社会人によくある異動の話

異動ってのは、すっごくデリケートなものだ。前職のとき、もしかしたら異動かもって聞いたときは、帰り道びーびー泣きながら帰宅したくらいに。実際に異動になった日も、びーびー泣いた。「このチームには無用だ」と突きつけられるような、その宣言が嫌いで仕方がない。

ある夜、ちょっとした飲みの場で「異動かもって話出てるよ」と言われたその日も帰り道泣いた。翌日も家で泣いた。理由なんてわかりきっていた。開発チームに、コードが書けない人間は必要ない。役立たずな人間は、辞めたほうがいい。そう思って数日間悶々と悩んだけど、あの言葉が正式な異動のお話ではなかったことを踏まえ、且つ年度末まで自分ができることはやろうと決意できたから、辞めることをやめた。飲みの場でぺろっとあんなデリケートなこと話すなんて、とも思ったけど、事前に聞いていなかったら、多分私は会議室で大号泣してその場で辞表を書いて提出していたと思う。から、これである意味良かったんだと思う。

そんなこんなで何度か消滅したりまた浮いてきたりしてきた私の異動の話は、結局「異動決定」の形でまとまった。結果的に言うと異動して良かった。

簡単に現在の業務内容を説明すると、クライアントと開発チームの橋渡し役だ。コードが書けなくても、システムの中身がわかっていれば話ができるし、仕様書をもとに開発チームが作ったシステムを確認すれば良いので、個人的に仕事内容が明瞭になった。あ、あと、2つ抱えていたプロジェクトは無事1つに絞れた。今まで、私だけ、他社とのMTGに連れて行ってもらったことがなかったのだけど、担当プロジェクトが1つになったことによって、やっと連れて行ってもらえるようになった。任されるようになった。揺らいでいたアイデンティティが、やっと確立した。

開発チームにいたときは、書けないことに負い目を感じてあれもこれもと手を出し不安を解消しようと必死になっていたけど、今は目の前の仕事にしっかり取り組めばよいのだ、という安心感がある。クライアントとのやり取りは焦って日本語がおかしくなるけど、それは訓練でなんとかなる、はず。

「無用な人間」だから異動になったんじゃない。「適材適所」で生きていける場所を与えられたのだ。しっかりとした土壌で、私の2018年度の成長が始まる。

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下記、おまけ


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