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2022シーズン

水戸ホーリーホックで取締役GMをしている
西村 卓朗です。
水戸ホーリーホックの2022シーズンが
昨日で終了した。
10月23日で終わってしまったことは
残念の一言に尽きる。
その分析や、改善はこれからしっかりして
いこうと思う。

2022シーズンから2023シーズンへ向けての
準備は直近2年間とは大きく違ったものがある。
それは監督の交代である。
2年前のnoteでは「監督」という職業の難しさを綴らせてもらった。

内容については今見ても、感じ、考えていることに大差はない。以前のnoteに綴られていることでほぼその通りと思ってもらって良いと思う。


秋葉忠宏という監督は水戸ホーリーホックに
大きなものをもたらしてくれた。
長谷部体制初年度で2018年に過去最高順位(10位)、
2019年も最高順位(7位)を更新し、
プレーオフまであと一歩というところまできたチームを引き継いだ。
前代未聞のコロナ禍という誰も経験したことのない事態を、
前向きな姿勢と、割り切り、柔軟性で対応し、
成績をまずは中位に安定させつつ、
選手には、前に向かう姿勢を植え付け、
どんな対戦相手に対しても
常にファイティングポーズをとり続けるチームに変容させてくれた。
ファン、サポーターを「ファミリー」と表現し、互いの距離を限りなく近づけてくれた。
そして、2021シーズンは過去最高の移籍金をチームに作り、多くの選手をJ1に導いて見せた。コロナ禍において、
チーム経営が苦しい中、財務面においてもその貢献度は大きな評価に値する。

秋葉監督とはこの3年間たくさん、たくさん、たくさん話をした。
選手のこと、クラブのこと、日本サッカーの
未来のこと。
先月末には来季に向けた話し合いをして、
結論としてはクラブは「循環」していくことを考え、同時に監督からも退任の意を表明された。現時点においてこれが「正解」かはわからない。
だがお互いが、この結論を「正解」にしていく道を歩み始めたということ。
監督と強化部長という関係は、物理的にも、
心理的にも近い距離にいないと良い仕事にならない。
そのあまりにも接近した距離であるゆえ、
どんなに些細な事でも嘘偽ることは難しい。
いつも全てをさらけ出し、
非常に濃く、深い、時間を過ごしてきたアキさんだっただけに、今は何とも言えない寂しさがある。
互いがこれまで、何よりも大切にし、
こだわり、情熱を傾け、築きあげてきたもの、
つまり「自身のサッカー観」を
時に認め合い、時にぶつけ合い、時に融合させて、過ごし続けたこの3年間の月日はやはり特別だ。
すべての判断、決断に意味と、責任を求められ、そして結果を求められる。
改めてだが、この難しい仕事を3年間全うしてくれた秋葉監督には感謝している。
この3年間を土台にさらにクラブを進化させていかなければと改めて強く思った。


今シーズンは様々なことがあった。
(結局は毎年だが・・・)
途中自分の中でもなかなか整理がつかず、
発信ができず、心の中で、いつもとは違う感じ方があったのは事実。
まだ答えは出ないが、じっかり探求していこうと思う。
気分が優れず、悶々としていた日々が長く続いていたが、昨日は久々に晴れやかな気分を一瞬だけ味わうことができた。
「何のためにやっているのか」
を自問自答する日々だったが、
勝って喜ぶ選手達を見て、
ホッとするフロントスタッフ達の表情を見て、スタンドのファン、サポーターの穏やかな笑顔を見て、
順の最後の勇士を見て、
秋葉監督の最後の挨拶を見て、
何とも言えないこみ上げてくるものがあった。
こんな風に多くの人の気持ちが繋がって、
みんなで感情を共有して、泣いて、笑って、
讃えあって、目指す先へ皆で進んでいく。
自分はそんなことをやっていきたいんだなと。

2022シーズンは多くの人が思い描いたものではなかったかもしれない。
それは悔しいという言葉に尽きる。
でもやることはひとつ、
また明日から前を見て、
来季に向かって
理想のチームを、
理想のクラブを、
理想の地域を、
目指して歩んでいきたいと思う。

2022シーズンも多くの方々の支えがあり
無事に終えることができました。
ファン、サポーター、スポンサー、株主の皆様
行政関係者、ボランティアをはじめ、運営面を
支えてくださった皆様、水戸ホーリーホックに関わるすべての皆様、
本当に、本当にありがとうございました。
来シーズンも宜しくお願い致します。

2022年10月24日
取締役GM
西村 卓朗

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