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MUP Output week 10

今回のセッションは、前回のWeek9の論理的思考スキルの後編として、具体的にビジネスに適用される「サービス設計の流れ」を解説していきます。

このセッションの要点は次の3点です。
・サービス設計の流れを理解する
・明確な市場調査をすることができる
・論理的思考スキルの理解する
これらの理解によって、実際の事業計画書が書けるようなるまで導きます。

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サービス設計の流れ
それぞれ分析を行いながら最終的に市場に向けてサービスをリリースする流れになります。

3CとSWOTとは
まずは自社分析をしなければなりません。この自社分析が3Cの中でも1番重要です。自社の強み・弱みなどをしっかり把握する為に『SWOT分析』を活用するので『3C分析』とセットで考えます。

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SWOT分析の実践例
具体例として、Limの手掛けるハイカラ屋についての具体例です。
まずは自分たちの強みを書いていきます。

【Strength】1階路面店で目立つ(立地)・仕入原価が安い・国産を使用・オリーブオイルを使用・Uber Eatsデリバリーが可能・オフィス街で人が多い・宴会などで採用される
次に自分たちの弱みです。
例えば、チェーン店ではないので、ブランド名がないことも弱みになりますね。
【Weakness】メニューの豊富さ・ブランド名がない・価格が多少高め・オフィス街なので週末空き・人がいないため弁当販売できない・長期休暇などは売り上げが下がる次にもっと拡大するための機会があるかどうかを書いていきます。
【Opportunity】親会社がマーケティング会社である・YouTubeなどの面白いイベント開催・体脂肪ケア思考などでハイボールの愛好会を作れる・キッチン貸し今度は逆にこれがあったらまずいもの、つまり、脅威となりえるものを書き出します。

【Threat】大型休日などが増えること・ヘルシー志向になっている・外食する人が減っている

このように書き出すことで、強みや弱みだけではなく、今すぐ対策が必要なことなんかも再認識することができます。

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3C分析

SWOT分析により自社の事を知ったら、次に3C分析です。次はカフェの新規オープンを考えているオーナーになったつもりで、まずは3Cを以下のようにまとめていきます。このフレームワークさえ知っていればコンサルタントになることもできます。コンサルタントはこういったフレームワークを活用しているので、ロジカルに考えたり話す事ができるのです。また、文字だけではなくグラフなども作成する事で、より理解度も深まります

例えばカフェの例を上げてみましょう。
まずは顧客分析です。ここでは、顧客にどのような特徴があるかを上げていきましょう。

【Customer(顧客分析)】

オフィス街/休日はあまりいない/サラリーマンが多い/男性が6割/ 年齢は40代が多い印象/スーツを着ている人が多い印象
 次に自社分析です。ここは先程のSWOT分析を使います。

【Company(自社分析)】

・強み:ドリンク価格がスターバックスより40%安い/個人店なので独自のキャンペーンが打てる/アルコールなど幅の効かせたメニュー・弱み:ブランド力がない/大手でないので仕入れ値が高い
・機会:夜はバーとして経営できる/オフィス街なので企業イベントでも利用可能/フードデリバリーも可能
・脅威:近年いろいろな業種でアルコール販売を初めているので、スターバックスでアルコールが販売されると集客が減る可能性あり

最後に競合分析です。自分が店舗を出す近くの競合を分析します。
【Competitor(競合分析)】
朝の入店数は50人程度、昼時には100人程度、夜は40人程度の入店数である
女性が多い印象
店内でフードをオーダーする人は30%程度
そのため客単価を530円と仮定すると、1日の売上は100,700円程度
 
このような形で、自分の店舗を出店する際は必ず3Cを分析しなければいけません。
ここまでで3CとSWOT分析が終わりました。次は4Pです

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4P分析とは
4Pとは、Product(製品)、 Price(価格)、 Place(流通)、Promotion(販売促進)の頭文字を取っています。

セッションではカフェを例にとりあげます。

Product(プロダクト:製品)

サラリーマンが多い、また男性が多いという観点から、おしゃれなメニューよりもボリュームを重視したランチメニューを用意。夜もアルコールメニューを用意。・また女性取り込みのためタピオカなどの競合にはないドリンクメニューを提供。企業イベントでの設定で飲み放題パッケージも用意。
Price(プライス:価格)・ランチタイムはサラリーマン取り込みのためドリンクセットで850円、夜は競合がいないため高めに設定し客単価4300円程度を狙う


Place(プレイス:流通)

オフィス街もあることから一定のデリバリー需要もあることを想定。その為、ランチデリバリーを宅配サービスと連携して提供予定。


Promotion(プロモーション:販売促進)

忘年会などのイベントシーズンでの利用を刈り取る為LINE@での登録でドリンク1杯無料やリスト化などを行う。看板認知の獲得が可能なため広告媒体などには掲載をしない予定。ランチタイムに多くのテーブルフライヤーでのクーポン配布などを実施予定。このフレームワークをしっかり活用して一つ一つ紐解き論理的に考えるのです。

このようにフレームワークに沿って1つ1つ提案することにより、考えがまとまり、ロジカルに話をしていくことが出来るようになります。

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TTP(徹底的にパクる)戦略
自社のPと競合のPを比較すると、どこに改善点があるのか? どこに注力するべきなのか? 
が見えてきます。
このように、自社と競合の4P分析を比較し、一つ一つ細かく改善を行うことにより、必ず勝てる戦略 =TTP戦略(徹底的にパクる戦略)を取ることが出来るのです。
ビジネスではどのような業界であれ、このフレームワークを使うことが非常に重要になります。

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市場調査
ここまで「3C分析 → SWOT分析 →4P分析」とサービス設計の前半が終わりました。
次は市場分析をしていきます。
市場調査をするにあたり、その前に必ずやらなければならないのが『デプス調査』と『ペルソナ設定』です。ここをしっかりやらないと、市場分析をしても自分の予測と大きなズレが生じてしまいます。

市場規模とは
皆さん市場規模という言葉をよく耳にしませんか?
よくサラリーマンが口にしたりもしていますが、これをしっかりと計算できている人は実は少ないです。
マーケットサイズをグーグルで検索するというのも一つの手法ではあるんですが、それではデータが少なすぎます。
最も正しいマーケットの把握の仕方は、
①特定の商品やサービスを必要(ニーズ)とする人がどれぐらいの数いるのか?
②そのニーズに人々はどれくらいのお金を支払うのか?(デプス調査+メンタルアカウント分析)
この①×②=市場規模となります。

サービスを必要としている人の数×そのサービスに支払うお金=市場規模

このような流れで市場規模を明確にしていくことが重要です。
 
ここで整理すると
デプス調査+メンタルアカウント分析 ①× ② = 市場規模  
上記内容により市場規模について把握できましたが、より精度を上げる為にも『メンタルアカウント分析』をしっかり反映しないと中身がスカスカな内容になってしまいます。

メンタルアカウント分析
 
市場規模を考える上で最も重要なのがメンタルアカウント分析です、
メンタルアカウントとはどのようなものなんでしょうか?
例を出して考えてみましょう。
 
100円の自動販売機で買うジュースにケチる人は多いです。でも、女性と行く1万円のディナーはケチらないですよね?
 
このように人それぞれで何にならお金を払って何に対してはケチってしまうというメンタルのアカウンティングがあります。
 
これをしっかりと市場規模に組み込めてないから市場規模がただの数字になっている人が多いんですね。


市場規模をしっかりと把握するためにはニーズの調査です。
本当にこれをあなたは買うんですか?
あなたどういう人ですか?
その人はどれぐらいの数いるんですか?
そういったことを一つ一つ深堀っていくことが重要です。
つまり人それぞれによって何にならお金を使っていいのかを市場規模に組み込むことが大事なのです。
これが市場規模の調査だけではなくて、サービスを作るときにも重要になります。
 
 
ニーズ調査
こんなサービスあったらどうですか?
とシンプルに聞けばいいんです。
シンプルに聞いた人をカテゴリー分けするんですね。
30代男性、30代主婦、40歳サラリーマン、無職の人など
いろんなカテゴリーに分類して話を聞いてみることが大事です。
とにかく聞くことです!
それを聞いて答え合わせをしてみることです。

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それを聞く手法として「デプス調査」というものがあります。
デプス調査
これは、ただ人を呼んでインタビューすればいんでしょ?みたいに捉える人もいるかもしれませんが違います。
 
デプス調査とは
 
1.様々なヒアリングを行い、アンケートを取る→こんなサービスがいいなと答えている人はこの層が一番多かった
2.その層の人を実際にオフィスに呼んでみてもう少し深ぼったインタビューをしていく
3.そうするとこのサービスがブラッシュアップされていいものになります
または、市場規模の特定につながるのではないか?
という調査になります。
 
事例)Zozoのつけ払い
 
市場規模をしっかりと調査し、いいサービスを作っている例をご紹介します。
これがZOZOTOWNのツケ払いのサービスで、「お支払いは2ヶ月後でOK」というものです
これの何が良いのかというと、普通の付け払いだと1ヶ月後のお支払いになります。
なぜ支払いが2ヶ月後なんでしょう?
これはデプス調査の結果なんです。
 
ZOZOではみんなカートに欲しい服を入れますよね?しかし多くの人はその服を買いません。
100人がカートに入れたら50人ぐらいは買いません。
服を買わなかった50人はいつ買うんでしょう?
それが翌月や翌々月になるんですね。
しかしZOZO的にはその時点で買ってもらった方がいいですよね?
今すぐ買わせないと、買ってくれる人の多くは来月になったら購買意欲は低下してしまいます。
だから今すぐ買わせなければいけません。
そのため、ツケ払いというものをつけました。
 
では、なぜ2ヶ月後なんでしょうか?
みなさんは来月のクレジットカードの請求額が大体いくらくらいか分かりますか?
おそらく大体これくらいだろうというのがあると思います。
では、2ヶ月後の支払いがいくらになるかはわかりますか?これはあまり明確な数字はわからないですよね。
なので来月の支払いが終わった再来月なら払えるという人が、デプス調査の結果、多いことが明らかになりました。
よって最終的に、支払いは2ヶ月後になったんですね。
 
ZOZOはこんな細かいことをしっかり行うことで成長していったんですね。

デプス調査の順序
 
デプス調査には4つの流れがあります。
1)スモールトーク
2)ライフスタイル質問
3)ワンアヘッド質問
4)意見や質問、必要か不必要か?WHYを3回は聞く
 
この1)~4)の順序で調査していきます。
 
1)スモールトーク
まずは日常会話から始めましょう!
まずは相手をリラックスさせてください。
ここではとにかく自分のことを話してください。
私は入社して何年目で・・・私の年齢は・・・・
みたいな感じですね。
ここのトークで相手の心をオープンにさせましょう。
 
2)ライフスタイル質問
相手の心をオープンにさせることができたら次はライフスタイル質問です。
趣味とか家族構成とか帰宅時間などなんでもいいので、その人の時間の使い方、ライフスタイルを細かく聞いていきます。
 

3)ワンアヘッド質問
ここで少し踏み込んだ話を聞いていきます。
あなたの年収は? 家庭の経済状況は? ローンの有無は?
などの話をしていきます。
 
4)WHYを3回聞く
例えばツケ払いを例に考えましょう。なんでツケ払いが必要だと思いますか?
なぜそのように感じるんですか?
なぜ?なぜ?
といったようにWHYで3回は聞きましょう。
 
そのために 予めインタビューシートを用意しておくと良いでしょう。
これはこんな難しいサービスとかではなくて
カフェをここで開こうと思ってるんですけど・・・
といった内容でも大丈夫なんですね。
 
そういったアンケートをとるというのは失敗しないためには必ず必要になってきます。
 
ほろっと口にした言葉を逃すな
このようなインタビュー中によくホロっと口にした言葉があります。
これを必ずメモしてください。
 
まずは自分のサービスについては絶対に最初からは言いません。
スモールトークから始まってライフスタイルトーク・・・・
といった流れで聞いていって最終的にサービスを説明する。
そうすることで、
このようなカテゴリーの人、これぐらいの年収の人、
このようなライフスタイルの人はこのサービスを気にいってくれるんだなというのがわかります
それがわかったら次のステップです!
 
 

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ペルソナ分析

自分のサービスに対してどの層にニーズがあるのかがわかったら妄想の人間を設定します。
デプス調査を経て架空の人物を作り出すんですね。
これをペルソナといいます。
 
会社のプレゼンで 「この方は、会社勤めで子供も3人いて・・・」といったようにあたかもいるように話をします。
そして最終的に市場規模はこのくらいです・・・と持っていきます。
例えば
この図にあるような30歳子持ちの主婦Aさん
このような主婦10人に対してデプス調査を行いました。
その結果
1)8名が宅配晩ご飯を利用したいと言っている
2)1ヶ月の晩ご飯代5万円の半分なら払いたいと言っている
3)この街には同じような主婦が2万人いる
 
そこからさらに計算をすると このエリアの市場規模:2万人×80%×2.5万円=月間4億円程度
このような流れで市場規模を明確にしていきます。
このように市場規模は下の図の流れで明確化することができます。

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普及曲線を理解せよ

市場規模は明確になったとしても普及曲線を理解していないと何も始まりません。
 
晩ご飯宅配サービスでは月間4億円、年間50億円の市場価値があるから、いきなりそれだけのお金が入って来るのかといったらそうではありません。
 
サービスや商品が世の中に浸透していくのには順番があります。
まずはイノベーター、アーリーアダプターという層に一番最初に浸透していきます。
この人たちは、全体の16%ぐらいの割合になります。
例えばカフェに行く人の中で、いつも通りスタバに行く人と少し冒険して地元のカフェに行く人は100人いたら16人ぐらいです。
残りの84名はいつもどおりスタバに行っちゃう人なんですね。
 
ですが、まずはその16人をしっかりと満足させなければいけません。
ここから口コミが広がって84人の人を少しずつ取り込んでいけるんですね。
なので50億の市場規模があれば、まず狙うべきなのはその16%です。
大体7〜8億円程度になります。
そこをしっかり取り込むことができれば、アーリーマジョリティーに移行していきます。
 
口コミやキャッチコピーが重要
 
ウーバーイーツはそこまでテレビ広告を行ったわけではないんですが、口コミで広がっていってここまで伸びてきていますよね?
 
そしてイノベータやアーリーアダプターにアプローチするためには、ニッチな戦略が重要になります。
例えば、「高級チョコとをコーヒーのお店」
といったようにコーヒーのお店だけでは、なかなか来てもらえません。
なので「〇〇専門店」といったようなニッチ戦略が重要になってくるんですね。

ここまでが論理的思考スキルになります。

 ここから実際に事業計画を作成していくことが次のステップになります!

以上 Week9 , Week10 で分けて解説された論理的思考スキルでした。

論理的に理解すること

論理的に考えること

論理的に説明すること

論理的に実践すること

それぞれにステップがあると考えさせられるセッションでした。

実践あるのみ!


最後までお読みいただきありがとうございました。


 

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