見出し画像

名残惜しそうな指先と置いてきぼりの私の心「齊藤京子卒業コンサート」京子卒業おめでとう

齊藤京子の卒業を知った瞬間、私はオフィスで「嘘だ!」と叫んでいた。同僚が「ちょ、うるさい」と注意してきたが、私にとってそんなのどうでもよかった。日向坂46の中でもセンターをしたことのあるメンバーの卒業。いや、それだけではなくて、あの低くて響く、魅力的な歌声が日向坂の楽曲で聞けなくなることが、寂しくて仕方がなかった。

卒業コンサートのチケットファンクラブ先行が始まったとき、私は申込みをしなかった。というのも、私の1番の推しは京子ではなかったからだ。
自分が申し込んで、当たってしまって、京子推しの人が一人でも行けなかったら、と思うと罪悪感でいっぱいになる。これは渡邉美穂の卒業セレモニーでも同じことを思ったのだ。私が当たってしまった、他の美穂推しを押しのけて、と(ただ誤解なきよう伝えておくと、美穂は2番目の推しだった)。

ただ、最後の最後、もう京子推しは当たったか……?というタイミングでチケットを申し込んだ。当たった。コンサートの1ヶ月前の話だ。

結論から言おう。多分行かなかったらしぬほど後悔していた。そのぐらい行ってよかった、いや行かなくてはいけないコンサートだった。正直伝説まみれだった。

「居心地悪く、大人になった」のアカペラから始まったコンサート。京子の歌唱力の高さを全身で浴びる。じんと体が痺れる感覚がする。呼吸を忘れてしまう。

「HEY!OHISAMA!」で一気に盛り上がる会場。そして、各期ごとのコラボ。2期生曲の「恋した魚は空を飛ぶ」のコラボでまず号泣する私(美穂…)。「それでも歩いてる」でさらに号泣。

「死んじゃうくらい、抱きしめて。」にどよめき、ソロ曲「孤独な瞬間」を加藤史帆と一緒に歌うという演出に膝から崩れ落ちそうになる。

そして 伝説の3曲。
「手を繋いで帰ろうか」
「語るなら未来を…」
「太陽は見上げる人を選ばない」
高本彩花と手を繋いで恋人ごっこする2人がかわいくてかわいくて泣けた…。

お察しの通り、ここまで正直高頻度で泣いている。ヒコロヒーの登場のところはニッコニコの笑顔になった。ヒコ姉ファンサして~!

「月と星が踊るMidnight」の前の流れたVTR。センターになれない葛藤を語る京子の映像が流れる。そして、「月と星が踊るMidnight」のフォーメーション発表の瞬間。一番最後、センターとして名前を呼ばれる京子。京子の喜びも印象的だったが、私はその斜め前に座っていた佐々木久美の涙がどうしようもなく忘れられない。きっと京子の葛藤を、ずっと近くで見ていたのだ。こうやって泣いてくれる人がキャプテンで本当に良かった。

そして涙不可避の「月と星が踊るMidnight」
本当に綺麗だった。何度か涙で詰まったが、それでも歌声は私の鼓膜を、心を揺らして、捕らえて離さなかった。絶対に忘れるものか、この光景を、と涙が溜まったままの瞳を見開いた。

一通り楽曲は披露し終わり、アンコールとしてドレスに身を纏った京子が現れる。サイリウムカラーの純白のドレス。「綺麗……」と吐息と涙が漏れる。

京子からの最後のメッセージは想像以上にスムーズで驚いた。それでも何度も言葉に詰まる様子もあったし、それが仲間やスタッフさんに対する感謝を述べるところだったのが京子らしかった。京子はドライに見られがちだけど、日向坂が、その周りの人たちが大好きだったよね。

アンコールのラスト、本当にラストの楽曲は「僕に続け」だった。この曲をフルメンバーで歌える最初で最後のチャンス。目に焼き付けようと瞬きを諦めた。その間も目からはパタパタと涙がこぼれる。

「高波は全部 僕が受ける 夢あるもの 後に続け」
京子のあとに、1期、2期、3期、4期と集まる姿。それを背負う京子の力強さ。本当に美しかった。

そして本当に本当に最後の瞬間。手をつないだメンバーの列から、京子が出ていく。
隣に立つ佐々木久美の手からするりと、京子の手が離れていく。その瞬間私は悲鳴に近い泣き声をこらえきれなくなった。

京子、いかないで。久美の指先からそう感じたのだ。名残惜しそうな指先が宙に浮いている。

いかないで、もっと日向坂で、久美ちゃんの横で歌って。
久美ちゃん推しとしては、側にいた京子がいなくなることが、つらくて仕方がない。きくとしきょんでもっといてよ。

アイドルという仕事が楽しかったなら、どうしてもっと一緒にいてくれないの
という気持ちと
新しい場所で、自分自身の叶えたい夢を叶えてほしい
という気持ちがまぜこぜになった。
本音はもっとずっと一緒に活動している姿を見たかった。けど、私の、私達ファンの言葉で彼女を縛ってはいけない。送り出すことが正しいとわかっているから、寂しいと泣くことだけは許してほしい。今だって、この記事を書きながら、「僕に続け」を聞きながら、ボロボロに泣いている。

一番の推しじゃないからって遠慮してたけど、行かなかったら絶対に後悔してた。これからの卒業ライブも絶対にチケット申し込む。

齊藤京子さん、卒業おめでとうございます。
8年間、本当にありがとうございました。大好きです。


完全にくみ推しの余談なのだけど、頼む、としちゃんは久美をおいていかないでくれ。むしろ2人で卒業してくれ。卒業しても友達でいるのはわかってるんだけど、日向坂で、としきょんでいてほしいんだ。もっと長い時間2人を見てたいんだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?