泥とオパール

「ひーちゃんは赤とかオレンジだよね!」「みのりは白とか青色って感じ〜」

駅のホームで互いのイメージカラーを伝え合う女子高生がいた。おおむね褒めるニュアンスだったので聞いていて心地よかった。

小学生頃に始まり今に至るまで、友人とイメージカラーの話になると私に対する色は安定しない。白とも黒とも、赤とも青とも緑とも紫ともオレンジとも茶色ともピンクとも言われる。同時期でも人によってばらばら。付き合いの長い友人に至っては「1色って感じしないよね確かに。全部の色出せそう」と言う。そういう悪魔の実ありそう。


レインボー、混ざればドブ色。

八方美人できるほど器用じゃない。
外側から見たらカラフルかもしれない。そのぶん内側はすべての色が混ざっているのだからドブ色かもしれないよ。しかしバクテリアをふんだんに含んだ泥は栄養豊富な命の源、泥は命のスープと言われることを知っていますか。聖書では泥から人が生まれました。「泥濘(ぬかるみ)」を米津玄師があえて「でいねい」と読んだ歌詞が好き。

私はオパールが好きだ。採光によって色の反射が異なる天然石。こういうことならとても素敵だと思う。オパールのような人でありたい。

内側が泥、外側がオパール。

オパール


(おわり)

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