「優しさ」は弱点である

私の武器は「優しさ」である。

口が悪かったり、ひねくれたことを考えたりもするが、弱い者には寄り添いたい。困っていたら助けたい。立ち上がれるのは私だ、とジャンヌ・ダルクにでもなった気になって、少しずつ自分も他人も変えられるように戦っていたつもりだった。

ただどんな武器にでも弱点はあって、これの弱点は「他人の心情に流されやすい(飲まれやすい)」、「他人依存」。つまり「他人がいないと発揮できない武器」なのだ。なによりも、「弱者」がいないと発揮できない、弱い者を食い物にして生きる武器だということに、気が付いてしまった。

きっかけは「他人の感情に流されすぎ」という指摘からだった。「その正義感は何のため?自分のため?」と続いた言葉に、スコンと足元が抜け落ちた。

自信のなさを、隠し続けていたのだ。仕事においての技術の無さを、別のところでカバーしようとしていたのだ。自分の背を追い抜いていく存在を見て見ぬふりして。力がないくせに、ジャンヌ・ダルクになれるものか。

弱者に寄り添うことは悪くない、けど私はいつまでも弱者でいてはいけないのだ。まずは、自分の能力を身につけなければ。誰も守れない。

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