オルトルイズムの烙印 歌詞解説!!!

初めましての方は初めまして、そうでない方はいつもお世話になっております、N7thという者です。
今回一度やってみたかったボカコレ曲歌詞解説をやってみようと思います。
真面目腐ったものでは決してありませんので、ぜひお気軽に、楽しく見て頂けましたら幸いです。

まだN7thのボカコレ曲を未視聴の方はこちらから→https://www.nicovideo.jp/watch/sm42573784


概要

そもそも、この歌詞には「愛」という言葉が多く登場しますが、

恋愛に関する曲ではありません!!!!

この歌詞の中での「愛」とは、動画内1:24に登場する、ルカによる福音書10章27節「隣人を自分のように愛しなさい」から引用しています。ここでの意味は、好き、愛する、ではなく、大切に思う、親しみを覚える、尊敬するの意味です。正直自分でも、とても紛らわしいと思います。もうちょっとそれっぽい言葉入れるべきだった。

そしてもう一つ多く登場するのが、「貴方」という言葉。この「貴方」は一人に限定されたものではなく「私が本当は好きになりたいけど、どうしても好きになれない相手」を指します。皆様にもそういう相手が一人や二人はいるのではないでしょうか。

オルトルイズムの烙印

オルトルイズム(altruism)とは、愛他主義、利他主義、博愛主義の事を指します。普通はアルトルイズムと読みますが、オルトルイズムの方が語感が好きだったのでそちらにしました。(アルトルイズムで調べたらめっちゃガッツリ会社の名前が出てきた)
誰でもこの世の全てを愛することができる、それがオルトルイズムの烙印です。最初は「オルトルイズムの切符」にしようとしていたのですが、電車要素を入れるのが難しかったので烙印に変更しました。

しかしこのオルトルイズムの烙印、心から人を愛することは出来ず、あくまで「愛したい対象を愛する気持ちに取りつかれる」もの。いわば洗脳。つまり、「貴方が嫌い」という本心とは関係なしに相手を愛してしまう為、だんだん自分が分からなくなっていってしまいます。そして残念ながらこの烙印、自分で自分を愛することは出来ないので、烙印を刻まれたら最後、自分が壊れてしまう運命にあるのです。コメントで「喜劇っぽい」と言って下さった方がいらっしゃったのですが、申し訳ない、バッドエンドです。悲しいね。

1番Aメロ

無邪気に生きる貴方を背に 後ろめたさをそっと隠して
明日もこの先も変わることない 反吐を飲み干して

ここは一番最後に作りました。納得できる言葉が出てこず苦戦しました。
何も知らずに生きる貴方を、私はどうしても好きになれない。反吐が出そうになるけれど、そんな事言えば今の関係が崩れてしまう。それは嫌だ。

自分がない周りが見えない 意気地がない思いやりがない
我儘が湧き出して止まぬから オトナになんてなれないんだ

反省①。文の繋がりが良くない。
前半は、貴方のどうしても好きになれない点をあげています。先ほども伸べましたが、「貴方」というのは決まった相手ではないので、ここで挙げられている点全て一人に対する物なのかもしれないし、複数人に対する物なのかもしれません。
後半は「私」の事を指しています。ここがめっちゃ伝わりにくいですね・・
他の人は貴方のそんな所をひっくるめたり、ちゃんと嫌な所を別として貴方の良い所を見ているのに、私はそれができない。私が貴方を好きになれないのは「我儘」で、他の人みたいにオトナになれない。

1番Bメロ

黒く濁り切ったミルククラウン 惨めなほどにグレイに染まって
罪の矛先は私なのに あせていく貴方に手も伸べられない

黒⇔ミルク(白)⇔グレイというちょっと矛盾した色の対比が結構お気に入りです。
貴方の苦手な所(黒)がミルククラウンのように私の中に伝わっていく(ちょっとミルククラウンの意味違うけどあまり気にしてはいけない)。そうなると、貴方の良い所も全て悪いよう(グレイ)に見えてしまう。
そう思ってしまう私が一番悪いのに、貴方をどうしても好きになれない。

1番サビ

目の前の隣人を愛せたら 誰も苦しまずいられるのだろう
それを誠実と呼ぶのなら あまりにも滑稽な私を救って!

サビ頭なので直球で殴りたい!と思って分かりやすい歌詞にしました。
貴方を愛せたら、貴方も私も苦しまずいられるのだろう。好きになれない相手を愛そうとしているのは世間一般から言わせれば「誠実」なのかもしれない。そうしたら、自分の中の「誠実さ」に踊らされている私はあまりにも滑稽すぎるのではないか!誰か私を救って!!!

その時突然天から舞い降りた 白い羽を纏う天使は私に告げた
隣人もこの世の万物をも愛せる 烙印を与えようオルトルイズム

ここ個人的お気に入りです。説明も何もないので解説カット

2番Aメロ

赤く燃え上がる烙印は求めれば求めるだけ教えてくれた
貴方を心から愛せるように傷つかぬように苦しまぬように

暗殺教室の触手イメージです。解説カット

2番Bメロ

博愛の
灯と
題して
求める光は
暮れゆくようで
らしくなんて口に出さないでよ
こんな事して意味がないって言わないで!

一番の問題個所。
私は貴方の事も、それ以外の物も、全てを愛せるようになった。だけれど「私自身」の事だけはどうしても愛せない。
本当はこういう感じの意味の言葉を入れたかったんです。というか歌詞の繋がり的に入れるべきなんです。でもどうしても良さげなのが思いつかなかったんです。
そこで自分は「歌詞を縦読みにさせよう!」と思いつきました。という訳で、「灯」~「らし」まで縦読みしてください。なんとびっくり「灯台下暗し」になっています。私が他の人は愛せるのに私を愛せないこの状況が灯台下暗しだなあと思ったからです。
ちなみに、ここの歌詞はほとんど意味がありません。私が適当に考えたそれっぽい言葉をそのまま並べているだけです。求める光は暮れゆくようでとか本当に意味が分からない。
でも一応「灯台下暗し」という意味はあるので最後、「こんな事して意味がないって言わないで!」というこれはN7thからのメッセージです。誰が分かるか。

2番サビ

貴方が笑えばそれでいいんだ 澄みつき過ぎた「愛」を語って
貴方を思って今日に祈る いつまでも続きますようにって

貴方を2回使ったのはやらかしました。凄く気持ち悪いです。反省②。
ここも歌詞の解説とかそのままなのでいらないのですが、一つだけ。
「澄みつき過ぎた「愛」を語って」の愛が「」なのは、ここでの愛は「愛という文字」を指しています。歌詞にありあまりすぎた愛という言葉を語って、という意味です。要は「愛」という言葉を歌詞中使い過ぎた弁明です。

魔法はいつか解ける決まりきっていた 小鳥達は歌う明日もこの先もずっと
夢に散ってゆく霞んで見えぬ私は 虚像に自由な貴方が映るまで

問題個所その2。ここも何も思いつかなかったので、私が好きな言葉をそのまま並べました。小鳥に関しては本当に意味とかありません。
一応解説すると、
烙印は洗脳であり、ある種の魔法であり、いつか「愛する事」を苦しく思ってしまう。それは御伽噺の中でも昔から決まりきった事だった。貴方が自由に生きる(1サビ誰も苦しまずいられるのだろうの対比)まで本音(貴方をどうしても好きになれない)を押し殺してでも私は貴方を愛そう。

貴方の全てを愛して 貴方の全てを許して 貴方の全てを救って
私は勝手に喜んで 私は勝手に笑って 私は勝手に疲れて
私はだんだん擦り減って

こういう簡単な言葉で迫っていく感じ一回やってみたかった!解説カット

つぎはぎの心持て余して 私は何になるのだろうか
ほんの少し頬が痛いのは 真実の愛か?烙印の対価か?

ここは綺麗にできたと思います!
もう自分の本心が分からない、貴方を愛するが余り、自分を愛せない、自分を犠牲にしてまで、苦しいのに貴方を愛してしまう。貴方の前で無意識に無理に笑って(本心は貴方を愛せていないのに)頬が痛い(物理的)。これは真実の愛と言えるか、それとも烙印の対価なのか?

ラスサビ

私が私を愛せないのに 貴方への愛は底がないようで
ほつれかけた間違いの端に ヘビは最初から棲みついていたんだ

ここから先はマジで上手くできた。自画自賛。
私は私を愛せなくなってしまった(私の本心に反して貴方を愛しているから)のに、貴方をどうしても愛してしまう。それは、「貴方を愛したい」と思う事自体最初から間違いであり、誘惑だった。(アダムとイブの話は聖書の中で最初に出てくる罪なので、そこも「最初から」にかけています、今考えました)

熟した林檎は本当に甘かった 貴方を諦めないそれが愚かだったのだ
隠すことなく白い仮面を捨てた 「貴方」をなぜか抱きしめていた
愛を知りすぎた 私は誰ですか

ここ一番のお気に入りです!
万物を愛せる、という上手い話はやはり誘惑だった。貴方を諦めず愛そうとしたことが愚かだった。天使のフリをして私に近づいて誘惑してきた悪魔は、正体を明かして私の前に来た。その悪魔をも、私は愛して、抱きしめていた。愛を知りすぎてしまったが故に、本当の私は壊れてもういない。
「貴方」を「」で括ったのは、ここだけ「目の前の悪魔」という特定の相手を指しているからです。元々ここは「それをなぜか抱きしめていた」だったのですが、「それ」は自分が愛する者に対して失礼じゃないかと思い、「貴方」にしました。

最後に

書いていて歌詞と歌詞の繋がりが雑だし、入れたいことを入れることが出来ていないなと改めて認識させられました。

この歌詞で一番表現したかったことは、「人を嫌いになることを恐れるのは、自分の価値観の否定」という事です。要は人を嫌いになることは別に悪い事じゃないし、それを肯定できるのは自分自身だけだという事です。(勿論、嫌いなことを表に出すことに関してはまた別の話になってきますが)
曲の主人公「私」ですが、これは物語の登場人物とかではなく、「どうしても好きになれない人がいるという人間」、つまり私たちの事を指しています。

これを見て下さっているあなたも、オルトルイズムではありませんか?
誰かを無理に好きになろうとして自分の中で頑張って取り繕っていませんか?

最後までありがとうございました!





あとめっちゃ余談ですが、感想を下さった方皆さん「ゴシック良い!」と仰って下さったのですが、自分としてはゴシックは一切意識していませんでした。Aメロ作った時点でちょっと「ゴシックっぽいか・・?」と思ったくらいです。正直めちゃくちゃ言われて驚きました。でもダーク×ゴシックの響きはかっこいいので自分も宣伝で使わせてもらっています。ありがとうございます。

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