品質における慢性不良
これまで大企業から中小企業のいろいろな組織に所属したり、いろいろな人達と仕事してきました。最近読んだ本で気づきを得たので品質にまつわることを記したいと思います。
ある分野の製造に携わり、その製造業は30年以上も同じ製造プロセスで製造している。当時からの変化と言えば、部品サイズが小さくなったこと、部品パッケージの種類増えたこと。
生産設備面では、装置製造能力が向上したこと、検査装置が2Dから3Dになったこと、等、技術的に進歩したこと。
品質面における不良現象と解析、原因究明と対策手法なども同時に進歩してきたこと。
但し、設備、条件、部品、材料などバラツキの問題などの組合せで不良発生するのは、今だに0には抑えられていない。
これまで品質向上させるために品質保証部門、品質管理部門と組織的に要員配置を行って製造部門と継続的に活動してきている。
では、流出不良が無くなったかと言えば、0には成っていない。
不良現象の名前が、あいも変わらず同じ呼称が聞こえてくる。
例えば、新製品が販売タイミングに合わせて生産開始される。
量産がはじまり、継続生産していく中でまたまた、同じ不良現象の名前が発生してくる。
これって、生産ラインもしくは生産工程としてみれば慢性不良に該当する。
確かに新製品として見れば、初めての不良かもしれないが、不良の再発に該当します。それに、長いこと製造プロセスが変わらず製造している中でこれまで見たことない不良発生は皆無です。
また、不良にそれぞれの名詞がついていることからも慢性不良の該当になりますね。
ただ、この事を指摘してくる顧客は今の所ありませんが、、。
では、これら不良の対策はできないのか?
これまで顧客に対して不良対策の報告をしてきているなかで再発防止を行ってきているので方法と手段は確立している。
また、長年の不良発生解析と検査技術の合わせ技で流出防止はできます。
流出0にすることも、コストを無視すれば可能です。
まとめ
新製品に発生する不良は、どうも再発という概念は持たないようで過去の経験値をリセットするかのように忘れてしまうようです。ここでの品質に対する取組の甘さが出てきます。
『新製品』というマジックキーワードで、不良発生しても新たに取り組む姿勢で良いのか?と思います。
新製品とはいっても形や部品が変わる程度で製造プロセスが変わるものではありません。したがって新製品でも過去の事例を文書化して工程管理に落し込み、材料、条件、設備、手順など定義して再現性を確立しおけば限りなく再発は防止出来ることになります。