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日記 2024/01/12 長い、夜

2024/01/12(金)

 夢の中、どういう状況だったのか忘れてしまったけれど「勘の良いガキ」のようなポジションになって殺されかけた。ナイフで。その前にぶっ倒れ、結果的に海に流されたらしい。わたしの死後みたいなシーンが一通り流れつつあるところで目が覚めた。夢占いを調べるとどうも不安によるものらしい。確かに、昨日発覚したミスの件についてとても不安に思っている。
 結果的に昨日発覚したミスについてはほとんどなんともなかった。起こったことを修正、次回からこうしましょう、以上。
 しかしその他のトラブルが多発しており、どんどん気持ちが沈んでゆく。トラブルによって仕事もどんどん増えてゆく。今日、仕事終わったら元同期と飯行くからあんまり残業したくないのに……。声のトーンがガクンと落ちる。顔から力が抜け、硬直する。顔と声の表情が失われていくのがわかった。先輩と話す最中その状態に陥ってしまったので、その瞬間を見られ聞かれてしまった。そっと励まされて、食べなよと事務所にあったお菓子を渡してくれた。お年賀のちょっと良いお菓子だったのですごくおいしかった。このひとはわたしが超切羽詰まっていたときにお茶でも飲んで落ち着いてきなよと声をかけてくれたりする。本当にありがたい。けれど、同時にすぐ他人が見てわかるほど感情が表に出ている自分の稚拙さが恥ずかしくなる。生きていると情けなくて恥ずかしいことばっかりだ。
 これでどうして前職では落ち着いていると言われていたのか。常に気を張りすぎなくらい張っており落ち着いて見せることができていたらしい。実は前職の社長に「それだけ場数踏んだらもう慣れてきたんじゃない?」と言われ、怒りが遅れてやって来る自分にしては驚く程の瞬間沸騰っぷりを見せ、むかついた勢いそのままに「いえ!全く!」とキレ気味食い気味で即答してしまったことがある。それだけ常に緊張していた。胃が痛くなるわけだ。対して、今の職場では自分の弱み、というか不安な気持ちをきちんと見せることができているんだなと思う。ちょっと見せ過ぎかもしれないけれど……。先輩が気遣いの人なのもそうなれた理由のひとつだ。先輩は気遣いの人すぎて他人の無神経がたまに赦せなくなるようなので本当に気をつけようと思う。
 結局仕事は僅かな残業で済んだ。元同期の友だちに退勤を伝える。レイトショーを見たいというので喜んで賛成した。合流し、ファミレスでご飯を食べたあと「ウィッシュ(吹)」を観た。自分の願いは尊くて素敵なもの、大切なものって思って良いんだよ、いくつになっても、そしてどんな願いでも諦めたり忘れたりしなくて良いんだよって言ってくれるやさしい映画だなと思った。途中まで笑いながら楽しそうに観ていた友だちがエンドロールになる頃には大号泣していたのでティッシュを差し出した。
 実はこの作品、映画の批評をみるのが好きな人(ただし映画自体は観ない)からそれほど評判が良くないらしいと聞いていた。ついその批評が頭をよぎる。たしかにこういうところが気になる人もいるだろうなという部分はあったが、わたしはこの映画を好きだと思った。観に行かなかったら好きな作品だと気付けない上に、あまり面白くない作品なんだろうなという先入観だけでその映画のことを知ったような気になってしまうところだった。観に行って本当に良かった。
 いつかひとりでレイトショーに行ったときに見かけたふたり組のようにわたしたちもサッと解散。帰宅してなんとか風呂を済ますもまだ今夜を終わらせたくないという思いが募り深夜のコンビニへ繰り出す。蒙古タンメン中本に金の角煮をのせるやつをやりたかったが、金の角煮、売り切れ。みんな深夜に考えることは同じね。と真偽不明なことをひとりごち、蒙古タンメン単体とその他お菓子、ビール等を買った。もう一本映画でも観るつもりだった。「ちょっと思い出しただけ」をもう一度観たい気分だったのにAmazonプライムを起動したらパッと出てきたアニメに目が留まる。そのまま何話か見ていたら眠くなってきた。歯を磨き就寝。何時だったんだろう、2時半くらいか。
 いつか「長い夜」というタイトルでnoteを描いた。今夜も紛れもなく「長い夜」だが、あのときとは意味合いも、時間もまったく違う。徐々に徐々に、あのときの呪いは薄まり、受けた傷は息を潜め、わたしは元気になっている。そのことに気づく度に嬉しさと、生きていて、間違っても死のうとしなくて良かったという気持ちで胸がいっぱいになる。

 それと、わたしはそろそろ、夜型人間ということを認めるべきだろうか。残念ながら、朝活へは羨望のまなざしを向けることしかできないのかもしれない……。


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