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なぜ、人が嫌がる仕事が好きなのか

私は人が嫌がる仕事が大好きです。
理由は、人が嫌がる仕事は、オリジナリティーが高く、やりがいがある、ゲーム性が高い仕事というが、私の定義です。
おもしろそう、とつい思ってしまいます。
入り込むと、やばいと思うこともありますが、おもしろさと楽しさが勝っていきます。

人が嫌がる仕事、たとえばトイレが詰まったりすれば、とくに自社ビルであれば真っ先に総務の私ところへ連絡がきます。
清掃をおこなってくれる人たちがいる時間だけではありません。
私の腕のみせどころでした。
と、まぁ、なんでも仕事をおもしろくやってしまいます。
また、ほかの部署でやりたがらい仕事は、なかなか手ごわいのですが、それをひとつずつ絡んだ糸をほぐすように解決していくのが好きなのです。

企業では、素行がよくないと思われる人たちが、あまり見慣れない服装などで来社します。
その相手をするのは総務の人間です。
このような仕事は、誰もやりたがりません。
これを読んでいる人でも、少し考えてみればわかるのではないでしょうか。
人は、わざわざ危うきには近寄らないでしょう。。。
それでも企業というところは、誰かが対応しなければなりませんし、どのような企業でも誰かが必ず対応しています。
私は、このような人が嫌がる仕事がくると、私の出番だと思ってしまいます。
自分しかできない仕事だ、と確信します。
また、好きなので、すぐに行動に移せます。
自分の立ち位置が明確になり、企業を背負って仕事ができます。
勿論、なにかあった場合の覚悟もできています。
だからこそ、勇気や知性、さらに行動力、そして覚悟といった人間がもっている限界に挑戦するゲームのようなものです。
このようなことを仕事のゲーム性が高いと、私は思っていました。

これだけではありません。
ソニー子会社へ入社すると、わけがわからいリース契約が1300件ほどありました。
これをひとつひとつ調べあげていき、物品と契約書を突合し、その製品が現在あるのか、そして使用されているかを確認していきます。
さらに毎月送られてくる請求書とリース契約書の金額があっていなければ、本来であれば支払はできません。
それが支払われているのですから問題がありそうでした。
さらにどこの部門の費用になるのか、といったことをすべて調べるのです。
気が遠くなる作業でした。

しかも、他の仕事をやりながらこつこつと行っていくのです。
私は、雑然としたものを整然とすることが好きです。
このわけがわからいリース契約書をなんとしても整然とした体系(データ)化してやるという覚悟と決意が全身にみなぎります。
2年半ほどかかったでしょうか。
すべての契約書をチャックし、現場にある物品の確認、それから送られてくる請求書の確認と支払いについてのすべてをデータ化(Excel)しました。

このようなExcelベースで対応している私の姿をみて、見かねた経理部の部長がシステムを組んでデータべース化しようといってくれました。
私には、渡りに船だったでしょう。
1300件の契約を毎月Excelで管理していくのは容易ではありませんでした。
データベースへの移行では、リース物品の管理も固定資産と同様に、リースナンバーを付けて一元管理することになりました。
棚卸のときには、固定資産と同じように現物の確認をします。
当時の会計処理では、そこまで求められていませんでしたが、創業立ち上げ期であった会社ですから、この先のことを考えていっきに改革してしまおうというやる気がみなぎっていました。
これも経理部長の協力を得ながら完全に出来上がりました。
その後、誰でも簡単に管理ができるようになりました。
このように雑然とした物事をシンプルに作り変えていき、私がやってきた苦労をさせないように仕上げて、次の世代に渡すことが好きなのです。

このような面倒で人が嫌がる仕事のなかには、将来改善や改革の種となる有望な芽が、案外、含まれていたりします。
そのような仕事は、誰もやっておらず、自分の考え方そのもので企業を左右する有益な仕事にしていくことができます。
私は目立つことが、そもそも苦手です。
その意味では、人が嫌がる仕事は、ほかの人たちからすればみることや触ったりすることさへ忌避する仕事ですから、はじめから目立つこともなく、自分らしくこつこつできるので、私は楽しく仕事ができます。
それで企業の役に立てれば、それでよいのです。
次の世代が楽に仕事ができるようになり、もっと重要な仕事に時間と手間をかけてくれればよい、と考えて仕事をしてきました。

だからでしょうか、人が嫌がる仕事は私だけのものであることが多く、それこそがゆかいで、おもしろく、楽しい職業生活を送ってこれた本質だ、と思っています。


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