日記(2023/01/25) 「女たちのシベリア抑留 / 小柳ちひろ」読了 #まじ日
「女たちのシベリア抑留 / 小柳ちひろ」読了。
私の中の戦争について学ぼうシリーズです。
シベリア抑留については、昨年の12月に映画「ラーゲリより愛を込めて」を見たので、断片的な知識は頭に入っているつもりです。それを別の角度から見てみようの読書です。
先述の通り、映画を見ているため、画としてイメージできる部分が大きかったです。ダモイという言葉、ソ連兵の出立、営倉など。
映画では、ダモイ(=帰国)できる日を信じて、希望を捨てずにラーゲリ(=収容所)で暮らす男が描かれていましたが、本書も、希望によって生かされる記述があり、人は食だけでいきるわけではないんだなぁと思いました。まぁ食も生きるのに十分なものではなかったのですが。
満州にいた看護師が捕虜として強制収容されていたとのことで、途中から(?)労働ではなく看護に従事している人もいたようです。その生活は労働よりはいくらかマシというか、仕事に誇りが持てることもあったようです。看護師が、ソ連の看護師による手厚い看護を受けたことで希望を取り戻し、看護という仕事への誇りを再び持ったという話が印象的でした。
ミクロな人と人同士は、決して悪いことばかりではなく、それこそ人それぞれの関係があるもので、戦争や国によって非人道的なことがおこる、それが戦争の悲惨さなのだということです。
戦争下において、非人道的なことを全く行っていない国などいない、日本も満州を侵略したことで、土地の人からはよく思われておらず(それはそう)、敗戦後の引揚時に、中国人から暴力を受けることもあったそうです。抑留よりそっちの方が辛かったのではという声もありましたが、自業自得だという向きもあり、やるせないな…と思いました。
女性だということで加わる恐怖も、読んでいてキリキリしました。
実際に女を差し出すということもあったのでは、とのこと。差し出させていたのも、ソ連だけではないだろう、それこそビルマ等での日本も、ということが書かれていました。
にしても、戦争時の、辱めを受けるくらいなら死ぬべきという教えの力が強すぎて怖いです。
ある団体の女性は青酸カリの小瓶と水無で飲む用のこんにゃくを配布され、いざというときには飲んで死ぬことを推奨されていたというのだから、恐ろしい話です。
美徳とは、なんなんでしょうね。以前読んだ本に書いてありましたが、自分の命より国や天皇を重んじる世界だったそうです。いまはその考え方自体は理解はできないけど、一方で、ある特有の考え方が浸透している世界は、想像し得るなとも思いました。
個人へのインタビューや資料、取材が丁寧に行われていることがよくわかる本で、読んで良かったです。一辺倒ではないこともよくわかりました。
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