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音楽家の頭わるい会話

音楽家のSNSって大体良い事しか書いてないですよね。
特にフリーランサーにとっては自分自身が大事な広告塔なので当たり前っちゃ当たり前なんですけど。
逆に有名オケに所属していたり大学で教鞭取ってて収入が安定している人達は割と好き勝手な発信してますよね。非常に腹が立ちます。

音楽家のSNSといえば、何見ても『勉強になります』『インスパイアされました』って言うタイプとか、「今日は○○でお仕事♡」って言いながら自撮りばっか上げるタイプとか、常に深い自らの音楽観語ってくれちゃうタイプとか、もっとぶっ飛んでポエムをつらつらと投稿するタイプとか色々います。

自分はといえば実際の客層とSNSでフォローしたりされたりしてる層が全く被ってないというラッキーな状況なので実際はこんなにアホな事言い合ってるんだぜという例をいくつか紹介。

・中国が見てる

上司の誤入力を見逃さない部下の鑑

本番の合間に別のリハを入れよう、という相談の際に首席が何故か突然「CNN」という意味不明な単語を入れてきたので「China National Networkにも伝えておくね☆」とすかさず返信。後に「何打とうとしてCNNって出てきたんですか?」と首席に聞くも「自分でも何でか分からないんだよね」と不思議そうな顔をしていた。

・イスラエルから愛を込めて……

首席がイスラエルはガザ地区よりお送りします…

マネージャーの名前「Garry」を打とうとして携帯にオートコレクトされまくる首席の図。落ち着いて打ち直してから送れば良いのに誤送しては「ぎゃあ」と騒ぐので「イスラエルからメール来まくってんね」と返した。

・ミミ、生き残る

オケピは無法地帯

オペラでは打楽器の出番少ない事が多く、下手すると途中でやることが無くなって後はボーッと座っているだけ、なんてことも度々。「ラ・ボエーム」の最終楽章を前に首席がサッとオケピを抜けて帰ってしまった後、ティンパニストがメッセージで「ビール行かない?」と送ったところ(オケピ内で隠れてメッセージしたり新聞読んだりとプロフェッショナル過ぎる集団)、首席が「もう帰っちゃった…」というので「今晩実はミミ(病気で死ぬ主人公)が奇跡的に助かった演出だったんだけど見逃したね」と送ったら何故かこれがヒットしてオケピ内の打楽器奏者全員が吹き出さないように肩を震わせるという大惨事に。しばらく「今日はミミ生き残るかな?」というジョークが流行った。

・アレに唄えば

風に揺られてぶ~らぶら…

住んでいるウェリントンという街はひっきりなしに降る雨ととても強い風で悪名高く、この日も「とっても素敵なウェリントン日和だね!」と皮肉っぽく言おうとしたところ、ウェリントンの愛称の一つである「Welly」を間違えて「Willy(チ○チ○)」と打ってしまい、普段の仕返しとばかりに首席が「良かったね。君のチ○チ○」と返信。
我がセクションでは最後に面白い事を言った者が勝つみたいなよく分からないルールがあるので「負けられるものか!」と頭をフル回転させて出てきたのは「雨に唄えば(Singin' in the rain)」をもじった「雨に揺らせば(Swingin' in the rain)」。何を、とは言いませんが。
この返しのお陰でこの日も大勝利を収め、「こいつ演奏下手っぴなくせに口だけ上手いよな」という評判をより強固なものにしました。

あなたが普段目にしている音楽家も裏ではこういうアホな事ばっかり言ってるかもしれません。どんだけ深そうな事ばっかSNSで発信していても「こいつも同じ人間なんだよな……」くらいに見ておきましょう。