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JREC-INの募集内容の見極め方(個人の見解)



JREC-INとは

 JRECINは,大学教員になるためのいわゆる募集サイトで,各大学が必要なスペックを提示してすでに勤務している大学教員から大学院に在学している博士課程の人たちあるいは実務家の人も含めて人材を募集するサイトです。
 
 今回のNoteでは,どのように情報を見極めれば良いのかあくまでも個人の見解ですし経営学の視点からとなりますが,メモを残しておきたいと思います。

JREC-INで見るべき3つのポイント

私自身は,JREC-INを使って何回か大学を変わっています。その際に見ている点が大きく3つあります。その3つのを見るべきポイントを紹介したいと思います。ただし,これはあくまでも私の分野である経営学に限った話かもしれないし,個人の主観が入っている意見なので参考に留めておいてくれればと思います。

ポイント1:募集職位の幅

1つ目のポイントは,募集している職位の幅です。例えば,助教や専任講師,准教授までといった内容だと,おそらく若手を求めてるんだろうなあと考えられます。逆に助教から教授というように幅が広い場合,年齢に関係なくいい人がいればということなのだと思います。

また,現在のファカルティの年齢構成も影響しているかもしれません。企業と一緒で特定の年次に固まっていると,定年退官でゴッソリいなくなってしまう可能性があるので,年齢構成を考慮することももしかしたらあるかもしれません。

ポイント2:募集科目の粒感

2つ目のポイントは,募集している科目の粒度です。一般的には,経営戦略論とか経営組織論,組織行動論などが募集単位となっています。しかし,時としてものすごくマニアックな科目を指定している場合があります。上記のような科目名ではなくて,本来であればその科目の中に存在するような小さな領域を科目として指定している場合,誰か目星の人を考えている可能性を疑った方がいいかもしれません。つまり,スペックをものすごく細かく切ることで,たくさんの人が応募してきても募集している科目にドンピシャで該当するのは,Aさんしかいない,というロジックが働くからです。このような場合だと,いくら公募に応募しても資料作成の無駄になります。

ポイント3:模擬講義か研究プレゼンか

3つ目のポイントは,面接に呼ばれた時に行う内容が模擬講義なのか,自分の研究プレゼンなのかという点です。最近では両方を行う大学が増えてきましたが,どちらか一方だけを行うという大学もあります。これはあくまでも私の主観ですが,模擬講義だけを行う大学だと,その大学に入った後授業のコマ数が多かったり学内業務が多かったりとなかなか研究ができない印象があります。反対に研究プレゼンを行う大学では,入った後でも研究指向が強いので,わりと研究に対して時間が取れる仕組みあるいはカリキュラムになっていると思います。

自分は何で貢献をするのか

大学の先生は,よく「研究・教育・事務」の3つの仕事配分の問題であると言われます。しかし,学問分野によっては「政策」も視野に入れる必要があります。政策とは,私の分野で言えば,国の委員会メンバーに入ることで国の労働政策に携わることで一国の在り方に影響を与える役割です。他にも規模は小さくとも企業の顧問やアドバイザーもあるので,より厳密に研究者の役割を捉えるとすると,
「研究・教育・事務」ではなく,
「研究・教育・事務・政策・企業(企業変革・アドバイス)」
となります。

研究で貢献するのであれば,研究について熱心に尋ねる大学を意識した方がよいかもしれませんし,学部生が社会に出ても恥ずかしくない知識や思考力を持つことを手助けするのであれば,教育に力を注ぐ方法もあるでしょう。また,政策は労働経済学や社会保障論など経済学の領域と考えて政策には手を出さずに企業に寄り添うのであれば,企業での研修や講演の割合を高める道もあるでしょう。

自分のキャリアをどのように考えるかということと組み合わせて公募を選択していくと,勝率は上がっていくのではないかと考えます。

繰り返しますが上記は,あくまでも個人の見解でJREC-INを使ってきたユーザーの視点です。

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