事が出来た。なんの為に確認の為にあの長い坂を登ったのであろうか。私は疑問に思いつつ「楽だからいいや」という結論に至った。

 前日に確認していた為、サークル設置位置へは難なくたどり着いた。設営はいつも通りなので慣れている。と、思ったが通常一人分の荷物が三人分あるとものすごく邪魔であり、なかなかいつものペースで進まない。せめて息子に己の荷物を持っていけと思ったが、彼はお目当てサークルの位置を確認しにいったまま帰ってこなかった。

 サークル受付も終わり、一般入場開始時間までにはまだ幾分ある。ちと早かったかなと考えていると、「20年ぶりです」と突然声がかかった。なんとはるか昔まだ独身時代、遠征に行っていた頃の知り合いが目の前にいるではないか。「カタログを見ていたら懐かしい画がありまして」と彼は語った。企業ブースの札を下げておられたので、私も尋ねることを伝え、その後行ったのだが結局人が多く再び会う事はなかった。しかしこれだからコミケはすごい。長く描いているとこんな事もあるのだなあ。良かったなあ。

 私も一応お目当ての作家さんがあり、ついに対面し買うことが出来た。滝季山影一先生の「ニャンコクミン」である。いや、通販で買えることは知っていたのだが通販は苦手で…スミマセン。二冊買ったはいいが、よく読むとまだまだ買い損ねているらしいことが判明。また行かねばならんか。

 「にしいちすごい」子どもたち口々にそう言った。西1ホールは男性向け、息子も、うっかり入り込んだ娘も人に押され、ただ流れにそって動くことしか出来なかったそうである。だが息子は「もう大丈夫かな」と昼を過ぎた時、果敢に向かっていった。ちゃんと買えたかな息子。

 コミケだから、といってもやはり売れるのは難しい。のんびりしているとメロンブックスの方が来られた。実は以前にもTwitterでDMを戴いており、喜んだ私は早速パソコンに向かったのだがなんだか読者登録が出来たらしい程度で終わった。その旨をお伝えしたのだが、メロンブックス様の営業力は高く「こちらでやっておきます」という頼もしいお言葉につい心引かれ、ついお願いする事になった。ただ帰りに本を預ける時、あまりの行列に「うちのこ大丈夫かな」と少し後悔した。

そんなわけでこちらです。

炎帝
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=614040

 おまかせは楽だったが、友人たちに「見本とかあった方がいいよねー」と言われた。やはりHPを作らねばならんか…。

 さみしい売上の中、子どもたちが「やっぱり企業ブースに行きたい」と言い出した。そうだよね、せっかくここまで来たんだもんねぇ。我々は2時半に片付け、青梅とやらに向かう事にした。ほんとはもう少しねばりたかったな…。

 展示場はビッグサイトから歩いて15分の所にある。当然御同類がおられ、迷うことはなかった。が、何分大荷物、しかも橋を二つ越えるという事は上り坂を二つ越えるという事である。すでに会場を歩き回った足は痛く、荷物は重く、未知の道は遠い。とても15分で行けたとは思えない。

 展示場はすでに終了時刻も近く、ゆっくり見回ることが出来た。子どもたちと時間を約束して別れ、私も友人が欲しがっていたものを買うことが出来た。子どもたちは「みんな持ってるような紙バックが欲しい」らしかったのだが、見つけることは出来なかった。何か買ったついでに手に入るものかもしれないね。

 混雑で二本電車を見送り、りんかい線で大崎まで。そこから山手線で東京まで…と思ったが、品川の方が近いではないか。新幹線は品川からでも乗れる。我々は品川で降り、おにぎり等の夕食を買って、新幹線に乗り込んだのであった。ちなみに17時30分に到着し、新幹線の時間は18時50発。大分待ったが、スケジュールには余裕があった方が良かろう。

博多からは当然タクシーで家へ。そんなわけで初めてのコミケサークル参加は無事終了したのであった。


いや無事ではない。

さらば私のnimoca。二千円は入っていたはずだった…。

上海リーズ(twitter@syanhaiR)



 

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