日記(2023/03/02) 「続・善と悪の経済学 資本主義の精神分析 / トーマス・セドラチェク」読了 #まじ日

「続・善と悪の経済学 資本主義の精神分析 / トーマス・セドラチェク」読了。

心理学的見地からシステム(含む経済システム)を分析してみようの本。

経済も心理学もよくわからないので、理解し切れた自信はないですが、そもそも心理学的見地から経済を見てみる取り組みがおもしろかったです。よくあることなのか?
経済って概念ですけど、結局人の取り組み?みたいな?多数の人の思念が集まってできた動きということなのかしら?とか思いました。
で、そういうのって全部神話に書かれてるよねーみたいな話だったんですけど、じゃあ、ここまではなるべくしてなったのか?と、絶望とまでは言わなくても、諦めというか、逆に肩の力が降りるというか、なんか不思議な感じにはなりました。
そう、神話と心理と経済を行ったりきたりする本でした。

今の経済はうつ的だと言われてるけど、著者によると、うつというより躁うつであるそうです。つまり、何かに振れたとき、あまりに反応がでかすぎるのでは?とのことでした。
うつの場合、気分をあげることが治療になるけど(ざっくり言うと)、躁うつの場合はとにかく安定を目指すという違いがあるそうで、経済も成長しないと死って言ってる場合なのか?目指すのそこなのか?という警鐘を鳴らされてるのかなぁと思いました。

まさに……と思うことは多々あって、

利益に焦点を合わせた結果、意図的な現実認識障害が生み出され、私たちの経済および私たち自身は非合理的なふるまいをするようになった。そして「あえて需要を作る」ためのさまざまな学問は人々の目に、一見完全に合理的で公正なものに見えている。
44ページ
工業国の市民が消費財を望むまま手に入れ、他国の市民がそれを苦しみであがなうことが当然のようになっている今、システムのふるまいはサディズム的だといわざるをえない。攻撃性はひとり歩きし、目的はもはや前進にない。自己破壊、死の欲動の終点に向かっている。
153ページ
問題は、こうした楽園が存在を許されていないことにある。なぜなら、市場はとっくに私たちのニーズに従うことをやめ、今では私たちの生活が市場とそのメカニズムに従い、とにかく成長を求められる形になっているからだ。
218ページ

成長を支えるために需要が無理やり生み出されたり歪な労働体制が敷かれたりしていることはわかっているものの、どうすればいいかわからないというか、そうせざるを得ない人間の悲哀みたいなものも感じました。まだ解がないし、たぶん今後もないし。少なくともしばらくは。

経済学って私にはあまり馴染みはないけど、それだけで一つの学部ができるくらいカバーする範囲が広くて深くて大きいんだろうなぁと思いました。バカみたいな感想。

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