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ゆめのはなし

他人の夢の話ほど、つまらない話題はない。

もちろん、眠っている時に見る夢のこと。

とは思うのだが、昨夜の夢のことを書いておきたい。

私は日本にいて、5歳の長男と夏祭りの縁日を歩いていた。長男は唐揚げが食べたいという。屋台を見つけたが、店番の人は、数が少ないので売れない、と言う。唐揚げはそこに並んでいるのに。でも、よく見ると、それは鶏肉ではなく、サワガニやイイダコのから揚げだった。
それじゃ、自分で作ろうと、スーパーに向かう。
店の中で、私は鶏肉ではなく、かぼちゃを探している。「日本にいるうちに、食べておかないとね……」と言いながら。

目が覚めて、部屋の様子が目に入って、あ、私はメキシコにいる、と気づいた。

以前、子供たちが「日本に帰りたい」と漏らすことがあった。
私は「そうだねぇ」と、はっきりしない返事をしていた。
その時点では、当分の間、帰国する予定はなかった。でも、それを言うとなおさら望郷を募らせるので、とりあえず相槌を打っていた。私自身は日本に行きたい気持ちはまったくなかったので、形だけの「そうだね」だった。

でも、あの夢を思い出すと、自分が今、なぜこんなに遠くにいるのか不思議になる。
日本に帰りたいな。
自分の感情として、そんなことを感じたのは、これがはじめてだ。
あの頃の子供たちも、こんな気持ちだったのだろうか。

その後、コロナウイルス関連の事情で、家族は日本に帰った。またメキシコで一緒に暮らしたいが、まだしばらく先になる。

今は、日本でしたいこと、できるといいね。
食べたいもの、食べられるといいね。

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