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【忙しい人のための】ビジネス書のポイントまとめ[第一弾]「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた(永井孝尚)」(2/10)

こんにちは、なおです。
ビジネス書の内容が一目でわかるよう、ポイントを箇条書きでまとめています。前回に引き続き「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた(永井孝尚)」の第二弾です。

6 ゲーム理論で勝つ戦略(A.ブランデンバーガー)

○価値を作るときは、相手と協調。価値を分けるときは、相手と競争


○ビジネス関係者(プレイヤー)は、顧客、供給者、補完的生産者、競争相手、自社の5種類。同じプレイヤーでも複数の相関がある(JALとANAは、顧客と航空施設(供給者)を争う競争相手だが、ボーイング(供給者)に開発を依頼する際は補完的生産者となり、コストを抑える)


○ゲームは以下の5つの要素で構成される
①プレイヤー
自分の参加でゲームがどう変わるか考えることが重要。
例)コーラの材料はモンサントが特許を保有し、独占的にコカ・コーラやペプシコに販売していたが、特許が切れると、HSCが低価格で参入してきた。コカ・コーラ、ペプシコはHSCの参入を歓迎したが、モンサントから買い続けた。HSCの参入により、モンサントの交渉力が弱まったため、コカ・コーラとペプシコは実績のあるモンサントから安い価格で購入できるようになった。

②付加価値
付加価値はそのゲームで誰が力を持つか決定する。付加価値を決めるのは希少性。
例)工場を経営するヨシダさんは、A社の4つの部署に部品を供給しており、部品は部署ごとに微妙に違う仕様になっていた。これをムダだと考えたヨシダさんは、価格をさげ、部品を統一することをA社に提案し、受け入れられた。すると、大手のライバル会社が、A社に同じ部品をさらに低価格で提案するようになった。A社の特注品に対応できたのはヨシダさんだけであったが、統一したことで自ら付加価値(=希少性)を下げてしまった。

③ルール
ルールはゲームの進め方を決める。しかし、ルールは変えられる。
例)小売業では値引き販売が当たり前だったが、次のセールまで買い控える客もいる。ニトリなどは、「毎日最安値保証」で値引きをやめ、「安く売るには値引き販売」という業界のルールを変えた

④戦術
ゲームは人の認識に影響される。戦術でその認識を変えられる。
例)マイクロソフトは、当初不人気であったパワーポイントを価格を下げずに販売するため、価格を据え置きにし、ワードとエクセルをセットにしたマイクロソフトオフィスを販売した。人々は「高いソフトがタダで使える」と使い始め、定番ソフトとなった。

⑤範囲
ゲームは、他のゲームと繋げて境界線を変えられる。
例)ホテル宿泊客にレストラン割引券を渡すことで、宿泊と飲食のゲームを繋げている

7 コア・コンピタンス経営(ゲイリー・ハメル/C.K.プラハラード)

○「自社の強み(コア・コンピタンス)」は未来を開く原動力

○コア・コンピタンスは「コア技術」と「顧客の利益」の組合せ

○かつて、ソニーのコア技術は「小型化」であり、顧客に「携帯性」という価値を提供した。しかし、「小型化」も「携帯性」も今やアップルやサムスンなどが実現している。コア・コンピタンスは、磨き上げるだけでなく、常に新たなものを育てていく必要がある

○コア・コンピタンスの見直しを契機に成長する場合もある。ユニ・チャームは、業績が低迷した際、コア・コンピタンスを「不織布吸収体の加工・成形技術により、清潔・衛生・新鮮な快適環境を提供する」と定め、これを活かせる5つの事業に集中し、他の事業は売却・撤退することで、グローバル企業へ成長した。

8 企業戦略論(ジェイ・B・バーニー)

○企業の業績は、業界の競争の激しさでなく、企業の経営資源で決まる


○企業の強みを考えるためのものとして、以下の4つの問いに答えるフレームワークがある。

①価値があるか?
→価値があることが、出発点。価値がないものは弱みである

②希少性があるか?
→価値があっても、希少性がなければ固有の強みにならない

③真似が難しいか?
→固有の強みも、真似が容易ければすぐに真似されてしまう

④組織的な仕組みがあるか?
→組織的な仕組みがあることで、固有の強みが持続可能なものとなる

9 ダイナミック・ケイパビリティ戦略(デビッド・J・ティース)

○ダイナミック・ケイパビリティとは、環境変化を察知し、経営資源を認識して組み直す能力。次の3つの能力から成る。

①察知: 環境変化を察知する能力

②捕捉: 変化をチャンスにするため、既存の経営資源を組合せ再利用する能力

③変革: 強みの新しい組合せにより、新たな競争優位性を確立する能力

10 知識創造企業(野中郁次郎/竹内弘高)

○知識には、言葉にできる知識「形式知」と言葉にできない知識「暗黙知」(例:泳ぐ方法)がある

○組織の中では、個人間で形式知と暗黙知を交換し合い、知識が作られる。この仕組みをモデル化したものが「SECIモデル」であり、以下の4フェーズから構成される(ホンダの「シティ」開発(「冒険しよう」のコンセプトでの新しい車開発)を事例として併記)

①共同化(暗黙知→暗黙知)
個人同士で経験を共有

②表出化(暗黙知→形式知)
暗黙知を明確なコンセプトに表現。ホンダでは、「冒険しよう」のコンセプトを受け、リーダーがメンバーに、「車が生命体ならどう進化するか?」問いかけた。議論の結果、「車は球体に進化する。全長が短く背が高い車は、軽くて値段が安く、居住性と頑丈さも優れるはず」との考えから、「トールボーイ」等のコンセプトが生まれた

③連結化(形式知→形式知)
コンセプトから知識体系を作る。ホンダは「トールボーイ」から「ホンダ・シティ」を作り上げた。

④内面化(形式知→暗黙知)
個々が学んだ暗黙知を組織に広げる。シティ開発メンバーは、学んだ経験を様々なプロジェクトで活かした。

○知識を生み出すには、中間管理職の役割が重要。ホンダの事例では、中間管理職(リーダー)が、「冒険しよう」とのトップ方針を受けて現場と対話を繰り返し、「トールボーイ」のコンセプトを生み出した。リーダーは「理想と現実の大きなギャップのおかげで成功した」と述べている。

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