プロマインクラフターはなにをやっているの?
文=Typographical King(S高1期生・ネットコース)
今回の記事は、6月下旬に開催されたトークセッション「プロマインクラフターに聞く〜ゲームをする仕事って?~」のアーカイブを視聴し、レポートしたものです。
当日は、ゲストにプロマインクラフター「タツナミシュウイチ」先生を迎え、2時間のトークセッションが行われました。
プロマインクラフター
タツナミシュウイチ先生
小学校5年生ごろ、夏休みの自由研究にて、提出した貯金箱が特賞を受賞するなど、幼少期からものづくりが好き。
YouTubeにてご自身のアカウント「タツナミチャンネル - Tatsunami CHANNEL - タツナミシュウイチと愉快な家族たち」で、動画や生配信を行っている。
~テレビ出演歴~
マツコの知らない世界(TBS)、情熱大陸(毎日放送)、有吉ぃぃeeeee!(テレビ東京)など多数
▼タツナミチャンネル - Tatsunami CHANNEL - タツナミシュウイチと愉快な家族たち
▼ホームページ
マインクラフトとは?
マインクラフトとは、マイクロソフトの子会社が開発しているゲームで、パソコン、スマートフォン、Nintendo Switchといった家庭用ゲーム機などの機種に対応している、世界一売れているゲームだ。
マインクラフトの世界は、立方体のブロックでできており、ブロックを壊し素材を集め、お城や、家などを自由に建築することができる。
「エンダードラゴン」というボスを倒し、クレジットを表示させればストーリーとしては、終わりだ。
しかし、「エンダードラゴン」を倒さずにずっと遊ぶことも可能だ。
自分が思うままに動き回って探検したり、ゾンビなどの敵から自分を守ったりするなど自由度が高いゲームである。
マインクラフトには、JAVA版、統合版、Minecraft: Education Editionの三つのバージョンが存在し、それぞれのバージョンにメリット・デメリットがある。そのため、バージョンによって学べることも変わってくるゲームである。
ゲームをするだけが、プロの仕事ではない!
タツナミ先生は、マインクラフトのワールドを作るだけでなく、”マインクラフトをいかに広めていくか”ということもやっています。そのすべてを総合してプロマインクラフターの仕事だとタツナミ先生はおっしゃっていました。
今回は、プロのマインクラフターの仕事を、【大学での研究】【イベントへの出席】【子どもたちではなく、大人へのアドバイス】の3つに分けて紹介します!
【大学での研究】
タツナミ先生は、明治大学と慶應義塾大学の二か所の研究室に所属されているそうです。
明治大学では、特別支援学校などでのマインクラフトの活用法を研究し、慶應義塾大学では、デジタルのものづくりというテーマで研究をしているそうです。
マインクラフトが、どのように学校での学びにつながるかを研究をするのも、仕事の一環だそうです。
プロマインクラフターが大学の研究室に所属しているなんて……聞いた時にはびっくりしました!
【イベントへの出席】
タツナミ先生は、今回のトークセッションのようなイベントで、人々にお話することも大事なお仕事らしいです。
マインクラフトはただただ遊ぶだけでは、何にもなりません。遊びの中で何を作っていくか、何をするかという、創造性が大事なのだということを、タツナミ先生は伝えたいとのことです。
プロマインクラフターはただマインクラフトをプレイするだけではないことがわかりますね!
【子どもたちではなく、大人へのアドバイス】
マインクラフトばっかりやっているお子さんを心配されているお父さん、お母さんに対して、「マインクラフトの中で、もし何かものを作っているのであれば、見守ってください」と伝えることもタツナミ先生はしています。
また、お父さんお母さんに、お子さんがマインクラフトで建築をしていたら建築の本を与えてほしいらしいです。なぜなら、マインクラフトを通じて吸収したものが将来に役立つかもしれないからだそうです。
子どもだけがマインクラフトをプレイするのではなく、お父さんお母さんも間接的に子どもとマインクラフトをプレイできる気がしますね!!
いつからプロマインクラフターと名乗るようになったのか?
【プロマインクラフターと名乗るまで道のり】と【審査クリアまでの壁】の二つに分けて紹介します。
【プロマインクラフターと名乗るまで道のり】
2017年に統合版マインクラフトにマーケットプレイスというシステムが実装されました。
マーケットプレイスは、いわゆるマインクラフトのプラットフォーム上で、ユーザーが作ったワールドや、スキンパック、テクスチャというコンテンツを販売できる場所です。
当時は、アメリカの会社数社単位でしか、マーケットプレイスに出品していませんでした。
しかし今では全世界で参加しているユーザーや企業の出品が増えてきました。
2017年に、タツナミ先生も何かワールドを出品したいと思い、ワールドを作り、出品をしたそうです。
出品をしたら、世界中の人たちが買ってくれますから、売り上げが出ます。
報酬をもらうと、税金を払い、源泉徴収の手続きをしなきゃいけないので、タツナミ先生は、「これはプロの仕事だな」と思い、プロのマインクラフターと名乗るようになったそうです!
【審査クリアまでの壁】
タツナミ先生が、審査をクリアするまでぶち当たった【英語の壁】【クオリティの壁】この二つを、ご紹介します!
①英語の壁
一つ目の壁は、英語だったそうです!
物を作るときのマニュアルや申し込むときの書類は、日本のマイクロソフトジャパンではなく、シアトルにあるマイクロソフト本社に提出するため、すべて英語でした。
当然本社から来る、フィードバックも全部英語でした。
翻訳ソフトや、ネイティブの人たちの力を借りて、なんとか言葉の壁は攻略できたそうです!
私は、英語が苦手で、提出する書類が英語だとわかった瞬間出品を諦めてしまいますが、マインクラフトが好きなタツナミ先生だからこそできたことだと思います!
②クオリティの壁
次の壁は、マーケットプレイスの商品棚に載るに値するクオリティかの審査だったそうです。
審査ではワールドの中身である、規模やどういう構造なのかなどが審査されます。
また、ワールドに建物を作って遊ぶだけでは、ゲーム的要素がなく審査で落ちてしまいます。
審査の途中で修正点が出ると、「商品化できません」というフィードバックが大量に返ってくるそうです。フィードバックが返ってきては、そこを修正し提出、また審査で修正点があると修正し提出を何度も繰り返したそうです。
審査だけで2.3か月かかり、ようやく2018年1月にアジア圏ではじめて審査に合格したそうです!
マーケットプレイスは全世界から出品されていることは知っていたのですが、アジア圏で初めて出品した方がタツナミ先生だとは思いませんでした!!
タツナミ先生の作品
タツナミ先生の作品をひとつ紹介します!!
タツナミ先生が個人で作成し、現在はプログラミング教材として使われている「アンコールワット実寸再現ワールド」
YouTubeの動画を拝見したのですが、写真だけでは伝わらない迫力や、細かい部分まで再現してあり私もタツナミ先生が作られた、「アンコールワット」でプログラミングの勉強をしたいと思いました!
ほかにもYouTubeチャンネルには素晴らしい建築紹介動画がありますので、ぜひご覧ください。
終わりに
いかがだったでしょうか?
プロマインクラフターについて知ることはできましたか?
私は、もともとマインクラフトをプレイしたことがありますが、今回いろいろ知ることができたと同時に、自分も何かマインクラフトでワールドを作ったり、建築物を調べて作ってみたいと感じました!!
タツナミシュウイチ先生には、トークセッションだけではなく、ぜひ直接お会いしてお話をうかがい、記事にさせていただけたらいいなと思います。
N/S高新聞では、イベントレポートからインタビュー記事など様々な記事を投稿していますので、お時間ありましたらほかの記事もご覧ください!
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