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【忙しい人のための】ビジネス書のポイントまとめ[第一弾]「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた(永井孝尚)」(3/10)

こんにちは、なおです。
ビジネス書の内容が一目でわかるよう、ポイントを箇条書きでまとめています。前回に引き続き「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた(永井孝尚)」の第三弾です。

11 顧客ロイヤルティのマネジメント(フレデリック・F・ライクヘルド)

○新規顧客の開拓よりも、今の顧客が重要。顧客維持率(1年後も取引がある顧客の割合)が95%の場合、5年後には77%の顧客が残るが、顧客維持率50%の場合は、5年後に残る顧客は3%となる。


○今の顧客を大事にすることで、「顧客ロイヤルティ」(=顧客との絆)が強くなり、顧客からもたらされる価値「顧客生涯価値」が増加する。「顧客生涯価値」の内訳は以下のとおり(後述のもの程、「顧客ロイヤルティ」が高い。事例としてディズニーを例示)

①顧客獲得コスト
ディズニーのCMなどの宣伝コスト

②基準利益
入場チケットによる利益

③購入増加による利益
長時間の滞在による、グッズや飲食物の売上

④営業コスト削減による利益
リピーターになると、ディズニーのどこに何があるか熟知しており、スタッフの手間(=コスト)が減り、結果、利益が増加

⑤クチコミ紹介による利益
顧客が他人に勧めることによる利益の増加

⑥価格プレミアムによる利益
少々高くても価格を気にしなくなる

12 ネット・プロモーター経営(フレデリック・F・ライクヘルド)

○「顧客ロイヤルティ」を把握する方法である「ネットプロモータースコア」の紹介

○まず次の2点を質問

①当社を知人に進める可能性は0〜10でどれくらいか

②その理由

○①の質問の回答に応じて、次のように分類

①推奨者(10〜9): 群を抜いて再購入率が高く、他人に商品を勧める

②中立者(8〜7): それなりに満足しているが、他人には勧めない

③批判者(6以下): 再購入率はとても低く、否定的なクチコミの源

その上で、NPSのスコアを以下の式から計算
NPS = [推奨者の割合]ー[批判者の割合]

○NPSを有効に活用するためには、

・設問数を絞るなどにより、質問の回答率を高い水準とすること

・継続的に実施し、改善を継続すること
が重要

13 キャズム Ver.2(ジェフリー・ムーア)

○顧客は、

①イノベーター(革新者)2.5%

②アーリー・アドプター(先駆者)13.5%

③アーリー・マジョリティ(現実主義者)34%

④レイト・マジョリティ(追従者)34%

⑤ラガード(頑固者)16%

のグループに分類され、①→⑥順に新製品を早く購入する

○しかし、各グループの間には隙間があり、スムーズに新製品が浸透するわけではない

○最も大きな隙間は、②アーリー・アドプターと③アーリー・マジョリティの間にあり、この隙間を「キャズム」(大きな谷)と呼ぶ。

○キャズムがあるのは、以下のとおり、アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティの考え方が正反対であるため(電気自動車の導入を例とする)

・アーリー・アドプター: 「誰も乗っていないから、差をつけられる」と考え、自宅に充電設備を整えてでも購入する

・アーリー・マジョリティ: 「危険かもしれない。普通のガソリンスタンドなどで充電できないのは不便」と考える

○キャズムを越えるために必要なことは2つ

○1つ目は、ホールプロダクト(顧客が必要とする全て)を用意すること(電気自動車の例でいえば、自宅やガソリンスタンドなどで充電できること、街の整備工場で整備できることなど)

○2つ目は、他のアーリー・マジョリティの事例。しかし、アーリー・マジョリティはリスクを嫌うため、最初のユーザーになりたがらない。そこで、顧客を絞り込み、アーリー・マジョリティにアプローチすることが必要。参考となるのは、以下の「ドキュメンタム」の事例。

○企業向け文書管理システムを扱うドキュメンタムは、アーリー・マジョリティの取り込みの為、顧客の業務分野を75→2分野へ絞り込んだ。

○その一つが、製薬会社の新薬認可申請業務。新薬認可申請業務は申請書類だけで25〜30万ページの資料を必要とし、膨大な費用や時間が必要であったため、「コストはかかってもよいので、業務を迅速にしたい」と考えられていた。そこでドキュメンタムはこの申請業務の専用システムを作り大きな成果を挙げ、キャズムを越えた。

14 イノベーションのジレンマ(クレイトン・クリステンセン)

○2008年に日本で販売開始されたiPhoneは、オマケ同然のカメラしか備えていなかったが、コンパクトデジカメをカメラ市場から追い出した。

○この状況を解き明かすヒントが、「持続的技術」と「破壊的技術」という考え方にある

○持続的技術は、性能を高める技術。破壊的技術は性能は下がるが、シンプル・小型化などを実現し、新しい顧客に使われる技術

○iPhoneや他のスマホのカメラは、カメラ性能は低いが、常に持ち歩きメールも送れる、破壊的技術である

○一方、技術は常に進化し、スマホのカメラも性能を高めていった。スマホのカメラが十分な性能を持つと、利便性で劣るコンパクトデジカメが市場から追い出された

○かつてはコンパクトデジカメもイノベーターとしてフィルムカメラを市場から追い出したが、スマホカメラという新たなイノベーターによって市場から追い出されてしまった。これが「イノベーションのジレンマ」

○では、リーダー企業が破壊的技術を成功させるには?

○IT業界の覇者だったIBMがパソコン市場に進出した際の方法が以下のとおり

①プロジェクトは小さな組織に任せる
パソコンプロジェクトチームは、少数の社内ベンチャー組織として立ち上がった

②失敗するなら早めにし、小さな犠牲に留める
チームは、「手段不問。期間は1年」と自由裁量と期限が与えられた

③既存の価値観、仕組みは用いない
チームリーダーは従来のIBMの価値観(自社開発)にとらわれなかった、社内交渉すると期限に間に合わないため、チップはインテル、OSはマイクロソフトから調達し、短期間で開発を進めた

④全く新しい市場を開拓する
IBMが未経験であった小売業者経由で販売し、成功した

○なお、本書の「破壊的」とは、英語では「disruptive」であり、本来は「攪乱する」の意。何でも破壊せよ、という意味ではなく、「市場の秩序を乱し、新たな顧客を生む」ことに、イノベーションの種がある

15 イノベーションへの解(クレイトン・クリステンセン)

○破壊的技術をビジネスにするには、顧客の「片付けられない用事(やりたいができないこと)」を見つけること。成長の種は、「用事」があるが解決策がないため何も買わない「無消費者」にある。(以下では、米国で携帯型トランジスタラジオを販売したソニーの例を交え解説)

①顧客は「用事」を片付けたいが、スキルやお金がなく、解決できずにいる
→米国の若者はロックを聞く方法がなかった

②この顧客は、他に方法が無いので性能が低い商品も購入する
→ロックを聴きたい若者は、音質が悪いトランジスタラジオを喜んで購入した

③新しい顧客は、破壊的技術を購入し、それまでと違う場で利用する
→若者たちは、野外でラジオを聴くという新しいスタイルを生んだ

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