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脱げない鎧。




強くいられる服を選んで
強くいられる化粧をする。

不安を隠すためリップは赤で
自信がないから足元にはピンヒールを。

抜け感を作りましょうという流行。
そんなの作ったら私は壊れてしまう。





誰にでもあげる優しさはいらないから
すぐに触れられる背中でいて欲しかった。


ただいま

ファスナー噛んで脱げないし、
ウォータープルーフで落ちないし、
いつしかデフォルトがかわってて。


私じゃなきゃ行けない理由
そればっかりを考えて

みつからなくてまたおやすみ。


こっち向かなくていいから
背中は届く距離で眠っていてね。


またおはよう。
誰の背中も見えないし
私のファスナーはなおらない。


おやすみなさい。
目も耳も閉じる時間。

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