村上宗隆の外野コンバート案について考える

先日、高木豊さんのYouTubeチャンネルにて、東京ヤクルトスワローズの開幕スタメンを予想する動画が公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=6WTHayJDmoI

この動画の中で、山田哲人を三塁へ、村上宗隆を左翼にコンバートするという構想を掲げられていました。村上の外野コンバートは、2023年シーズン中からファンの間で囁かれていました。今回は、村上の外野コンバートについて、考えていきたいと思います。

当記事の結論(個人的な見解)


メジャーリーグ挑戦を見据え、1つのオプションとして外野を守らせることは賛成だが、現段階ではメインは三塁に。

・理由1
三塁の守備成績の改善が見込める
・理由2
外野コンバートが打撃成績に悪影響を及ぼす可能性がある
・理由3
村上が三塁を守る前提でチーム編成をしている

村上の年度別守備成績(三塁)


参考資料1、2

上記の表は、2019年から2023年シーズンまでの、三塁守備のUZR、RngR、エラー数、送球エラー数、守備率をまとめたものです。

UZRとは、平均的な野手が守る場合に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す指標です。つまり、平均が0となり、プラスになれば、平均以上の守備力を有していることを意味します。RngRは、UZRを構成する守備指標の1つで、守備範囲を表す指標になります。この指標もプラスになれば、平均以上の守備範囲を有していることを意味します。

一軍で本格稼働した2019年から2022年までは守備成績が向上し続けていました。特に2022年はUZRでプラスをマークしており、平均以上の三塁守備をこなしていました。

しかし、2023年は大きく成績を落とし、自己ワーストのUZRを記録しました。成績低下の要因として、コンディション不良が考えられます。セイバーメトリクスの研究で、故障やコンディション不良を抱えながら、出場していた場合、守備成績が大きく低下することが分かっています。

2023年は3月にWBCに出場した影響もあって、何かしらの問題を抱えながら出場していた可能性があります。実際に9月からは下半身のコンディション不良に悩まされていたことがシーズン後に報道されました。

2019年から守備範囲を表すRngRはプラスを記録しており、2023年に急降下していることから、コンディション不良の影響をモロに受けたことが分かります。

つまり、コンディションさえ整えば、2022年のように平均以上の三塁守備がこなせる見込みがあると言えます

外野コンバートによるリスク

次に外野コンバートによるリスクを考えたいと思います。
プロ入り後に外野を守った経験がなく、どの程度の守備成績を残すかは未知数の状況です。場合によっては、2023年の三塁の守備成績より悪い数字を残してしまうこともあり得ます。(その逆もしかり)

また、慣れないポジションへのコンバートは打撃に影響を与える可能性もあります。2011年のシーズン途中に畠山和洋を一塁から慣れていない左翼にコンバートした結果、打撃に集中できなくなり、打撃成績を落とすという事例がありました。慣れない守備位置が打撃に悪影響を及ぼすという、明確な因果関係を示す研究やデータなどはまだありませんが、打撃に悪影響を及ぼさないとは言い切れません。

村上の外野コンバートによるチーム編成

当然、球団は村上が内野を守る前提でチーム編成をしています。
村上が外野を守る場合、当然ながら外野の選手は、その分出場機会がなくなります。つまり、青木宣親をはじめ、濱田太貴、澤井廉、並木秀尊、内山壮真など次世代選手の出番が少なくなってしまいます。

一方、村上が守っていた三塁は、北村恵吾や赤羽由紘らが入ることになりますが、上述の外野のメンバーに比べると、もう少し育成が必要な状況です。
※山田哲人の三塁コンバートは現実的ではないと思うので、考慮に入れていません。

チーム編成的にも、村上には三塁を守ってほしいところです。

まとめ


上記を踏まえると、現段階で無理に外野にコンバートをする必要はないと感じます。但し、メジャーに挑戦する場合、三塁や一塁メインだと、厳しいのも事実です。1つのオプションとして外野を守らせることに関しては、OKだと考えています。

参考サイト

(1)NPB公式

(2)DELTAGRAPHS公式X

https://twitter.com/Deltagraphs?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor


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