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中小企業でも昇格試験制度は必要

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に業務をしてきて気が付いたことを記します。

企業にはそれなりの組織があり役職者がいます。
中小企業では、この役職者が役職に見合ったマネジメントスキルが無いことがあるのです。役職者名が名ばかりで、マネジメントスキルが伴わない。
これは、人事として昇格試験制度の有無が影響していると言えます。
企業における人事制度は、組織全体の成長や従業員のモチベーション向上に直結する重要な要素で、その中でも、昇格試験は従業員の能力や成果を適切に評価し、適任者を昇進させるための手段として必ず必要なものなのです。ところが、中小企業では行われていないことがあるのです。試験制度を実施している中小企業もあるのかもしれませんが、これまで私は見たことはありません。

昇格試験制度が無いことでスキルの棚卸ができていないまま役職者に昇格させてしまうことで問題が起こるのです。
それは必要な知識を持っていない人々が役職に就くことで、業務の遂行や組織の成果に大きく影響を与えることになるのです。

昇格試験制度があればスキルの棚卸を行うことになり、本人に自覚さることができるのです。また、企業側にも、何を教育すれば良いのかも判明するのです。人材育成としても組織運営としても良いことになるのです。

【事例】
課長や係長などの役職者ともなれば、報告書作成、業務改善計画書、実施計画作成など文章作成は当然の業務として行うことになります。が、これができない役職者がいるのです。

①文章作成ができない、報告書が作成できない
(例)
弊社生産管理部において、棚卸しの為、EDI情報で部品引き当て状況を確認した際、使用点数が異なっていることから、組立図と部品表及び弊社の部品表を照合した結果、部品表からFGU34が削除されており、組立図と相違していることが判明致しました。

文章作成能力の不足
 昇格試験制度のない環境では、従業員の文章作成能力が向上する機会が減ります。文章作成能力が不足した組織環境では、組織内のコミュニケーションが不明瞭になり、効果的なビジネス文書の作成が困難となる。

②製造部門課長でありながら分析と改善ができない
製造業では必須なスキルとして稼働率、可動率、段取り時間、トラブル停止、作業能率管理など、これら生産状況の実態は集計できるが、そこから分析、改善を導きだすことができない。

数字の捉え方の不備
製造部門の管理職などで数字を的確に捉える能力が評価されず、組織の生産効率や品質管理に悪影響を与えることになる。

【弊害】
昇格試験制度が無い企業で起こる不適切な人事

役職への昇進が個人の能力や成果に基づかず、主観的な判断や人間関係の影響に左右される。公平性が担保されないことで組織のパフォーマンスや効率に悪影響を及ぼすことになる。

モチベーションの低下
昇格や昇進の明確な機会が提供されない場合、従業員のモチベーションや働きがいに悪影響を与えることになる。昇格試験制度は、従業員に成長の機会を提供し、自己成長を促進する重要な要素になります。

したがって、昇格試験制度は役職業務の適格性を評価し、組織内での公平な昇進を確保するために重要な施策になるのです。

まとめ
昇格試験の導入は、企業にとって多くのメリットをもたらすものです。
昇格試験は組織の成長を促進し、従業員の能力向上やモチベーションの向上に寄与するのです。適切に設計・実施された昇格試験は、組織と従業員の双方にとってWin-Winの状況をもたらすことにもなります。
昇格試験で、上司が見えていなかった優れた人材を発掘し、組織の中核となるリーダーや管理職を育成することもできます。

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