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歯科医師なりたての若い時に、お金がなくても学ぶ方法。

前回の

でも登場した故下川公一先生の話から。

俺がお前らに絶対に勝てないものがある。
それは若さと時間だ。

と。僕は来年50歳になるのですが、下川先生が言っていた事が解るようになってきました。

若い先生と話していると、お金がなかったから勉強できないと言われる先生がいます。そう聞いた時、僕は、
お金がなかったら時間と頭を使ったら良いじゃん!
と心の中で思います。

具体的に僕がどうしてきたかを今回は書きます。
学生時代は、口腔外科医を目指していました。
教養課程の廃止の影響で、5年次の秋に1ヶ月自由に出来る期間があり、口腔外科に毎日通って、当時の外来長のN先生に引っ付いて学ぶ機会があったのが大きかったです。

今の時代、可能かどうかは解りません。
歯学部の5年次後半と6年次に、後輩や知り合いに声をかけて、口外の先輩歯科医師にアシスタントについてもらい水平埋伏智歯を何本も抜いていました。当時は臨床実習の名の下、色々出来たので、本当に自由にさせてもらいました。

現在は、国家試験が難しくなり、そうも言ってられないかもしれませんが、もしも可能なら自分がその時に興味がある科に、自分の空いた時間を使って通い学ぶのは良いと思います。

卒後、歯科医師になってどうするかですが、自分がその時なりたいと思う先生の側で学ばせてもらう事です。僕の転機は大学院2年の時でした。

学生時代にやっていたパン屋のアルバイトの友人からお母さんがインプラントをしなきゃいけないんだけど、良い先生を紹介してくれないか?から始まりました。

僕は口外にいたので、補綴科の友人に聞くと即答で福岡の天神で開業されている山道信之先生が絶対に良いと。そこで友人を介して紹介させて頂きました。すると、山道先生から、一度見学に来なさいと声をかけて頂き、クリニックに伺いました。

すると山道先生から、
「先生は、法医学という普通の人が行かないところで研究しているから面白い。良かったら時間がある時に見学に来て勉強しないか?」
と。

当時、山道先生は、インプラントのアドバンスセミナーや執筆活動をちょうどされている時でした。そこで司法解剖がない土曜日の午前中の診療を見学させて頂く事にしました。

見学に慣れたら、助手につかせて頂けるようになりました。また人が足りない時は、麻酔をしたりと少しずつお手伝いも。

山道先生は、補綴科ご出身です。インプラント治療だけでなく、他の治療もとても刺激的で、僕が今あるのは山道先生のおかげです。水埋を抜くのも、大学では縦切開をしっかり入れてやっていたのですが、山道先生は極力縦は入れずに遠心切開のみで見事に抜いておられました。先生曰く、開業医はいかに腫らせずに抜くか考えなきゃと。

また保険診療で手を抜く歯科医師がいるけど、保険で手を抜いていたら手が荒れるので上手くならない。保険診療でも、しっかり治療しなきゃいけないと。この教えは今でも守っています。

アシスタントについて学ばせてもらうのが一番勉強になります。僕は、その時あらゆる臨床の助手につかせて頂いたので、今があります。歯科医師として数千万いや数億の学びを得たと思っています。
山道先生には、本当に感謝です。

今、お金がないから学べないと思っている若い先生がいたら、
自分が休みの日に時間を使って、自分が学びたいと思う先生の門を叩いてみましょう。
若い時から週休二日に慣れていたら、そのツケは間違いなく将来出ます。

歯科医師として臨床を続けるかぎり、技術が絶対に必要で、技術なしに喋りだけでは限界があります。若い先生を見ていると、喋りは長けているけど、臨床は...という先生をお見受けします。また逆もしかりで、臨床は凄いんだけど、人として...という先生も...。
かく言う僕も、まだまだで日々バランスを取りながら勉強です。

いつも書いてはいるものの、なかなか行動起こす先生はおられないのですが、また書いておきます。僕で良ければ学びたいと思う先生にはいくらでも伝えます。臨床だけでなく、どうやったらお金がなくても開業出来るか、また経営を上手くやれるかなどのノウハウも。
読んで下さった先生で、ご興味があれば、いつでもFBでメッセージを下さい。

写真:2019年3月 スイス ルツェルン ピラティス山です。すごく寒かったので、今度は夏に行ってみたい場所です。


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