登録販売者って?『市販薬の専門家』
こんにちは、N/S高等学校医療ヘルスケア同好会です。
7回目になる今回の医療情報記事は、同好会運営新入りのニートの塩辛がお送りいたします。
記事は私含め5人の運営メンバーで順に投稿しています。他の記事もぜひ読んでみてくださいね!
今回は身近なのに聞き馴染みがない『登録販売者』についての記事になります。
皆さんの健康に役立つ内容となっているはずですので、ぜひ最後までご覧ください!
(なお、この記事は病気の治癒を保証するものではありません)
登録販売者、知名度低すぎ問題
そもそもみなさま、登録販売者ってご存知でしょうか。
『よくわからないけど、販売ってことは店長みたいな人が取るような資格なのかな?』
なんて思われるかたも多いでしょう。実際に私もそう思っていましたし、父に「登録販売者を取ろうか迷ってるんだよね」と言ったところ、「何それ?」と返ってきました。かなしい。
しかし登録販売者はとても重要な役割を持っており、私たちの健康を支えてくれる存在なのです!
登録販売者って、何するん?
登録販売者とは、ひとことで言い表すと『一般用医薬品のプロフェッショナル』です。
資格の名前にもなっている『一般用医薬品の販売』はもちろんのこと、一般用医薬品の相談なども行っています。
そういった資格ですので、主にドラッグストアにいらっしゃいます。
(なお、登録販売者がカバーしているのは比較的リスクの低い『第2類医薬品』『第3類医薬品』のみですので、第1類医薬品の使用を検討されている・服用されている場合や現在医療機関にて治療を受けている場合には薬剤師もしくはかかりつけ医へご相談ください)
それだけ?
とお思いのかた、いらっしゃると思います。
『ドラッグストアで普通に置いてある薬なんて、別に相談するまでもないよ』
と思う人もいらっしゃるかもしれません。でも、それが落とし穴かもしれませんよ?
登録販売者のココがスゴイ!
手軽に薬を買える昨今、忘れがちではありますが、医薬品は人体にとって異物であり、作用のメカニズムなどのすべては解明されていません。
副作用がないように思う漢方薬ですら、副作用が発生することがあります。
また、一時的な症状の緩和にすぎない薬を長期服用して、逆に不健康になってしまうケースも存在します。
これらは専門家に相談することでリスクを低減することができますので、自分自身の健康を守るためにも、レジへ持っていく前に一度相談するクセをつけましょう。
登録販売者はドラッグストアに必ずひとりはいるため、気軽に相談することができますよ。
以下、代表的な『相談して!』サインをまとめてみました。
こんなときは登録販売者に相談して!
何かのアレルギーがあるかた
医薬品の中には鶏卵や牛乳などを原材料に作られているものが存在します。薬でアレルギーを起こした人はもちろんのこと、そうじゃない人も相談しましょう。
また、内服薬だけではなく、外用薬でもアレルギーは発生します。ぬり薬だからいいか、ということはありませんよ!
(補足:内服薬は口から飲み、胃や腸で吸収される薬。外用薬は内服薬でも注射薬でもない、人体に直接用いる薬。目薬や点鼻薬、ぬり薬などが代表的)
15歳未満の小児
医薬品使用上の小児は7歳以上〜15歳未満とされています。
14歳となるとひとりで薬を買うこともあるでしょうが、成人と同じように薬を使うのはリスクがあります。
医薬品によっては小児は禁忌(絶対に使用してはいけない)のものもありますので、必ず相談してください。
65歳以上の高齢者
医薬品使用上の高齢者は65歳以上とされています。
内臓の機能が低下することにより医薬品の作用が強く現れやすく、副作用のリスクも高いです。
また副作用にて口渇(口中の乾燥)が生じた場合、誤嚥性肺炎を誘発しやすくなります。購入する前にご相談ください。
医療機関で治療を受けている(他に薬を飲んでいる)/ 過去に治療を受けていたかた
現在治療中のかたはもちろんですが、過去に治療を受けたかたも注意が必要なことがあります。
医薬品をお買い求めの際はお薬手帳を持参し、登録販売者もしくは薬剤師へご相談ください。
アルコールやカフェイン、ビタミンA、生薬成分を含むなど注意が必要な食品を摂取しているかた
ほぼ全員が該当するのではないでしょうか。以下、どうして注意が必要なのか簡潔にまとめてみました。
アルコール:医薬品の吸収や肝臓での代謝を促進します。その結果、作用の強さが変わってしまいます。
カフェイン:医薬品にカフェインが含まれている場合、過剰摂取となることがあります。エナジードリンク・コーヒー・お茶・清涼飲料水(コーラなど)を飲む人は要注意。
ビタミンA:こちらも医薬品に含まれている場合があり、意図せず過剰摂取を起こしてしまう可能性があります。特にレバーを食べる人は要注意。
生薬成分:漢方など医薬品の効き目や副作用を増強させることがあります。甘草(カンゾウ)など、食品に甘味料として添加されている場合があります。
そのほかも注意が必要な食品があるケースがございますので、とにかく一度ご相談ください。
長期にわたって市販薬を服用しているかた
市販薬は軽度の症状に一時的に用いるもので、長期間服用するものではありません。一度相談してみて、必要であれば医療機関を受診しましょう。
思っているより、注意することが多いと感じるのではないでしょうか。
しかし、ここに書いてあるのはほんの一部です。
薬や状況によってはもっと注意しなければならないことがあるため、購入前にとりあえず相談してみましょう。
こんなときは薬剤師か医師へ
登録販売者は薬のプロフェッショナルですが、薬剤師と比べて扱えるものに制限があります。
とはいえ、登録販売者がカバーしている第2類・第3類医薬品は医薬品全体の9割を占めているため、そうそう困ることはありません。
しかし第1類医薬品を服用しているかたや、医療機関にて治療を受けている/妊娠・授乳中など特別に配慮すべき事情があるかたはかかりつけ医もしくは薬剤師へご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
登録販売者が何をするのか、わかっていただけましたでしょうか。
医薬品は多かれ少なかれ、リスクのあるものです。自己判断はよして、必ず相談するようにしましょう。
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それでは、次回の記事もお楽しみに!
参考図書・サイト
本間克明 / 登録販売者合格教本(第6版)/ 技術評論社(p.12, 22, 34~41)
『内服薬とは? 意味を解説』マイドラッグ・ハニュウ薬局
『外用薬とは? 意味を解説』マイドラッグ・ハニュウ薬局
(敬称略)
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