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《伝える》3年 李誠雅

高校3年生の秋に日体大に進学して、サッカー部への入部を決断しました。
日体大を選んだ理由は前回のnoteでも書いた通りに夢を叶えるためです。
頭の中が、1にサッカー、2にサッカー、3にサッカー!!!
そんな私が大学に進学し3年間どう過ごしてきたのかを振り返りつつ、ラスト1年どうしたいかを書いていきます!

私は高校生の頃はクラブチームに所属しサッカーをしていました。クラブチームは部活動よりも上下関係がゆるく学年を意識することはあまりありませんでした。
日体大に来て1年目のある日、サッカー部の同期に「横の関係性って本当に大事だよね」と言われました。
自分はてっきり、ディフェンスラインや、中盤の横に並ぶ人達の関係性の事についてを“横の関係性”と言っていると思い込み、「でも、横だけじゃなくない?FWとDFの関係も重要やろ。」とどや顔で答えました。
同期の1人は少し呆れながら「横の関係って同期のことね」と教えてくれました。
私は、驚きました。わざわざ横と言わずに同期の関係って言えばいいのにとも思いました(笑)
そんなことよりも私は同期が自分のことだけではなく、学年の事を考えていた頃に自分は自身の成果やサッカーしか考えていなく、横や縦の関係という言葉も知らず恥ずかしくなりました。


入学したての1年生の頃の私はどうにか試合に絡んで、レギュラーを獲りたいと考えていました。それしか頭にありませんでした。
1年生は自分のことで必死で当たり前だよと先輩に言われたこともありました。
「何も考えずにと言ったら失礼だけど、でも自分のプレーだけに集中できるのは1.2年生の特権だから悪いことでもないよ」と教えてくれました。それでも、「3年生や4年生になってから同期の関係性を築いていくのは遅いよ。そのときにもっと前からやっておけば良かったって後悔するかもね」と言われました。
いずれ自分達がチームを引っ張っていく立場になる。だったら今からたくさんコミュニケーションをとってチームのために動けたら3年生や特に4年生になった時にもっと違うことにもチャレンジ出来るんじゃないかなと思いました。
“チームのために自分が出来ること”を考え出したのはこの時が自分自身のサッカー人生で初めてでした。じゃあ今からたくさんコミュニケーションを取ろうと思いました。まずは自分のことだけに夢中だった練習やそれ以外の場面でチームメイトの様子やどのような人なのかなと考えたり観察するようになりました。
すると、なぜか自分は焦っていました。その人達の良いところももちろん見えました。でもなぜか学年の悪いところが見えました。自分達学年が引っ張る立場になった時、勝てなかったらどうしようという焦りからそうなっていたのかもしれません。ただ時が経ち学年が上がれば責任感が生まれ、横の関係が強くなるのではないと思いました。問題やちょっとでも違うと思った出来事から目を背けぶつかることを恐れて流したら良くないなと思いました。そして自分は学年が強くなるために、良かれと思い自分の気持ちや思ったことを同級生みんなにぶつけました。
それが正解だったか間違いだったかは分かりません。みんなの反感は買いました。気まずくもなりました。


今振り返ってみて1つ言えるのはチームや学年は1人の価値観で成り立っているわけでありません。しかし当時の自分は自分が正しいと思い込み自分の意見をぶつけました。
その人にはその人の良いところがあり、気持ちの表現が分かりやすい人もいれば、凄く熱い気持ちや向上心はあるけど人に比べたら目には見えにくい人もいます。それを当時の私は理解していませんでした。目に見えている部分だけをみて、その人や同期を判断していました。

こういうことに気づけたのは3年生になってからでした。
チームのためにと思って行動をしてきたけれど、チームメイトの本当の姿や心の底にある気持ちや想いに気づくのに3年もかかりました。不器用な自分ですから伝える時も言葉がストレート過ぎたりして、みんなに嫌な思いさせたに違いありません。

先輩が教えてくれた、「3年生や4年生になってからぶつかり合っても遅いかもね」の意味がわかりました。
もし、1年生、2年生、3年生ときに想いを伝えるということから逃げていたら自分は卒業してからみんなの本当の姿や想いを知ることになっていたと思います。
みんなと日体大で同期として出会い、一緒に桜のエンブレムを背負い闘うのに本当の想いや姿を知らず仲間とは呼べないと思います。
もっと良い方法はあったと思いますが、逃げずに思いをぶつけたり、コミュニケーションをとってきて良かったと思います。


自分の意見をぶつけることはとても怖いです。
さっきも言ったように気まずくなったりするかもしれません。
そんな日の夜は寝れないです。(笑)
孤独を感じるかもしれません。
それでも、ぐっすり眠れる日は必ずきます。
心の底からみんなと笑える日がきます。
そういう日を迎えたいから、今は苦くてもいいんじゃないのかなと思います。


自分の意見を聞いて違う時は違うとはっきり言ってくれた同期のみんなを大切にしたいです。
私はラスト1年、後悔しないように1日1日全力で真っ直ぐに生きていきたいです。
チームのために、チームが良くなるために、勝つために、先輩達が築いてきてくれた伝統、プライドを継承するという軸はぶらさず不器用ながらもチームメイト全体や一人一人と向き合い「伝える」、「伝え続ける」という事をしていきます。


そして、どんな時も自分は1人じゃないです。チームメイト全員を信じることを忘れずにこれから新たに入ってくる1年生も含めた日体大女子サッカー部のみんなの“想いを揃え”1歩ずつ歩んでいきます。
そして必ず、日本一を取り返します。


長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
これからも、日体大女子サッカー部、日体大FIELDS横浜の応援宜しくお願い致します。

#2021の私


●プロフィール
   李 誠雅 (り そんあ)
  ・3年
  ・経歴
    東大阪朝鮮中級学校サッカー部
   →セレッソ大阪堺ガールズ
   →日本体育大学

   U-17朝鮮民主主義人民共和国代表

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