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訪問診療をお願いするには?
訪問診療の依頼はどうしたらいい?
簡単に言ってしまえば、
訪問診療を依頼したい病院に電話をください
患者さん本人、ご家族、病院、ケアマネさん、訪問看護師さん
いろいろな方から訪問診療の依頼が日々舞い込みます
どのように訪問診療を開始していくかは病院それぞれなので
「どうしたらいいですか?」とお気軽にお電話ください
何を聞かれるか?
まず確認したいのは【住所】
だいたいの方が、病状やADL(どのくらい動けるか)をまずお話され、
「こんな状態で訪問診療はお願いできますか?」
と言われますが、
訪問診療を受け入れるときにまず確認しなければならないのは
「住所」です
訪問診療で訪問できる場所は、
【病院から16km圏内】というルールがあります
※周辺に医療機関がない場合は例外的に16kmを超えても
訪問可能な地域もあります
このルールは絶対なので、まず住所を確認したいです
【○○市○○町】程度で構いませんので最初に教えてください
(時々、病状などおおむね聞いてから、住所は?と確認すると
範囲外だった…ということがあります)」
病状で訪問診療をお断りするということはほぼない
「こんな状態で訪問診療は受けられますか?」とよく聞かれますが
病状の厳しさを理由に訪問をお断りすることはないです
多くの患者さんが、重い疾患を抱えていらっしゃいます
そして、移動に介助を要する方ばかりです
(そもそも自由に動ける方は訪問診療の対象者ではない)
訪問をお断りする場合は、
・「今、転倒して動けない」といった外傷や骨折が疑われる場合
⇒外傷や骨折は訪問診療では対応困難です
・医療処置に対応ができない場合
⇒病院によって、対応できる医療処置が異なります
たとえば、私が働く病院は、腹膜透析やCART、輸血には
対応できません
病状よりも、医療処置そのものに対応できるかの方が問題になります
医療処置の内容と必要な医療材料は重要
病状が訪問診療の受け入れの可否に影響することはほぼありませんが
医療処置については対応できるもの、できないものがあるため
詳細を確認します
さらに診療所では、院内に在庫として持っている医療材料は限られます
たとえば、気管カニューレは【単管・二重管】【カフのあり・なし】【カニューレのサイズ】の組み合わせで、膨大な種類が存在します
すべての規格がそろっているなんてことはないので、
患者さんの受け入れが決まり次第発注することから始まります
普段使用しているものではないので、納品まで時間がかかることも多いです
この医療材料の準備期間のために訪問診療導入が遅れることもあります
医療処置がある場合は、処置内容と使用する医療材料の正確な型番を確認してからお電話ください
在宅では多職種連携が必須
在宅療養は訪問診療だけでは成り立ちません
同じように療養生活を支える多職種のチームメンバーの確認が必要です
特にケアマネさん、訪問看護ステーションは重要です
また、自宅に訪問するという特性から患者さんの生活スケジュールの把握が必要です
デイサービス等で患者さんが自宅にいない日は訪問ができませんからね
家族についての情報
在宅療養するにあたって【家族関係】の影響は大きいです
同居している家族
近くに住んでいる親族
遠方に住んでいる親族
キーパーソン
家族の健康状態
家族構成
患者さんと家族の関係
家族同士の関係
誰にどのように病状説明されているか、その理解度について
患者さんの家族についての情報は結構しっかり聞いてます
意外と詳細は聞かないこと
日常生活動作(ADL)について
ADLについては、「百聞は一見に如かず」と考えています
ひとつひとつ電話で聞くよりも
一度会ったほうがはるかに状態がわかります
寝返りできるかできないか、座位保持できるかできないか
それぞれを聞いたところで自宅での生活の様子が見えてこないことは
よくあります
看護サマリーや介護情報提供書をのちほどいただければ十分です
詳細な治療歴
これまで何をしてきたかよりも、これからどうするかを聞きたいです
たとえばがんの患者さんであれば、抗がん剤の治療歴よりも、
今後継続するのか?治療するのであればどんなかたちで?
BSCなのか?抗がん剤治療を終了しても通院は継続するのか?
全身状態が悪化したとき、入院したいのか?在宅で過ごしたいのか?
入院したい場合は受け入れはどこになるのか?
緩和ケア病棟の申し込みはどうするのか?
過去の治療歴については診療情報提供書でよいです
これは退院カンファでも同様です
これまでの話は簡単に、これからどうするかが話のメイン
参考資料
私自身が現在訪問診療の受け入れ時に使用している聞き取りシートを
少し手入れしたものです
よければ参考資料としてどうぞ
使いたいと思っていただけたらご自由にお使いください
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