兵庫県と知事の内部通報者保護法の認識の甘さが心ある職員の自死を招く

1.この事件の発端

県も県知事も内部通報者保護法が我が国に施行された背景についてもっと勉強するべきであったが、強権的な首長の出現と長い物には巻かれろの弱腰管理者の順法精神欠如が県職員の自死を招いたと思います。
安倍元総理の森加計問題でやり玉に挙がった財務省理財局の不自然な行動を告発し、自死に追い込まれた赤木氏の件にもつながる不祥事です。

2.内部通報者保護法についての有識者の軽い見解に驚く

兵庫県100条委員会を傍聴した某教授が「一般市民に同法のことが周知されてこなかったことに驚きを覚えた」と軽い見解を述べたことに、私は大きな驚きを覚えてしまった。どうも、我が国には法律を制定しても、それを正しく運用する人がおらず、形骸化して立法精神が活かされない感がある。
本来、内部通報を受けた知事や県幹部は通報の内容を精査し、改めるべき点があれば、改める行動をとるべきであったが、通報者の特定を優先してしまった。通報内容に誤りがあっても県のホームページに通報内容と誤りを正す情報開示で済ませるべきであった。
東海市には市政提案書制度がありますが、この制度の機能が活かされていないと感じています。例えば、数ある提案書の中に事務事業に反映させる価値がある提案書はどのように事務事業に反省させるか公開するべきではないか? トヨタ自動車は従業員(下請けも含む)がチラシの裏に殴り書きした提案書に対して1件につき300円の報酬を払う。更に、技術者らが精査して実機化出来るものは実機化する。この場合、価値ある提案は100万円(上限?)位の報奨金を払うようです。

3.立法精神の良い事例
立法精神に関する事例労働安全衛生法の前文に「この法の定めは労働者の貴い犠牲の上に成り立っている最低限の内容である。従って、事業者(雇用主)がこの定めを超えることを拒否するものでない」と高い理想を掲げている。
私が出向したことのある㈱名古屋サンソセンターの毛利工場長は労使半々で開催される社安全会議を毎月開催していた。労働安全衛生法では従業員数が50名に満たない事業所にそのような開催は不要であったが、工場長はきちんと開催していた。この工場長の部下であった私は工場長の安全会議開催にかける想いを聞かされ驚いた。

4.上位者の取るべき態度と部・局長の心構えとは??

内部通報だけでなく上位者(首長等)が取るべき態度は自らに不利益な情報に接しても犯人捜しをしたり、異見を述べる職員に対して不利益となる発言や行動は現に慎むべきであると考えます。確かに多くの県民の支持を受けて首長になったことに自信を持つことは結構ですが。部・局長の心構えとしては上位者の想いを忖度するような行動は厳に慎むべきかと思います。『長大な堤防も蟻の一穴から壊れる」と言う例えのように安易な妥協は後日、取り返しのつかない悲劇を招きます。



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