【連載小説】人工幼なじみ Ver.1.0
文=江畑終太郎(N高6期生・ネットコース)
『僕』は小学生。
『君』は人工幼なじみ。
小学3年生になっても友達がひとりもできなかった僕に、お父さんが買ってきてくれた初めての友達。それが君。人工幼なじみの君。
背中についた電源ボタンを押すと、ブーンと音がして、カシャリとまぶたが開いた。驚く僕の顔を、君は両目のカメラで覗き込むと、
「コンニチワ ヨロシクネ」
ノイズ混じりの合成音声で、ぎこちなくそう言った。
それからは君と一緒に学校に通った。僕よりも少し背の高い君は、