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お茶の栽培

日本で言う【お茶】とは様々ありますが、一般的にはチャノキ(カメリアシネンシス)から作られる蒸製の煎茶が直感的だと思います。
栽培方法と製造方法により、細かく分類されていきますが紅茶もウーロン茶も、抹茶も玉露もほうじ茶も全てチャノキ(カメリアシネンシス)からできています。
逆に、チャノキ(カメリアシネンシス)以外のものは厳密には【お茶】ではありません。麦茶やルイボスティー、ハーブティーなどはチャノキ以外の茶です。植物を乾燥させて湯で抽出するもの、を広義で茶と呼ぶことがあるので度々混同があります。

私の記事でもっぱらお話しするのは、日本茶、主に蒸製の緑茶のことですので、特段断りのない場合はそう思ってください。
日本茶は一番茶が生産のメインで、嗜好品として楽しむリーフのお茶はほとんど一番茶と言えます。二番茶・三番茶・秋冬番茶などはペットボトル飲料やティーバッグ、業務用のお茶に利用されることが多くなります。


令和五年十二月 ※農林水産省【茶をめぐる情勢】より

チャノキは常緑樹なので冬の間も葉が落ちることはありません。
秋の整枝を終えた茶園は気温の低い間は成長せず、じっと冬を耐えます。新しい芽を伸ばさないので、光合成によって得られた栄養は根に蓄えられていきます。新芽は柔らかく寒さに弱いため、冬の間は葉を硬くして身を守るのです。
3月頃暖かくなってくると芽が動き始め、伸びてきた新芽を摘むのが一番茶(新茶)として製造されます。一番茶が摘み取られてから約90日後に成長して摘み取って製造するものを二番茶、その後三番茶、四番茶(秋冬番茶)へと続
いていきます。


10月の茶畑

立春から数えて八十八夜を迎えた日に摘み取ったお茶は、昔から品質が良く健康長寿に良いと言われています。最近では平均気温もかなり上がってきたので、必ずしもその通りにはいきませんが、4月下旬から5月上旬がお茶収穫・製造の最盛期になってきます。早いところでは3月から収穫が始まり、遅くても5月中には大体全てのお茶が摘み取り終わります。
一年分のお茶がこの2ヶ月程度で収穫・製造されるのです。二番茶、三番茶と続いていき、8月頃までシーズンはありますが、一番茶に比べて価格も大幅に下がるので、茶業界に一番緊張が知っているのはやはり一番茶の時期です。
収穫も1日ずれれば味も収穫量も変わります。一年間丁寧に栽培管理してきた結果が、その1日一瞬で変わるのですから、農家さんや問屋さんは特に注意深く茶園を見回っていきます。
摘み取った後も大変なことがたくさんあるのですが、それはまた別の機会にお話しします。

収穫の他は何をしているのかというと、より良い茶葉を作るためにたくさん考えることがあります。
主には消毒と施肥、剪定です。
各自治体のJAなどからはこのような年間計画表が配られていたりします。必ずしもこの通りにするわけではないですが、茶園の環境や品種、品質に応じて様々考えて季節ごとにすることがあります。農家さんは一つの畑だけ持っているわけではなく、点在する茶園を管理していますので見て回るだけでもそれなりに時間がかかるものです。

JA福岡八女HPより


今回はこれまで。
お茶の栽培のざっとした流れをお伝えしました。

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