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いろいろな色について

色カラーというサイトのアンケートによると、日本人の好きな色・嫌いな色は、

好き 1位 青、2位 ピンク、3位 赤

嫌い 1位 ピンク、2位 紫、3位 金 だそうである。

一般的に、赤を中心とした暖色系は遠心的で周りに拡散していくイメージ、人の気分を高揚させると言われる。青は求心的で中央に集まってくるイメージ、心を鎮静化させる、と言われる。シュタイナー曰く、「黄は放射し、外側に輝く」「赤は静止し、均等に輝く」「青は殻を作り、内に輝く」である。

また、好き嫌いには男女間の違いもあり、

男性の好きな色 1位 青、2位 赤、3位 緑

女性の好きな色 1位 ピンク、2位 青、3位 水色 なんだそうである。

となると、当然地域差もある。 千々岩秀彰氏の調査による「各国で好まれる色」は、

米国 1位 青、2位 赤、3位 緑

ロシア 1位 黒、2位 白、3位 赤

中国 1位 青、2位 白、3位 茶色

オランダ 1位 オレンジ、2位 青、3位 黒

ドイツ 1位 青、2位 黄色、3位 赤

全体的に青が上位に選ばれる傾向が強いのだが、たとえば”幸福”というキーワードでは、アジア・日本はピンク、欧米は黄色を選ぶ。”家庭”については、アジア・日本はまたピンク、欧米は青を選ぶ。暖色系と寒色系、遠心力と求心力、母性と父性など、地域による志向性の違いが見えてこよう。

ちなみに、黒や白は自然界には存在しない。その色が上位に選ばれるのは、さすが人工物の結晶たる共産圏だと言えよう。

色の好き嫌いを決めるのは最終的には自分自身なのだろうが、その中で、”自分の色”を頑なに守るタイプの人もいれば、ある程度の幅を持たせるタイプの人もいる。当然、色の捉え方と生活・仕事の仕方はかなりの相関がある。色彩学の歴史は古く、紀元前4世紀にはじまる。アリストテレス、ニュートン、ゲーテと研究が進み、現在では、広告・マーケ業界、ファッション・インテリア業界などの人々は、常日頃から勉強しているテーマであろう。

ただ、マーケ屋さんが色目を使いすぎると、人間や街がくすんでしまう。そのあたりの意識が高いのが欧州で、イタリアでもフランスでもイギリスでも、大抵の街並みは日本のように雑多な看板にあふれかえることもなく、静謐さを保っている。街において主体はあくまで人間という姿勢である。ただ、いったん家の中に入れてもらうと、さまざまにカラフルだが。

(ちなみに、マルクス・ガブリエルが来日して電車に乗るたびに「皆がスマホに操られている」と恐怖するらしい。かつて機械的意思(≒ナチス)にあやつらられ、間接的に大量虐殺に加担したドイツ人としては、人としての基本を守りたい意識が強いらしい。)

前述のように、昨今では色彩学が商業主義、オカルト主義に偏り過ぎている印象を受ける。そんな単純なものではないと思う。もう少し、思索の幅を広げてみたい。






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