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《強く逞しく美しく》4年 李誠雅

いつも日体大FIELDS横浜、日本体育大学女子サッカー部を応援して下さる皆様、本当にありがとうございます。

1年間の自分の想いや学んだことを書きました。

是非読んでください。

今シーズンの日体大FIELDS横浜と日体大女子サッカー部のキャプテンに任命された時、真っ先に行ったのは「覚悟」を決めることでした。

それはある人の言葉がきっかけとなりました。

初期、何から始めたらいいのか右も左も分かりませんでした。
チーム立ち上げ当初を今でも覚えています。
その当時の選手達の雰囲気、強度、集中力は誇れるものじゃなかった。
チームとしての課題もたくさんありました。


でも何から手をつければいいのか分からず、解決方法を探しすぎるあまりどうしていいかもっともっと分かりませんでした。

そんなある日。
日体練習を見学していた方に言われました。


「なんか、日体大女子サッカー部の練習じゃなくてスクールみたいな練習雰囲気だったよ。」

悔しかったです。
本当に悔しかったです。

でも、言葉の意味をすぐに理解できました。
ただ仲良く楽しくサッカーだけする。
緩くても、失点しても、ミスしても誰もなにも言わない。


そんな生温さに一番気づいているはずなのに「どう伝えればいいのか分からない」を言い訳にし、行動を起こすのを先延ばしにしていました。
そんな矢先に図星な事を言われてしまいました。
本当に情けない。何よりも自分に腹が立ちました。



その日、帰って考えました。
死ぬほど考えました。


自分がキャプテンを任された日体大女子サッカー部は果たしてどういうチームはなのか。
“強い日体大”を守ってきた先輩たちの想いは一体何なのか。


「王者 日体大」
サッカーはもちろん応援も、チーム力も全てが日本一を誇るのが日体大の伝統だと再確認しました。
その伝統を守ってより輝かせられるのは自分達しかいないということも。



腹をくくれ。



誇り高き日体大女子サッカー部のキャプテンを任せられたのにダサい事なんて出来ない。

先頭に立ちみんなを引っ張っていかなければならない自分が弱気で、右も左も分からないと言い訳ばかり言ってたらそりゃみんなも迷うのは当たり前だ。


導きだした答えの正解。
それは誰には分かりません。
なのに自分は間違えるのを恐れて慎重になりすぎて、行動を起こしませんでした。


チームとしてのゴール、成し遂げたい目標があるならそれにふさわしい努力をまずは自分がしようと「覚悟」を決めました。


「逃げるな、闘え
 迷うな、 進め
 出来ると、信じろ」

次の日の練習中に、練習で感じたことや変えるべきところを積極的に伝えました。自分の気持ちを込めて伝えました。


気持ちも高ぶっていたのではっきりは覚えていませんが練習が終わってからでは今日という練習が無駄になってしまう。
そう思ったからセッション間で伝えることにしました。

「今の自分達の練習に対する姿勢や意識じゃ勝てない。
 なでしこリーグ1部はそんなに甘くない。
 このままじゃ絶対勝てない。
 去年の悔しさをみんなはもう忘れたのか?
 自分達ならもっと出来る。
 もっとプレスも厳しくいくし、
 切り替えももっと早くしよう。
 みんなでもっとやっていこう。」

確かこの様なことを伝えたと思います。
すると、次のメニューのゲームでは見違えるほど変わりました。

今日に満足せずにさらに上を目指そうと声をかけ続ける。
ステップアップする歩みを自分で止めないこと。
この繰り返しでした。


でも現実はそんな簡単ではありません。


チームが上手くいっている時は誰でもチームをまとめて引っ張っていけると正直、思います。
しかしチームが難局に立たされて、本当にどうしたらいいのか分からない状況の時にキャプテンやリーダーの真価が問われると思います。
どんな状況でも信念や高い意識を持ち続けられる人。
暗闇でも嵐の中でも、前に進む選択をでき信念貫き最善を尽くし、引っ張れる人が本当のリーダーなのではないかなと思うようになりました。


なぜそう思ったのかというと、
チームが上手くいっていない時は、
疑いの心が出てくるからです。

自分の指示する方法やそもそも方向性、そして言動が良くないからチームがうまくいってないのではないのか?自分の考えは間違っているのではないか?結局何が正しいのか?
自信がなくなります。


大海原に航海している船があるとします。
船には大勢の仲間がいます。
嵐がきて船は危険な状態です。
この状況をどう切り抜けたらいいのか、その場に止まるのか、風や雲の動きをみて前に進むのか。
正解は誰にもわかりません。
でも船長はその場の状況をみて判断し、そして決断しなければなりません。


今の自分の立場でも、同じことが言えるのではないのかなと、一年間やってみて思いました。
もちろん、1人で全て行う訳ではありません。先輩や同期にそして、監督に相談もします。


しかし、最後の決断は
自分自身のハートでするべきだと思います。
信念が必要です。
そして、信頼が必要です。


自分がそんなリーダーになれたのかはわかりません。


上手くいかない時、正解か分からない状況になった時、自分が正しいのか、これでいいのか
自身を信じれなくなるなる時がありました。
何度も考えるのをやめたくなりました。逃げたくなりました。

責任から逃げたい。

それでも、やめずに踏ん張れたの
は他ならない仲間の存在があったからです。そして、去年の悔しさがあったからです。


みんなと日本一をとりたい。
去年のインカレやなでしこリーグ、カンカレで負けた借りを返したい。
日体大はこんなもんじゃない。


絶対に“日体大のプライド”を取り戻す。


去年やその前からの積み重ねがあっ
たからこそ今年がある。
それが間違いじゃなかったことを証明したい。
証明できるのは自分達だし、先輩達を見てきた自分しかいない。

「勝利」するまで「証明」するまでは何があっても自分の、そしてチームの歩みを止めちゃだめだ。

そんな思いが、踏ん張って闘い続ける理由となりました。



自分はみんなに強くしてもらいました。
本当に日体大に来て良かった。
みんなと出会えて良かった。
心の底からそう思います。


自分を信じてついてきてくれたチームメイト、特に同期のみんなには感謝します。
置かれた場所でチームのために闘い続けてくれた部員全員に感謝したいです。


そして、いよいよ明日から最後のインカレを迎えようとしています。


泣いても笑っても最後の大会となります。

必ず日体大が日本一を獲ります。


それは、今年だけではありません。
今年も勝つし、来年も勝つ。

その次も。その次の次も。


10年後も20年後も、その先も、
日体大が“強い日体大”であれるように残りの期間で今の自分に出来ることを全てやりきり、次に渡し繋いでいきたいと思います。




日体大女子サッカー部
部員全員へ

いつも言ってるけど、
自分達はエリート集団じゃない。


それぞれが一人はみんなのために、
みんなは一人のために泥臭く闘える集団だ。


勝って本物になろう。


強いと言われてきたのは自分達ではなく、今までの先輩方が残した結果みてだったかもしれない。先輩方のお陰様で「王者 日体大」と言われるようになったかもしれない。

しかし、昔の話だとは言わせない。

証明しよう。


証明できる最初で最後のチャンス。



どんな時も、仲間と自分自身を信じて、熱い情熱をもってチャレンジしよう。




勝って本物になろう。


王者になろう。


みんなは自分の誇り。
最後まで共に。


“想いを揃える”



最後まで読んで頂きありがとうございました。
精一杯頑張りますので、これからも日体大FIELDS横浜、日本体育大学女子サッカー部の応援宜しくお願いします。

#最後にかける想い

●プロフィール
 李 誠雅(り そんあ)
  ・4年
  ・経歴
    東大阪朝鮮中級学校サッカー部
   →セレッソ大阪堺ガールズ
   →日本体育大学

    U-17 DPRK代表


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