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進撃の歯科医療 vs 殿(しんがり)の歯科医療

僕は若い時、大掛かりな治療に憧れました。
サイナスリフトやGBR、GTRなどなど。
患者さんに一生懸命に説明して、この治療が良いんだ!と信念持ってやっていました。

しかしそのような治療は、腫れや痛みを伴う事が多いので、あまり喜ばれませんでした。そこに疑問を感じ、今は本当に必要と思う時だけ説明するようになりました。

先日朝1番に、待合室をみると4人の年配の患者さん達が。
平均年齢87.25歳
最高年齢95歳、一番下の方でも81歳。
皆さんお元気で、自分の足で歩かれています。
その時に、思いつきました。僕のこの経験は、これからの若い先生達に役に立つかも?と。
今日は、僕が現在行っている殿(しんがり)の歯科医療について書いていきます。

1. 進撃の歯科医療

進撃の巨人、ご存知ですか?今春、高校生になった息子の影響でハマりました。先日、完結したとの事で、最終話まだ見ていないので楽しみです。

さて話を戻すと、歯科治療が好きな先生は、大掛かりな治療に憧れませんか?サイナスリフト、GBR、矯正治療してからの全顎補綴...etc。

そこで、現実をみてみましょう。
目の前に100人の患者さんがいた時に、その治療を受けたいと思う人が何人いるでしょう?
また受けたいと思っても、自費診療になるので、その費用を払える人が何人いるでしょう?

2. 殿の歯科医療

現在、人生100年時代と言われています。寿命がどんどん伸びています。
また歯が沢山残っている人、お口の中にインプラントが入っている人、義歯が入っている人、様々な状況の人が増えています。

その上、口の中だけでなく全身的にも色々でてくるので、様々なお薬を飲んでいる人が多いです。

僕が考える殿の歯科医療とは、
痛みなく食事が美味しく食べれる事
と定義しています。

長年使い込んですり減った義歯でも食べているなら、それでOK。
歯科医師的には本当は義歯を使ってもらった方が良いのにと思うけど、義歯を使わずに美味しく食事が出来ているならOK。
根尖病巣があるけど、痛みなく、大きくなってきている感じもないので、そのまま様子見てもOK。
歯根破折が疑われるけど、症状ないので、そのままでOK。

正直、自分がやっている見守る医療が、正解かどうかなんて解りません。
ただ、患者さんは、きちんと定期的に来院してくれみせてくれる。
もちろん、何か症状が出たら直ぐに連絡下さいねと伝えている。

そんな歯科医療があっても良いのかなと考えています。

3. 高齢者にターゲットを絞った開業

最後に、これから開業を考える場合、高齢者にターゲットを絞った開業もありかと思います。
理由は、一番、人口バリューが大きいからです。

CT要らない、マイクロ要らない、CAD/CAM要らない、普通の歯科医療ができる設備があればOK。設備投資にお金がかかりません。
受付を広くとって、井戸端会議ができるようにするのは必要かも。
大掛かりな治療はせずに、見守る歯科医療の提供。

マイクロ4台持っている歯科医師が何言ってんだと言われるかもしれませんが、マイクロ4台持っているからこそ、言える話。
好きな歯科医療のために、借金返済大変ですよ(笑)。

写真:香港です。また行きたい街です。


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