200110_患者会_01

ネフローゼ症候群患者交流会レポート

2019年12月21日、ネフローゼ症候群患者会が主催する「患者交流会」が開催されました。

患者会のイベントは今回で7回目となりますが、「遠方に住んでいるから参加が難しい」といった意見や、「入院中(病状が不安定)のため参加できない」「行ってみたいけれど勇気が出ない……」という声も。

そこで今回は、患者交流会の様子を詳しくレポート。

さまざまな理由で参加が叶わなかった方たちに、会の雰囲気が少しでも伝われば幸いです!

集まったのは31名。宮城や愛知からの参加者も

70代の方から20歳の方まで、幅広い年齢の方が参加してくださった今回の交流会。

ネフローゼ歴20年という大先輩から2019年11月に発症したばかりという方まで、罹患歴もさまざまです。

さらに、ネフローゼのお子さんを持つお母様や、恋人がネフローゼだという男性など、家族やパートナーの参加もあり、今まで以上に深い交流の場となりました。

抱えている悩みや疑問を話し合うグループワーク

画像1

交流会前半では、事前アンケートで集まった「ネフローゼに関する悩みや疑問」を、グループごとに話し合うというワークを実践。

課題として挙げられたのは下記の6点です。

・再発の兆候をキャッチする工夫
・周りの人に病気を理解してもらう工夫
・メンタルが落ちた時の工夫
・副作用や離脱症状への工夫
・仕事と病気を両立するための工夫
・日常生活で気をつけていること

気になる課題をグループごとにセレクトし、なぜその課題が気になるのか、どうしたらその課題を軽くできるのかなどを話し合い、最後に結果やまとめをグループごとに発表します。

画像2

このワークで大切なのは、一人ひとりが自分の意見を自由に発言し、みんながその意見に耳を傾けること。

課題に対する答えを出す必要はないため、どのグループも和気あいあいと話し合いを進めていたのが印象的でした。

そんな和やかだった雰囲気も、発表の場になると引きしまった空気に。各グループが話す内容に真剣に聞き入ります。

画像3

「仕事と病気を両立するための工夫」を選んだグループからは、「病気前は立ち仕事だったが、病気になったあとは座ってできる仕事に変えた」というリアルな意見や、「在宅でできる仕事を探してみる」といった提案が。

また、ワーク中には「就職面接の際にネフローゼであることを話すか否か」というデリケートな悩みも挙がったとのこと。

「再発の兆候をキャッチする工夫」について話し合ったグループからは、「自宅でもしっかり尿検査をする」「日頃から自分の体調と向き合い、少しの変化でも見逃さないようにする」といった意見が出されました。

また、グループワークを通して、「通っている病院や主治医によって、治療法やアドバイスにかなりの違いがある」という発見もあったそう。

「周りの人に病気を理解してもらう工夫」に関しては、「わかってくれない人とは無理につき合わない」「(周りの理解に頼るだけでなく)大事な予定の前は身体を休めておくなど、自分で体調をコントロールする努力も大切」など、ポジティブで力強い解決策の提案が。

画像4

ほかにも、「今後のことを考えるとメンタルが落ちてしまう」「ムーンフェイスやニキビ、多毛といった副作用がつらい」など、ネフローゼの患者なら誰もが抱えているであろう悩みについて話し合ったグループも。

普段は言えない悩みや辛さを打ち明けられたり、ほかの人の経験やライフスタイルから学びを得たり。

ネフローゼという病気に関わる者だからこその話ができ、とても充実した時間となりました。

おいしい減塩ランチ&自己紹介タイム

画像5

グループワークの後は、ランチを食べながらの自己紹介タイムに。この日は「ことり食堂」さんによる、とってもおいしいケータリングが用意されていました。

しかもネフローゼに配慮して、減塩メニューになっているそう!

並べられたのは、有機玄米を使用したおにぎり、ことり食堂自慢のジューシーなから揚げ、隠し味のスイートチリが食欲をそそるスクランブルエッグなど全9品。

塩分のかわりにスパイスなどで味付けしているとのことですが、どのメニューも減塩とは思えない味わい深さがあり、あっという間に完食してしまったほど。

おかわりする参加者も続出していました。

笑いも涙も。ドラマチックだった自己紹介

画像6

ランチと並行して行われた自己紹介タイムでは、名前や年齢、ネフローゼ歴といったパーソナル情報から、飲んでいる薬の種類や量といった病気に関する話、仕事や趣味などのプライベートな話、なかにはダンスで自己表現したり、親という立場からの苦悩や葛藤が語られたりと、多くのストーリーが披露されました。

また、ネフローゼの女性とその恋人という若いカップルの自己紹介では、ふたりで支えあいながら生きるピュアで誠実な姿に胸をうたれ、会場中がもらい泣きするという場面も。

どの参加者の話からも、それぞれが抱える不安や苦労がひしひしと伝わってきます。

それでもポジティブに病気と向き合い、毎日を気持ちよくすごそうと努力している様子に、励ましと勇気をもらったような気持ちになりました。

この後歓談タイム(終了予定時間を過ぎても話が止まらないほど大盛り上がり!)を経て、交流会はお開きに。

参加者全員がほぼ初対面でありながらも、すぐに打ち解け、いろいろな話ができたのは、きっと「ネフローゼ」という共通項があったからだろうと思います。

悩みや困難をわかちあえたり、実用的で的確なアドバイスがもらえたりするのも、同じ病気を抱えているからこそ。

ひとりで抱えていた不安や辛さが、ここに来ることで少し和らぐ。そんな交流会となりました。

撮影/大庭伸二 取材・文/イトウウミ

患者会今後の予定など

ネフローゼ症候群患者会では今後も、「オンライン患者会」や「減塩料理教室」など、さまざまな形でのイベントを企画中です。

詳細は、患者会ホームページTwitterで告知いたします。今回参加くださったみなさんにはもちろん、まだお会いしたことのない方たちにも、お会いできる日を楽しみにしています。

また、ネフローゼ症候群患者会オフィシャルnoteでは、患者会のレポートやネフローゼに関係する方(当事者はもちろん、その家族やパートナー、医師や専門家など)へのインタビュー記事を掲載予定です。

「こんな記事が読みたい」「こんな人にインタビューしてほしい」といったご意見・ご要望があれば、ぜひ下記アドレスまでお寄せください。
nephroticsyndrome57@gmail.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?